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古志山人閑話

野僧は佛道の傍らに置き忘れられた石(意志)佛です。苔むし朽ち果て、忘れ去られて消え逝くのを待っていますが、吹く風が身を切る声、雨だれが禿頭を叩く音が独り言に聞こえたなら・・・。

11月22日・航空自衛隊のF-15による僚機撃墜事故

1995年の明日11月22日に航空自衛隊第6航空団のF-15J戦闘機が空中戦闘機動訓練中に攻撃側が誤って空対空ミサイル・AIM-9Lサイドワインダーを発射して敵役の僚機を撃墜する事故が発生しました。なお、撃墜されたパイロットは脱出して打撲などの軽傷、水没した機体は5日後に発見され、翌年2月末に引き揚げられました。
F―15は湾岸戦争など数多くの実戦で使用されていても敵機に撃墜されたことがなく、メーカーのマグダネル・ダグラスは宣伝文句にしているのですが、1機だけは味方機に撃墜されたことになります。一方、航空自衛隊は人間が搭乗する戦闘機を撃墜したのはこの1機だけですが、硫黄島で用途廃止になった戦闘機をラジコンで飛ばして撃墜しているので無人機は経験済みです(意外なことにラジコンでは地上走行できないため滑走路の端まで人間が運転していって離陸させる)。
この日、2機は朝8時23分に小松基地を離陸して山陰沖の日本海上の訓練空域に向かいましたが、緊急発進の予備機(増強が発令された時の対象機)だったためバルカン砲の20ミリ弾と空対空ミサイル2発を搭載していたのです。
訓練としては対向して擦れ違ったところから空中戦に入る形式で2度それを繰り返した後、3度目として攻撃側が敵役の背後を取り、射撃の手順を踏むため操縦桿のトリガーを圧したところミサイルが発射されてしまいました。
1度目、2度目も同じ動作を行ったはずですが2回とも火器管制装置でバルカン砲を選択したため不時発射は起こらなかったようです。ところが3度目は対向する前に入間基地の防空管制隊の兵器指令官に火器管制装置のメイン・スイッチがオフになっていることを確認・通知していながら、訓練に入って2分後に背後を取ったため同様の操作をしたところ空対空ミサイルが発射されたのです。AIM-9Lは熱源探知式なので敵役の水平尾翼の付け根=ジェット・エンジンの噴出口付近に命中しました。
攻撃側は発射の申告から56秒後にエマージェンシー・コール(緊急事態通報)を発し、その7秒後に敵役のベイル・アウト(脱出)を報告しています。ところが事故発生から2分後の確認では「火器管制装置がオフ状態なのにミサイルが発射された」と報告しており、これが後に大きな問題を引き起こすことになりました。
基地に帰還した攻撃側のパイロットは直ちに事情聴取を受けますが「火器管制装置はオフ状態だった」「トリガーは引いていない」と強弁したため原因は機材の誤作動=電気信号の誤発信と推定され、当時の杉山蕃航空幕僚長や村山富市首相にもそのように報告されました。ところが引き上げられたヘッド・アップ・ディスプレー(前方ガラス板への情報投影装置)の記録で火器管制装置はオン状態、トリガーが引かれていたことが判明し、攻撃側のパイロットの人為的過失であると認定されたのです。
これを受けて翌年6月に攻撃側パイロット(防衛大学校出身)は停職10日間とパイロット資格剥奪の処分を受けて退職しました。一方、撃墜された敵役の航空学生出身のパイロットは現役を継続し、いよいよ定年目前です。
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  1. 2018/11/21(水) 10:09:10|
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