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古志山人閑話

野僧は佛道の傍らに置き忘れられた石(意志)佛です。苔むし朽ち果て、忘れ去られて消え逝くのを待っていますが、吹く風が身を切る声、雨だれが禿頭を叩く音が独り言に聞こえたなら・・・。

振り向けばイエスタディ1421

飛び込みで沖縄へ出張することになった中国漁船と巡視船の衝突事件は本土でも海上保安庁が証拠用に撮影していた動画だけでなく静止画像=写真さえも非公開になっている。これが自民党政権であればマスコミ各社は「証拠隠蔽」を批判し「国民の知る権利」を前面に押し出して公開を要求すはずだが、そのような動きは保守系マスコミのつぶやき、ささやきだけで大手の左傾マスコミが騒ぎ始めた別の話題で打ち消されつつある。これは逆に打ち消すために持ち出した隠蔽工作なのかも知れない。
「外国人に参政権を与えるってどう言うことなんですか」陸上幕僚監部の本拠地の机の上に山積みなっているバインダーの内容を速読している私に曹長が声をかけてきた。今日はテレビを点けることは許可していないので新聞で読んできた時事問題の質問のようだ。
私は朝から統合幕僚監部首席法務官室に顔を出して1週間の公判の進行状況、つまり「特に動きはない」との説明を受けて安堵し、続いて自衛隊情報保全隊で出張の成果報告をしたが一緒のCー1で届いたCDの音声と証3佐からの詳細な報告だけで特に補足することもなく、この仕事の山に挑み始めたところなのだ。
「それは新聞が論評してるだろう。朝日と産経を読み比べればワシの解説よりも判るよ」私としては自衛隊・自衛官が関わる裁判の公判記録で検察・弁護双方の論点を検証し、今後の展開の予測と助言をあたえるために深く読み込まなければならず不用意な雑音は困るのだ。
「いや、産経、読売と朝日、毎日では憲法違反に対する考え方が真逆なんで専門家の意見を聞きたいと思ったんですよ」曹長の説明に私もようやく24日の缶首相の国会答弁で湧き起こったこの問題が憲法に関わっていることに思いが至った。兎に角、沖縄では驚くほど本土の情報が遮断されていて、特に民政党政権に対しては雀山政権の辺野古への移設決定を裏切りとする憎悪を扇動するばかりで本土の人間が見れば危険な政策も感情で批判していた。
「要するに日本国憲法の第15条に『公務員を選定し、・・・これは国会議員や地方議員のことだ・・・及び罷免することは、国民固有の権利である。すべての公務員は全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではない。・・・これは自衛官にも該当する・・・公務員の選挙については、成年者による普通選挙を保障する。・・・この成年者が日本国憲法の改正手続に関する法律(=国民投票法)で変質した・・・すべて選挙における投票の秘密は、これを侵してはならない。選挙人は、・・・これは選挙権を持つ者のことだ・・・その選択に関して公的にも私的にも責任を問われない』とあるんだ」本当は最初の「国民固有の権利である」だけで良かったのだが、司法試験で丸暗記して思い出す訓練を繰り返した時の癖で全文が出てしまった。それでもこの条文には前回の政権交代に関して考えさせられる部分もあったから無駄ではない。
「つまり国民の範囲を現在の日本国籍を有する者だけに留めるのか、国籍は有さなくても永住権を取得した者にまで拡大するかと言う問題だ」「永住権を取っていながら国籍を持っていないのは何故ですか」今回も私の解説に曹侯学生の後輩が参入してきた。防府で空曹候補学生の教育に当たっていた時も後輩たちの向学心には感心することが多かったが、陸曹候補学生も同様らしい。この多彩で柔軟、有能な人材を確保できる課程を廃止した陸海空自衛隊の判断は明らかな失策だ。特に国際法違反の生徒課程を残した我が陸上自衛隊は許せない。
「日本の場合、国籍法の規定で20歳以上になると複数の国籍を保有することができないからあえて帰化しない人も多いんだよ」そう言う私もハワイのノザキ家に家族養子の手続きは終えているが、日本国籍を失うことができないためその先の手続きは進めていない。
「勿論、それだけじゃあなくて個人的な理由で申請しない者もいるだろう。例えば活動拠点を2カ国以上に持っていて納税の負担が軽い国の国籍を確保するために日本国籍は取らないで永住権にしている者も珍しくないよ。逆に中国のビザでは海外での制限が多いからって日本国籍を取っている中国人はかなりいるらしいぞ」この情報は自分の国籍を考える上で相談した法務省の担当者から聞いた裏話だ。
「やっぱりモリヤ2佐の解説は幅広いから勉強になります」「職場でトリビアの泉を見ているみたいです」後輩の誉め言葉は少し嬉しい。私も「トリビアの泉」は拘置所から出所した頃に深夜放送から水曜日の夜9時になって以来、2006年までは毎週楽しみにしていた。その意味では私の雑学も知的好奇心を刺激する効果があるのかも知れない。
「何にしてもこの肯定的に報じているマスコミはヨーロッパ系の外国人ばかりを取り上げているが、実際は自国民を送り込んで政治を操ろうとしていている中国の策謀だからイメージ工作に騙されないようにな」「へぇ、へぇ、へぇ、へぇ・・・」後輩はトリビアの泉の得点の「へぇ」ボタンを押す代わりに口でポイントをくれた。それでも仕事は一向にはかどらない。
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  1. 2019/01/02(水) 09:31:01|
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