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古志山人閑話

野僧は佛道の傍らに置き忘れられた石(意志)佛です。苔むし朽ち果て、忘れ去られて消え逝くのを待っていますが、吹く風が身を切る声、雨だれが禿頭を叩く音が独り言に聞こえたなら・・・。

11月29日・大韓航空機爆破事件が起きた。

1987年の明日11月29日に大韓航空機爆破事件が起きました。この日は日曜日でしたが昼のニュースの第1報は「大韓航空機が消息を絶った」と言うもので、外国の旅客機の事故でもありそれ程大きな扱いではありませんでした。
夕方のニュースになると「タイとミャンマーの国境付近の山岳地帯に墜落した模様」と言う未確認情報と毎度恒例の「乗客に日本人はいません」が付け加えられました。
ところが夜になると消息を絶ったボーイング707は大統領専用機として運行されていたものの大韓航空機に払い下げられてからランディングギアの不調で2度も胴体着陸事故を起こしており、上空で機体に不具合が発生した可能性が高いと強調され始めました。
野僧は「大韓航空機」と言われると昭和58(1983)年9月1日にサハリン上空でソ連軍戦闘機に撃墜された事件の方が浮んでしまいましたが、同時に昭和60(1985)年8月12日に御巣鷹山に墜落した日本航空機は過去に尻もち事故を起こしていたことを考えて「単純な事故」と言う報道を信じてしまったのです。
ところが翌日になると不審な日本人の男女が中東のバーレーンで拘束され、男性の方は青酸カリで自決したものの女性は身柄を確保されたと言う意外なニュースが流れ始め、すぐに親子と名乗る蜂谷真一と蜂谷真由美の写真が公開されました。
次の日、出勤すると事故ではなく青酸ガスを吸って意識不明になっている蜂谷真由美の話題で持ち切りで(第1教育群ですから興味は若い女だけです)、「中々の美人だがどう見ても日本人ではないな」と言うところで意見は一致し、「女工作員なら色仕掛けで迫ることもあるんだろう。あの女が知りたいような情報はないかな」と馬鹿な妄想を駆り立てる教育班長までいたのです。
その後は散発的に情報が流れるだけでしたが、墜落現場と推定される山岳地帯は反政府闘争を繰り広げている少数民族・カレン族の支配地域のためミャンマー・タイ両軍とも捜索に入ることができず確認は難航し、爆破犯とされている2名については韓国側が「北朝鮮の工作員=テロ」、北朝鮮(当時はニュースでも「朝鮮民主主義人民共和国」と呼んでいた)は「自作自演=言掛かり」と非難合戦を始めていたのですが、テレ朝のニュースステーションは両者の主張を紹介しながらも韓国政府が事故の詳細も判らない段階から爆破の可能性を示唆したことで疑問を示し、北朝鮮の主張を取り上げて自作自演する政治的効果を分析していました。
結局、12月15日になって蜂谷真由美が韓国に引き渡され、舌を噛み切らぬように猿轡(さるぐつわ)を噛まされて旅客機から連行される姿が衝撃を与えましたが(それを見て「俺ならディープキスの舌を噛み切られても良い」と言う教育班長もいました)、夜のソウル市内に連れ出され、北朝鮮で教えられてきた「貧窮に喘ぐ韓国」とは逆の繁栄した実像を見せられ、事件の全貌を証言したのです。
事件は在日朝鮮人の工作員を通じて日本人の偽造パスポートを入手した金勝一(59歳)と金賢姫(当時25歳)が、バクダッド発、金浦空港行きの大韓航空機に搭乗し、ラジオに内蔵させた時限爆弾と酒瓶に入れた液体の爆薬をセットして機内に残し、本人たちはアブダビで降りたのです。そして大韓航空機はベンガル湾上空で爆発し、墜落しました。犠牲者は乗客104名(ほとんどが中東への出稼ぎ労働者)と乗員11名でした。
韓国側の推測・見解では「ソウル・オリンピックの単独開催によって面子を失った北朝鮮の次期指導者が大韓航空機の安全性に対する信頼を失墜させて妨害しようとした」と言うのですが、1機や2機の旅客機が墜落したからと言ってオリンピックが開催できなくなるはずはなく、その指導者自身が本当に命令したのかは判りません(日本人を拉致させた人物ではありますが)。
この事件では妙な被害者が出ました。防府北基地の航空機整備員をしていた愛知県岡崎市出身の女性自衛官が蜂谷真由美に似ていると言うことで「マユミ(本名はサトミ)」と仇名をつかられ、その後は「ヒョンヒ(賢姫)」になってしまったのです。確かに似てはいましたが。
  1. 2016/11/28(月) 09:05:25|
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