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古志山人閑話

野僧は佛道の傍らに置き忘れられた石(意志)佛です。苔むし朽ち果て、忘れ去られて消え逝くのを待っていますが、吹く風が身を切る声、雨だれが禿頭を叩く音が独り言に聞こえたなら・・・。

振り向けばイエスタディ648

続いてはこの小屋の中で行われた惨劇だった。2人は銃を突きつけられて連行されてきた。小屋の中が今よりも明るいところを見ると横から日差しが当たっていた朝の時間帯なのだろう。
男性ジャーナリストは後ろ手に縛られたまま地面に座らされ、阿部さんはその前に立たされている。そのまま両側から髭面の若い2人の男に腕を取られ、尋問を受け始めた。
「×××・・・」男たちの言葉はアラビア語らしく私たちには判らない。阿部さんも同様のようで英語で「言葉が判らない」と訴えている。やがて片方の男がかなり訛りのある発音で「ネーム」と繰り返し始めた。つまり「名前は何か?」と訊いているようだ。
「マリ・アベ」阿部さんも同じように理解したのか英語式に名乗った。すると男たちが激昂し始めた。
「マリアだと!お前はクリスチャンだな」男たちの罵声でも「マリア」と「クリスチャン」の部分だけは聞き取れる。ただし、アラビア語でクリスチャンは「マシヒッュ」なのだが侮蔑する意味であえて英語を使ったようだ。
「ノー!私はクリスチャンではありません」阿部さんの絶叫に抑えつけられている同伴者が「日本語式に名乗れ」と指示した。
「阿部真理です」「今度はアベ・マリアか!」モロッコ領だった当時、トバラ市内にはスペイン系企業の駐在員向けのカソリック教会があった。イスラム教徒たちも内心では敵意を抱きながら異教徒の儀式を眺めていたため中途半端な知識を持っているようだ。
「ノー!」再び身をよじって否定した阿部さんのTシャツの首筋からネックレスが飛び出した。それは日本では普通に売られている銀の十字架だが、それを見た男は皮肉に笑うと鎖に手を掛けて引き千切り、抜いたナイフで阿部さんのTシャツを引き裂いた。
下着に覆われた胸が露わになると男たちが餌に群がる飢えた犬たち、それ以上の野性動物と化すのは現在も世界各地の戦場で繰り広げられている悲劇だ。
阿部さんは同伴者が見ている目の前で5人の男たちに次々と犯された。ある男は仰向けに寝かされている阿部さんの口に男性器を押し込み、それを見た別の男が交代する。その間も下半身に男たちが腰を沈めて激しく前後させている。乳房を掴む腕、乳頭に吸いつく口、映像はポルノ映画のレイプシーンのような様相を呈している。しかし、我々の胸に湧いてくるのは怒りであって興奮ではない。
そんな悲惨な映像には男たちの嬌声と同伴者の「止めてくれ」「頼む」「許してくれ」「お願いだ」「マリーッ」と言う日本語の懇願と悲痛な叫び声だけが録音されていた。
延々と続いた輪姦が終わると男たちは異様に興奮した顔で腰に吊っていたナイフを引き抜き、天井に向けて突き上げながらアラビア語で何かを連呼し始めた。それはイスラム教と言うよりも蛮族の雄叫びのようだ。そんな陶酔状態の中で1名の男がうつ伏せになっている男性ジャーナリストの首筋に刃を当て、体重を掛けて力任せに押し切った。
映像には転がって上を向いた男性の頭部と首から心拍に合わせて吹き出る血が大写しになっている。しかし、阿部さんの悲鳴が入っていないところを見ると茫然自失状態に陥っていたのだろう。既に命を落としていたのかも知れない。
血を見て興奮の絶頂に達した男たちの1人は、小屋の隅に積んであった農業用の支柱を取り出すとそれを振り回しながら何か歌のようなものを口ずさみ始めた。
別の2人の男たちが阿部さんを仰向けにして両足を大きく広げた。カメラは阿部さんの無表情な顔と女性器を大写しにしたが、どちらにも男たちの体液が溢れている。
やがて足を抱えた2人の男が阿部さんの下半身を持ち上げ、そこに支柱を深く貫いた。これが先ほど小屋の中で見た惨状が作られるまでの記録映像だった。
  1. 2016/11/23(水) 09:23:19|
  2. 夜の連続小説8
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