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古志山人閑話

野僧は佛道の傍らに置き忘れられた石(意志)佛です。苔むし朽ち果て、忘れ去られて消え逝くのを待っていますが、吹く風が身を切る声、雨だれが禿頭を叩く音が独り言に聞こえたなら・・・。

2月25日・大阪で偽(ニセ)・夜間金庫事件が起きた。

昭和48(1973)年の明日2月25日に我が国では昭和43年12月10日に発生した東京の3億円強奪事件と共に「痛快盗難事件」と呼ばれている大阪の偽・夜間金庫事件が起こりました。ただし、東京の事件は巨額の現金を奪われた銀行側が被害者になっているので無責任に「痛快」と称賛することはできず、逆に大阪の事件は未遂に終わっているので時効が成立していても「完全犯罪」とは言えません。
この事件は大阪万博の前年に開設された阪急三番街の衣料品店の店長がその日の売り上げを地下街の一角にある三和銀行阪急梅田北支店の夜間金庫に預けようとしたところ「御利用の御客様へ・鍵の折損事故に因り投入口開閉不能となりましたので、誠に御足労ですが当銀行専用通用口の仮金庫迄御回り下さい・三和銀行」と言う貼り紙があり、店長は貼り紙に書かれていた案内図に従って銀行裏の通用口に回ったところに「夜間金庫」と言う看板が付いた仮設金庫があったそうです。その仮設金庫はアルミ製で看板は内部から照明が点っている本格的な物で、店長は疑いもせずに中央部の投入口から現金を入れたところ落下音がせず、途中でつかえているような感じだったので手を突っ込んで押し込もうとするとミシミシと音を立てて金庫の下半分が膨らんで、隙間から現金が掴み出せる状態になったのです。店長はその現金を奪うことなく警備詰所に連絡したため警備員と銀行員が駆けつけ、この仮設金庫が偽物であることが判明しました。この時点で68店舗から計2576万円が投入されており、後一歩で盗まれるところだったのです。
警察の鑑定ではこの偽・仮設金庫はベニヤの合板の表面に薄いステンレス製の板を貼った上、アルミ・サッシの枠を取り付けて重厚感を演出し、裏側には水銀電池を設置してプラスチック製の看板が薄く光るようにしてあったのです。さらにこの日は給料日直後の日曜日だったので各店の売り上げは多額になっても銀行は閉店しているため夜間金庫に預けるしかなく、それが月曜日まで回収されないと言う犯行には最適の日時でした。
惜しむらくは騙されて預ける人があまりにも多く、犯人が想定していた収容量を超えてしまったため折角の偽・夜間金庫が変形してしまい、さらに発見した店長が正直者だったので計画が発覚してしまったことでした。
当初、遺留物の多さから犯人逮捕は時間の問題だと思われていましたが、結局、7年後の昭和55(1980)年のこの日に刑事時効が成立しました。
この事件は犯人が捕まらなかったため人物や背景なども不明ですが、何よりも賑わっている地下商店街にどうやって小道具を持ち込み、設置したのかが謎になっています。偽・仮設金庫はドアの大きさがあり、例え梱包していてもそれを運んでいれば目撃者は必ずいるはずです。さらに警察も多くの人が疑うことなく現金を投入したほどの加工技術は素人の仕事ではないと言っており、その材料の購入先や製作音などから判明しなかったのも不思議です。そして犯人はどこで見ていてどのタイミングで回収しようとしていたのか。
こうした推理を楽しめるから「痛快盗難事件」なのですが、時効が成立していることなのでそろそろ犯人さんに登場していただいて謎を説明してもらいたいものです。
  1. 2018/02/24(土) 09:26:45|
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