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古志山人閑話

野僧は佛道の傍らに置き忘れられた石(意志)佛です。苔むし朽ち果て、忘れ去られて消え逝くのを待っていますが、吹く風が身を切る声、雨だれが禿頭を叩く音が独り言に聞こえたなら・・・。

やっぱり熊だったのか!?動物雑感の続編

10月31日に「動物雑感」として熊らしき雄叫びを聞いた話を書きましたが、その翌日に近くの耕作放棄地の田圃で餌を探し回ったらしい大きな動物の足跡が見つかりました。とどめに11月5日に小庵から10数キロの距離にある現在は不通になっている鉄道の駅付近で熊が目撃されました。やはり空き家一軒を挟んだ庭から聞こえた雄叫びは熊だったのも知れません。
  1. 2023/11/06(月) 19:07:08|
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「イヌ科の狸と犬はどう違うのか?」動物雑感

実際に熊2等が死んだ殺熊的猛暑だった今年の夏から小庵の庭に狸3匹が住みついているのですが、最近は野僧や同居人を見ても逃げないようになって情が移ってしまい「猫を襲わないように鎖でつないで飼おうか」と思うようになりました。
そこで下関市の動物愛護センターに「首輪をして、鎖でつないで、狂犬病の予防接種を受けさせれば飼い犬として登録できるのか」と問い合わせると担当の女性職員は一瞬考えた後(周囲の人に訊くくらいの間)で「駄目です」と答えました。そこで理由を問うと「狸はイヌ科でも犬ではありません。それに野生動物を飼うことにも問題があります」とケンモホロロの説明をしました。しかし、簡単に納得しないのが野僧で「同じイヌ科の狸と犬はどう違うのか」と再度質問すると「犬と狸は同じイヌ科ですが違う種類の動物です。それは生物学上の分類です」と用意していたかのような返答をしました。さらに「シェパードとプードルが同じ動物に見えるか。ヨーロッパの愛玩犬に比べれば狸の方が犬に近いぞ」「畑を荒らすこともある狸を飼って管理すると言っているんだ。下関市の動物愛護センターなら『お願いします』と礼を言って然るべきだろう」と重ねて反論すると「ウチはペット担当の部署なので野生動物は関係ありません」と逃げを打ちました。
結局、こちらもそれほど真剣な問い合わせではなかったので今回は引き下がりましたが、本当は千葉県木更津市の證誠寺の和尚のように月夜には狸と腹鼓を打って仲良くなりたかったのです(證誠寺のボス狸は腹鼓の打ち過ぎで腹の皮が破れて死んでしまいますが)。
愛知県の祖父=師僧の寺には庭や畑に入ってくる動物を餌付けして慣れれば飼っている檀家がいて家の裏に作った檻には狸と穴熊、野兎が数匹ずつと雄雌の雉に鳶(とび)が1羽、庭には首輪をはめて鎖でつながれた狐が飼われているため「動物園」と呼ばれていました。小庵も猫3匹の他にも境内には昼夜を問わず鹿の群れ、屋根と柿の木には時々猿の群れ、地下には土竜(もぐら)、夜になると庭に猪や狸が出没し、屋根裏には蝙蝠と青大将=蛇、鴉(からす)も餌付けしているのでサファリパークです。
ところがそんな小庵に10月30日の朝に招かざる野生動物が来たのかも知れません。それは朝の鐘を打ち終えた時のことで狭い小川を挟んだ隣りの空き家の庭、若しくはその奥にある小山の墓地辺りからド迫力の雄叫びが聞こえてきたのです。今年の9月から当地でも熊の出没情報が連続していて野僧は青森で熊の雄叫びを聞いたことがあるので「ヒョッとして」と思っていましたが通りがかった隣家の肝が据わった娘が完全にビビッてしまい、「仕事が始まる時間になったら役場=下関市豊北支所に電話してくれ」と命じて仕事に行ってしまいました。
そこで仕方なく役場に電話すると「熊の目撃=出没」は懸案事項になっているらしく営林課の担当者がやってきましたが、「吠える声だけで姿は見ていない」と説明するとやる気がなくなったのか現場確認もしないで「熊は1日に40キロくらい移動するから餌がなければ大丈夫です」と言い残して帰ってしまいました。野僧は若い頃には「武道家として熊と勝負してみたい」と思っていましたが庵内で捕まえた穴熊の爪と牙を見て止めました。
狸・23・10・24・
しょ、しょ、證誠寺、證誠寺の庭は、つっ、つっ、月夜だ皆出て来い来い来い
  1. 2023/11/04(土) 15:09:59|
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小庵の猫たちの個性=猫は難しい動物だ。

野僧は在日アメリカ軍の憲兵隊で「担当者が交代した時には2週間、食事と排便の片づけ以外は放置してその後に訓練の相手をすれば命令に従うようになる」などの犬の心理学を学びましたが、猫に関しては欧米でも本格的な研究は進んでおらず、まだ血統による種族や毛の色と柄などによる分類学・統計学の段階のようです。
そんな中、日本の雑種猫の飼い主から提供を受けたサンプルの遺伝子とアンケート調査や行動テストで性格、気質、能力を評価した「猫の性質は遺伝と環境の2つの要因で形成される」と言う学説が提唱されて、その遺伝は毛の色と柄で表れているとしています。
学説では茶色地に黒の筋が入るキジトラは警戒心がやや強く、来客が来ると物陰に隠れることが多いが、心を開けば甘えるようになる。同じような縞柄でも茶色地に濃い茶色の筋の茶トラは8割が雄で猫にも人にも大らかで社交的、逆に遺伝子的に雌しかいない三毛は他の毛の色の猫よりも神経質で飼い主への愛着が強いとしています。
小庵で最初に飼った猫は黒猫の「音子(ねこ)」でしたが猫とは思えないほど賢く(亡き妻の魂魄が宿っていたと信じています)、明らかに人間の言葉を理解していて「若緒(=娘)を呼んで来い」と口頭で命じると庭に出て連れて帰り、「雨だから外出するな」と言えば自分だけでなく若緒まで制止して家で過ごしていました。若緒は灰色地のキジトラでしたが母親の音子に溺愛されながらも厳しく躾られれたため育ちの好い箱入り娘のような猫で人見知りすることなく誰にでも懐いていました。その若緒が野良の雌猫の発情期で集まってきた野良の雄猫に避妊手術を受けているため性別不明猫として追い回されて道路で事故死すると音子は若緒がいた場所を探して回った後、真冬だったにも関わらず墓前を離れず過ごすようになりました。
そこに捨て猫の保護活動をしている小母さんが置いていったのが同じ灰色地にキジトラの寿来(じゅらい)でした。寿来は小母さんの自宅で他の捨て猫に苛められていたようで音子が近づくと攻撃的な態度を取り、やがて音子が追い出そうとしたものの野僧が「縁があってウチに来たのだから娘として育ててくれ」と頼むと始めは行動範囲を明確に区分しながら次第に距離を詰め、最終的に母子のような関係になったのですが音子が再び姿を現した若緒を追い回した野良の雄猫を追って事故死していまいました。寿来の性格は学説に近いです。
野僧としては寿来が1匹になったため野良の黒猫を伽羅(きゃら)と名づけて飼おうとしたのですが全く懐かず、やがて寿来が追い出してしまいました。続いて町内のリゾートホテルの駐車場に棲みついていた黒猫を引き取り世果報(ゆがふ)と名づけましたが、これまた音子とは全く性格が違い妙に大らかに堂々と振る舞い、寿来も手に負えず新ボス猫になっています。
そして今は茶色地のキジトラの卯月(うづき)も加わっていますがコイツも若緒や寿来とは全く性格が違い、毛の色と柄が性質を表しているとは思えなくなっています。
この他にも腹が白いサバトラで野良なのに天寿を全うするまで主(おさ・ぬし)になっていた野良爺さんを筆頭に飼っていない猫が来ては去っていきますが飼い猫の定員は3匹までです。
朝倉文夫・産後の猫朝倉文夫作「産後の猫」
  1. 2023/06/19(月) 15:15:09|
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小庵の猫社会は大混乱

小庵では亡き妻の魂を宿しているとしか思えなかった聡明で上品な黒猫の音子(ねこ)が愛娘の若緒(にゃお)の後を追うように2020年11月9日に交通事故で急逝してからは個人で野良猫の保護活動をやっている小母さんが捨てに来た寿来(じゅらい)が1匹娘状態になり、それを土間で三食寝床付きで居候している野良爺さんが静かに見守る寂しくも穏やかな猫社会が始まりました。
ところが昨年の灌佛会=4月8日に高齢猫の野良爺さんが急性心不全で死亡すると寿来は避妊手術を受けているため発情期もなく孤独を噛み締めるような風情で毎日、当て所もなく近所をさまよって過ごすようになっていました。それを見かねて近所に住みついていた黒猫の子猫を捕獲して伽羅(きゃら)と名づけて飼うことにしたのですが、餌を与えても全く馴れずやがて寿来が追い出してしまいました。
そんな寂しい生活を送りながら年末を迎えると飼い主の友人が務めるリゾート・ホタルの駐車場に黒猫の子猫が2匹住みついていて「冬を越せそうもないから引き取ってくれ」との依頼を受けて拾って来たのが世果報(ゆがふ)でした。すると世果報は雄だけに自由奔放で箱入り娘になっていた寿来を苛めるようになり、それを恐れた寿来は夕方に餌を食べに帰る以外は戻らない半ば家出状態になってしまいました。おまけに世果報は雌の野良の子猫を連れ込んで野良嬢さん(同居人が沙羅沙と名前をつけた)にしたのです。
こうして大混乱していた小庵の猫社会に更なる火種が舞い込みました。それは4月上旬に雹(ひょう)や霰(あられ)が降る異常な寒波の中、1匹のやせ細ったキジ虎の子猫が「ミャー、ミャー」とか弱く鳴きながらヨロヨロと歩いて来たのです。よく見ると片目に眼球がなく、額と足首には骨が露出しているような小さくても深い傷があり、「どちらにしても長くは生きられない」と思い安楽な死に場所を与えるために保護しました。ところが消化の好い牛乳をかけた餌を与え、傷口に人間用の化膿止めの軟膏を塗って休ませたところ翌朝には生気が戻り、寿来の餌を勝手に食べて部屋の中を歩き回るまで回復しました。その頃は世果報が野良嬢さん=沙羅沙を苛めるようになっていたので心配したのですが、逆に父性本能が芽生えたかのように非常に優しく接しました。
考えてみると暖かくなってからは日中の大半を野良爺さんの墓の横で過ごすようになっているので魂が憑り移ったのかも知れません。そう言えば小庵に来た頃は細身だった世果報が妙に丸くなり、黒い野良爺さんのようになっています。
一方、意外なことに寿来は食事のために帰ってきて子猫を見ると怯えたように逃げ出し、しばらく帰ってきませんでした。その異常な態度を見て寿来には同じキジ虎の兄弟姉妹がいて一緒に保護活動の小母さんの家に引き取られた時、集団苛めに遭ったのではないかと推察しました(音子との初対面の時は極端に攻撃的だった)。
そんな訳で現在は夘月(うづき)と名づけた子猫と世果報はかつての野良爺さんと寿来のような微笑ましい関係になりましたが、寿来は世果報とは互いに無視し合えるようになっていても夘月は相変わらず敬遠して近づこうとしません。
あ・夘月・23・4・28卯月
か・世果報の墓参・23・4・29墓守中の世果報
  1. 2023/05/02(火) 15:34:09|
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3匹目の黒猫=世果報(ゆがふ)がやって来た。

暖冬が一転して極寒になる前日の12月9日に小庵としては3匹目の黒猫がやってきて沖縄の守護尊「弥勒世果報(みるくゆがふ)」から「世果報(ゆがふ)」と名づけました。
小庵では野僧が主治医の診療所に受診した時、掲示板に「黒猫いりませんか」と言う貼り紙があり、やってきたのが亡き妻の魂が宿っていたかのように賢く優しく麗しかった黒猫の音子(ねこ)でした。当然、音子は深窓の令嬢のように育てたのですが、生まれた家が田畑のド真ん中だったため子猫の頃から広い土地を全力疾走し、庭木を身軽に登って育ったので発情期がくると雨戸の戸袋の僅かな隙間から脱走してイケメンのキジ虎の雄猫と結ばれてしまいキジ虎の一匹娘・若緒(にゃお)を生みました。
若緒は美雄美雌の両親の娘だけあってモデル猫にしたいほど美猫でしたが屋外飼いにするため避妊手術を受けさせていたので野良の雌猫の発情期で集ってきた野良の雄猫に性別不明で敵視されてしまい、追い回されて車道に飛び出して車に跳ねられて死んでしまいました。一卵性親子のようだった音子の哀しみは並みの人間以上に深く、その姿は見ていて野僧も妻を失った時の哀しみが甦り、1人と1匹で慟哭の淵に沈んでいました。
そんな時、下関市内で個人として野良猫の保護活動をしている女性から唐突に「子猫をもらって欲しい」と言う連絡が入り、否応もなしに捨てられていったのがキジ虎の寿来(じゅらい)でした。この名前は捨てられてきたのが7月と言うこともありますが、若緒の猫生が還ってくるように、そして若緒の分まで長生きするようにと言う願いを込めました。ところが寿来は保護されている多くの子猫の中で苛められていたらしく成猫の音子に飛びかかって両者の仲は険悪になってしまい、やがて音子の堪忍袋の緒が切れて寿来を追い出そうとしたのです。そこで野僧が寿来の身の上を懇々と語り聞かせ、母親として躾けて欲しいと懇願すると音子は理解したようで、庵内では自分の居場所を決めて過ごし、寿来が立ち入った時だけ叱責して適度の距離感を保ち、次第にその距離を縮めて家族になりました。ところがそんな時、若緒を追い回して殺した野良の雄猫が姿を現すようになって音子は後をつけようとしたのか車道で交通事故死してしまいました。
母親代わりを失った寿来の悲しみも埋葬している野僧の腕に飛びかかるほど激しく、それからは物憂げに1匹暮らしをしていましたが、隣りの屋敷に棲みついていた黒猫の子猫が寿来を迎えに来て一緒に出かけるようになって、そこで捕まえたのが黒猫の伽羅(きゃら)でした。ところが伽羅は寿来や野僧と同居人に全くなつかず、寿来と天井裏で激しく喧嘩するようになって姿を消してしまいました。
そして今回、やってきたのが黒猫の世果報(ゆがふ)です。世果報が来たのも寿来と似たような経緯で町内のリゾートホテルの駐車場の庭園にもう1匹の黒猫と棲みついていて(多分、捨てられた)従業員の女子たちが可愛がっていたのですが寮で飼う訳にもいかず引き取り手を探していて「黒猫好き」と思われた同居人に声がかかったのです(もう1匹の黒猫は前日に捕まって別の男性に引き取られた)。ところが今度は寿来が音子のような立場になっていて野僧としては常に頭を悩ましています。
お・世果報・22・12・16
  1. 2022/12/26(月) 15:28:21|
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