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古志山人閑話

野僧は佛道の傍らに置き忘れられた石(意志)佛です。苔むし朽ち果て、忘れ去られて消え逝くのを待っていますが、吹く風が身を切る声、雨だれが禿頭を叩く音が独り言に聞こえたなら・・・。

振り向けばイエスタディ399

この事件は更に尾を引いた。怪我をさせられた中隊の陸曹が忘年会の後、民間人と喧嘩になり、殴られた腹いせに持っていた傘で突いて怪我をさせたのだ。
陸曹は逮捕されたが先に手を出したのが相手側であることを証言する人がいて釈放されたものの年末で多忙な時期に会議が繰り返された。
「相手が民間人と言うのがまずいな」副連隊長の言葉に各科長、中隊長は顔を見合わせる。
「陸曹であることも問題です」1科長の言葉がさらに追い打ちをかけた。ところが本来であれば全く無関係のはずの私に責任が飛び火してきた。
「大体、3中隊長が暴力を容認するような発言をしたのが伝わったんじゃないのか」確かに前回の暴力事件の時、私は喧嘩の強さは戦闘力であると発言した。しかし、あれは幹部だけの会議であり、その後、中隊長として「力なき愛は無力、愛なき力は暴力」と言う少林寺拳法の言葉を引用して隊員教育をしている。要するに連隊首脳陣の心証が悪い私に押し付けるのが得策と考えたのだろう。
「そうですか。私はウチの隊員の指導責任を取って懲戒処分を受けましたがまだ足りませんか?」私は中隊長の席だけに聞こえる程度の声で独り言をつぶやき、小声でささやき合ったいた中隊長たちは私の顔を見て黙った。
これはウチの連隊と言うよりも愛知県の土地柄だろう。愛知県は気候温暖で水利に恵まれて農耕に適しており、海は湾のため荒れ狂うこともなく豊かな漁獲がある。山は低く伐採は容易で、さらに街道が整備されていたため流通の便も最高だった。
その上、江戸時代には神君・家康公の出身地と御三家筆頭の尾張徳川家の領国として幕府から破格の優遇を受けてきたのだ。つまり過去の前例と周囲の常識さえ守っていれば間違いはないのが愛知県なのである。

その頃、中央では社民党と新党さきがけが閣外協力に転じたことで内閣改造が行われた。
社民党が政治中枢から去ることは日本の安全保障上、好ましいことだが、逆に言えば中国や北朝鮮が求める情報を渡し終えたのだとすれば後の祭りと言うことになる。
こう言う問題は情報の中枢である陸上幕僚監部第2部の岡倉信一郎1尉に訊いてみたいものだが、同期と言っても職務とは別だろうから控えていた。
それでも航空自衛隊の警戒管制部隊で要撃管制幹部になっている曹候学生時代の同期に確認したところ、中国空軍機は明らかに自衛隊のレーダー探知の盲点を探るような飛行を繰り返しており、秘密情報が漏洩しているのは間違いないと怒っていた。
結局、政権に返り咲くことために数を揃える目的だけで社会党と手を結んだ自民党の警察官僚出身の政治屋の暴挙が、この国を危機に陥れたのだ。
そう言えば沖縄に赴任した翌昭和58年の9月には元社会党の楢崎弥之助なる名物議員が衆議院予算員会で「自衛隊クーデター計画」を追及したが、「浜松の爆撃機が東京を攻撃する」と言われても浜松には爆撃機はないと呆れたものだった。
  1. 2016/03/19(土) 09:19:43|
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