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古志山人閑話

野僧は佛道の傍らに置き忘れられた石(意志)佛です。苔むし朽ち果て、忘れ去られて消え逝くのを待っていますが、吹く風が身を切る声、雨だれが禿頭を叩く音が独り言に聞こえたなら・・・。

振り向けばイエスタディ70

次の土曜日は小父さんが自分で借りてきた天地真理の「魔性の香り」だった。
「俺は中学生の時のとなりの真理ちゃん以来のファンなんだよ。あの頃はテニスウェアの胸の膨らみで十分だったがなァ」「真理パイだな。俺もお世話になったよ」小父さんは熱弁を奮うが若い者は昭和48年放送のその番組自体を知らないだろう。
「それにしても俺たちの憧れの女優たちがバンバン脱いでるよなァ」「うん、嬉しいやら、ガッカリするやら」「どうせならお互い若い頃に見たかったもんだ」「確かに」この言葉の意味は女優が若く美しい頃とそれを見て興奮できる元気があった頃の両方だろう。
「何と言っても高田美和」「大魔神のお姫さまは綺麗だったな」「それから五月みどり」「お暇なら来てよね、私、さびしいの・・・」「それに大谷直子」「うん、NHKの連ドラ出身(=昭和44年放送の「信子とおばあちゃん」)なのに意外だった」いつもは前置きなしでの上映開始を命じる小父さんたちが今夜は勝手に盛り上がっている。
「そろそろ始めますよ」そこで主催者の先輩が声を掛け、映画が始まった。しかし、34歳になっている天地真理のヌードは完全に体形が崩れていて、艶技力なしのベッドシーンも全く興奮せず、私にとっては似た顔のウチナー屋のママさんの濡れ場のようで完全に白けた。おまけに共演の鰐淵晴子や風祭ゆきも小母さんで若い参加者たちは缶ビールを開けて飲み始めていた。

次の週は先輩が借りてきた小森みち子の「あんねの子守唄」だった。それからは小父さんとたちと我々の世代が借りてきて2本立て上映することが慣例になってしまったが、小父さんたちは黛ジュンと新藤恵美の「女帝」や中村晃子の「待ち濡れた女」、大谷直子の「ダブルベッド」、池波志乃の「白く濡れた夏」、児島美ゆきの「不倫」などの小母さん女優路線で、特に児島美ゆきは「ハレンチ学園」の「十兵衛」が強烈な印象に残っているらしく、始まる前から少年のように目を輝かせワクワクしていた。
一方、我々の世代は山本奈津子、小田かおる、水島裕子、美保純、赤坂麗、朝吹ケイト、浅見美那、太田あや子、鹿沼えり、城源寺くるみ、高倉美貴などの若手ポルノ女優路線だったが、これが小父さんたちには意外だったようだ。
「今のポルノ女優って綺麗だよな」「うん、俺たちの頃とはエライ違いだ」終了後の座談会でも先ず単身赴任の小父さんたちが口火を切るのがパターンだ。こうなると若い連中は話が合わないので映画評論家の私が加わった。
「でも泉じゅんや片桐夕子は美人でしょう」「確かにどちらも顔だけじゃなくて乳もよかったなァ」実は私の高校では泉じゅんのファンが多く、映画館は年齢制限だけなので18歳なら高校生でもポルノ映画を見に入れないか真剣に議論していたのだ。
「俺は東てる美が可愛いくてよかったな」「それなら正統派美人の田中真理だろう」「美人なら宮下順子の方が上だぞ」こんな調子で真剣な議論が繰り広げられ、私の妙な知識は増え続けていった。
  1. 2015/04/25(土) 08:59:32|
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