11月27日からニューヨークで第2回核兵器禁止条約締結国会議が開催されましたが、すでに明らかになっている12月1日に採択される予定の政治宣言の草案を読むと核保有国やその同盟国が主張する核抑止論を「不拡散義務と矛盾するだけでなく核軍縮の進展を阻害している」と全面否定して「検証可能で不可逆的な核廃絶が急務だ」と日本共産党やかつての日本社会党の反核活動家たちが広島や長崎の原爆式典の会場を取り囲んで金切り声を上げていた非現実的な教条主義のお題目を模倣・踏襲しているようです。
かつての日本社会党は護憲政党と称しながら日本国憲法は第9条が全てであるかのように絶対視して非武装中立の実現を主張していましたが、日本は海を隔てているため目では見えなくても北西南の三方では強大な軍事力を有するソビエト連邦と共産党中国が舌舐めずりしながら虎視眈々と狙っていて(どちらにとっても日本列島は太平洋への出入口を塞ぐ障壁になっている)、その侵略を防いでいたのは自衛隊と在日アメリカ軍の存在であり、中でも海空自衛隊の365日24時間の水も漏らさぬ警戒監視と即応体制がつけ入る隙を与えなかったのは厳然たる事実です。不肖、野僧も航空自衛官として航空教育隊で勤務した2回、4年8ヶ月間を除きその一翼を担いました。
核兵器についても同様のことが言えて日本がソビエト連邦のSS20中距離弾道ミサイルやツボレフ22バックファイヤ戦略爆撃機に狙われていても(共産党中国の核戦力の大半はインド向け)3度目の被爆を経験しなかったのは日本社会党と反核団体が「唯一、核兵器を使用した悪魔の国」と非難するアメリカの核兵器を日米安全保障条約によって現実の脅威としてソビエト連邦と共産党中国に見せつけていたからに他なりません。
つまり日本の反核団体や核兵器禁止条約の制定を主導的に推進した市民団体・ICANが口にする「核兵器によって人類が滅亡するか、核廃絶を実現して恒久平和を手にするかの選択しかない」の「人類の滅亡」は核兵器によって抑止されてきたのであって通常兵器による全面戦争を回避して冷戦と言う神経戦に終始したのも核抑止力の効能です。
ICANの本部が所在するスウェーデンは自称限定の永世中立国として核攻撃を受けても全国民が生存できる地下シェルター=避難施設の整備を国策としてきましたが、ウクライナ侵攻を前にロシアの核の脅威の増大を認識してアメリカの核抑止力の保護を受けるべくフィンランドと共にNATO=北大西洋条約機構への加盟を申請しました。
その一方でスウェーデンは第1次世界大戦では北欧の盟主を気取ってノルウェーやデンマークを巻き込んで中立=不介入・不干渉の立場を採ったため戦後処理で不利益を被り、第2次世界大戦でも同様に中立を表明しながらデンマークとノルウェーはナチス・ドイツに侵略・占領されだけでなく隣国でありながらアジア系民族の野蛮国と見下していたフィンランドがソビエト連邦軍の侵略を受けても支援もせずに無視して自国の領土保全だけに専念したのです(フィンランドはナチス・ドイツの支援を受けたため敗戦国になった)。
スウェーデンの「ノーベル賞の国」を標榜する独善性は環境問題でもグレタ娘が暗躍していますが国家としてはヨーロッパで必ずしも好感を持たれていません。
- 2023/11/28(火) 15:53:38|
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バブルの狂乱景気で過剰投資を続けて崩壊直後に倒産した長期信用銀行出身だけに経済音痴でまともな首相は創設者の池田勇人首相と大平正芳首相くらいしかいない宏池会の領袖だけに政治的センスも持ち合わせていないらしい岸田文雄首相の政権の支持率が30パーセントを切って調査の度に低落の一途を辿っています。マスコミの喧伝と好意的調査手法による圧倒的支持率で成立した民主党政権の歴代内閣も退陣前には10パーセント台まで落ちていましたから驚くほどの数字ではないでしょう。
野僧が航空自衛隊に入隊した時は宏池会の鈴木善幸首相でしたが大学の反体制派の友人たちには賛同しなくても元社会党の鈴木首相は存在すること自体に腹に立って教育隊の座学で「内閣総理大臣が自衛隊の最高指揮官」と教えられて「鈴木善幸に死ねと命ぜられれば死ななくてはいけないんですか」と区隊長に質問してしまいました。幸いなことに第1術科学校に入校中だった11月27日に「死ねと言われれば喜んで死にます」と言いたくなるような中曽根康弘首相に交代したため士気は大いに高揚しました。それにしても鈴木首相の持論「吼えるライオンよりも賢いハリネズミの防衛態勢」とは何なのでしょうか?
それからは中曽根政権が長期化して後継者としてはニュー・リーダーと呼ばれる竹下登氏、安倍晋太郎氏、宏池会の宮澤喜一氏の3人が順番待ちしていましたが、社会人向け雑誌などを読んでも「宮澤氏には政治力と人望がないので出番はなく先ず安倍氏、続いて竹下氏が満を持して首相になる。宮澤は首相にしてはいけない」と言うのが政治評論家たちの一致した見解でした。ところが安倍氏が1991年5月15日に膵臓癌で亡くなり、長期政権が期待された竹下政権はマスコミが煽り立てるリクルート疑惑で支持率が9パーセントまで下落して退陣に追い込まれると自民党の宮澤氏を外すための窮余の策だった宇野宗佑政権は女性スキャンダルで短命に終わり、クリーン・イメージだけの海部俊樹政権も湾岸戦争での内外の袋叩きに力尽きて1991年11月5日に日本凋落の元凶・宮澤政権ができてしまいましたが、予想通りに現実よりも教条主義を優先する宏池会的政治でこの国を奈落の底に引きずり込んでいきました。
先ず海部政権が湾岸戦争に自衛隊を派遣しなかったことで浴びせられた批判を挽回するために国際平和維持活動=PKOへの参加を決めましたが野党の反対に抗し切れずに安倍政権が2015年に全面改定するまでは国際軍事常識が違反になる欠陥法で自衛隊を紛争予備地帯に送り込んだのです。また外交ではソビエト連邦が崩壊したにも関わらず北方領土の返還を要求することもなく巨額の財政援助を与え、退陣5日前には朝日新聞が捏造した戦時売春婦=(いわゆる)従軍慰安婦に関する河野官房長官談話を発表しました。
岸田首相は宏池会と言う派閥を引き継いだだけでなく広島市を選挙区にしていることも宮澤首相と共通しています。広島大学は琉球大学と同様に反核=反戦平和を表看板にした反米反日親中親ロの政治思想を学生に刷り込んで中国地方の教職員やエリート階層にしていて広島のマスコミは極左偏向で支持者もその影響に晒されているため現職閣僚の谷川和穂防衛庁長官が落選した実例があり岸田首相も迎合せざるを得ないのです。
- 2023/11/18(土) 15:16:34|
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野僧が住む限界集落では十数年前から鹿が増えて山の餌では足りなくなったのか夜間、それも暗夜にだけ姿を見せて庭木の葉や草花を食べるようになりましたが、それでも人間が戸を開けると逃げました。また畑に設置してある防鹿用の柵を越えることはなく鹿避け装置の音響や光には敏感に反応していました。
やがて人間が危害を加えないことが判ると警戒心を緩めて白昼堂々現れて庭木の葉を食べるようになり、その頭数が次第に増えて今では小庵の庭でも昼間は10数頭、夜間にはその倍数の群れが牧場のようにたむろしていて、庭の草を綺麗に食べるのなら許せるのですが口が肥えたのか食感が悪い柴系統=平行葉脈の草は食べなくなり、網が掛けてある鉢植えを引き出して葉を食べるようになりました。畑の侵入除けの柵も農家の高齢化で管理が行き届かなくなると僅かな隙間を押し開いて侵入して野菜を腹一杯食べ尽くしていきます。こうなると完全な害獣なので駆除の対象ですが、全国的に猟友会の会員は高齢化している上、駆除依頼が殺到しているため順番待ち状態で、中には待ち切れずに「鹿の餌を作っても仕方ない」「どうせ先は長くない」と耕作を放棄してしまう農家が続出しています。
そんな当地で10月30日に朝の鐘を打った野僧と仕事に出かける隣家の娘が空き家1軒を挟んだ庭から墓地がある裏山辺りから聞こえてくるド迫力の雄叫びを聞きました。すると翌日には集落内の休耕田で餌を探したのか歩き回った大きな足跡が見つかり、両方の情報が別ルートで広まったため数日後に持ち寄る形になり、ようやく口コミ「熊の出没」警報になりました。ただし、その頃には町内でも数十キロ離れた集落で熊の目撃情報がニュースになっていて集落での出没は過去形で語られることになりました。
ところがこの熊の出没情報と相前後して昼夜を問わず田畑や公園、空き地から住宅の庭、車道を徘徊していた数百頭単位の鹿の群れが一夜にして姿を消し、時折、逃げ遅れたらしい小鹿が鳴きながら歩き回り、群れが食べ残した草や木の葉を口にして山に帰っていくことを繰り返しています。この状況に住民たちは「山の奥で鹿が熊に捕食されたため恐怖心に駆られたボス鹿が別の山への逃亡を決意し、暗夜に移動したため群れから離れていた小鹿が置き去りにされたのではないか」と推察しています(山口県は大規模な天災が起きないため動物の危険回避本能とは考えない)。
それにしても人間の駆除では全く追いつかなかった鹿の大群が一瞬にして消えたのですから自然界の天敵の威力は絶大です。以前、鹿や猿の獣害が問題になった時、一部の学者の「輸入した狼を山に放して天敵を作れば良い」と言う意見が暴論として失笑を買いましたが、今回、それが卓見であることを目の当たりにしました。問題は熊や狼などの天敵にとっては逃げ足が早い野生動物よりも狩猟を放棄した人間の方が容易に捕食できる獲物であり、現在、全国で続発している熊による被害が更に増加する可能性が高いことです。
絶滅した日本狼は海外の狼に比べて極めて小型で「同一種ではない」とする山犬説が有力なので輸入して野生化すれば生態系を乱す恐れがありますが、月の輪熊は土着の固有種ですから上手く付き合う方法を模索するべきかも知れません。
- 2023/11/10(金) 15:13:23|
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平成・○○(零輪)の35年間に日本民族・日本社会は八百万の神々に愛想を尽かされる天皇父子が象徴する通り著しく劣化し、世界に冠たる地位を築いていた日本製品も「安価で高品質」と言う定義では中国と韓国、「信頼性」ではアメリカやヨーロッパに追い落とされて暗黒の地の底から這い上がれそうもありません。
当・ド田舎では消費者の人数が極めて少ないため外国製品を取り扱う家電量販店や大規模スーパーは存在せず、コンビニエンス・ストアでさえ面積だけは広い町内に2軒あるだけなので都市部の余り物のような日本製品を常用・消費していますが、その品質の劣化には怒り心頭に達しています。
先ず家電製品ですが、元航空機整備員として昭和の家電製品を人並み以上に使いこなしていた野僧にとっては必要なデーターを入力して命令通りに機能してくれれば十分なのですが平成以降の家電製品は新型になるほど使いもしない機能がてんこ盛り、リモンコンには意味不明のスイッチが詰め込まれていて多くの場合、メーカーが勝手に決めた名称のスイッチで表示した画面で選択しなければ必要とする機能に接続できません。しかもその機能もテレビやDVDプレイヤーであれば人間が日付と時間、チャンネルなどの必要とする情報を入力するのではなく機械が勝手に番組の一覧表を表示してその中で選択する方式になっていて毎週録画している番組の放送時間が変われば当たり外れは機械の気分次第と言うことになります。おまけにその余計な機能を動かず電子装置は脆弱で落雷などで高電圧が掛かると簡単に破損して録画していたデーターが消失してしまいます。
さらにかつては永久保証のようだった日本の家電メーカーの部品の在庫保管は保証期間にも及ばないことがあり=なくなった時点で終了、メーカーの担当者が「家電製品は消耗品です。壊れれば買い換えて下さい」と言い放って恥じないのです。昭和の企業であれば家電メーカーの責務としてビデオテープやカセットテーブ、ワープロなども愛用する消費者のために子会社にでも本体と部品の製造を継続させるはずでが平成を過ぎれば時代遅れな過剰サービスとして切って捨てられるようです。
食品についても味が完成レベルに到達してしまうと固定客はできても売り上げを増やすことが難しくなり、企業経営としては現状維持に甘んじることになります。そうなると経営者は打開策としての新製品の開発を命じるのですが、調理方法や容器と包装、見た目くらいは開発・改良の余地はあっても味覚となると万人に好まれる新製品は簡単には見つかりません。せめてコマーシャルを工夫するくらいでしょう。特に固定客を有するインスタント食品などの改良は失敗すればかえって多大の減収になりかねず慎重にならざるを得ません。そこで常用されるのが「パッケージをアルミシートにして劣化を防ぐ」と言う過剰サービスですが金属資源の浪費に他なりません。
昭和と平成で日本の企業が変わったのは経営に株主が介入することになったことで、昭和は「お客さまは神さまです」「損して得とれ」と信用や人材育成などの先行投資に力を入れていましたが平成以降は株主の顔色を窺って目先の利益だけを追い求めています。
- 2023/11/08(水) 15:06:12|
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夫の無精子症などで妊娠できない妻に第3者が提供した精子を本人の卵子に受精させた後で胎内に移植して妊娠させる不妊治療で夫が病死したのを医師に隠して妊娠した事例が明らかになりました。
このような第3者が提供した精子による不妊治療は日本産婦人科学会の会員医師向けの会告や発覚した産婦人科医院の院内基準では「出産後は民法の嫡出推定(=婚姻中の夫婦の間に生まれた子供を実子と推定する)によって父子となり得る法律婚の夫婦」に限られていて、胎内移植した時点で父親が死亡していた子供には精子の提供者に父子関係を求める権利が発生する可能性があります。ただし、この産婦人科医院では2022年から精子提供者の一般募集を始め1年間で約150人が登録しましたが、生まれた子供の出自を知る権利に配慮して昨年9月以降は18歳以上になった時点で希望すれば面会に応じる非匿名提供者の精子のみを使用するようになったそうです。しかし、これでは嫡出推定によって血のつながりに関わりなく家族として父子となった意味が喪失します。
一方、現在妊娠している女性は院内基準で「法律婚の夫婦」に治療対象が限定されていることを知りながら「子供を産みたい」と言う願望を捨てることなく夫の両親と相談の上で医師に夫の病死を隠蔽して治療を継続させて妊娠したのですが、夫婦間で子供を望む場合は「愛の結晶」であるのと同時にそれぞれが先祖代々から受け継いだ「自分たち夫婦の血を引く子供」を求めるのが一般的でこの女性は自分の血だけで良かったようです。亡き夫の両親が賛成した理由も理解できません。
野僧の同僚は結婚して10年近くが経過しても子供ができず、産婦人科の診断を受けても夫婦ともに異常がないため妻は性行為の後には「精子が子宮に入るように」と壁際で逆立ちしていました。ところがビデオデッキを購入して同僚がアメリカ軍から入手した本場エロビデオを貸したところ忽ち妊娠したため「今までやり方が間違っていたんじゃないか」と笑われましたが、その喜びは並大抵ではなく生まれた男の子にベッタリの甘い甘い父親になりました。同僚は剣道家で「息子を剣豪にする」と言っていましたが本人の希望でサッカーを始めると部隊で経験者に習って苦手な球技の相手になっていました。
ところが新婚早々の若手パイロットが事故で殉職して妊娠3か月だった妻は「中絶する」と言い張り、パイロットの両親が「息子の忘れ形見だから」「生んでさえくれれば私が育てます」「貴女は好きに生きて好いから」と泣いて懇願し、上官や同僚が説得しても聞く耳を持たず周囲の目を盗んで産婦人科へ行って中絶してしまったのです。帰宅した妻からそれを聞いた両親の嘆き悲しみは凄まじく、立ち会って制止していた飛行隊長も抑え難い怒りに震えながらも亡き同僚の無念を思うと涙が止まらなくなったそうです。
これら「子供を得ること」の悲喜を描いた実話の人間ドラマを思うと理解不能でも「子供を産みたい」と願う女性には不可解な情は感じられますが、このような人間不在の事態が横行しているようでは不妊治療を希望する夫婦とそれ行う産婦人科学会はもっと「人間学」の研鑽に励むべきでしょう。
- 2023/10/27(金) 13:29:37|
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