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古志山人閑話

野僧は佛道の傍らに置き忘れられた石(意志)佛です。苔むし朽ち果て、忘れ去られて消え逝くのを待っていますが、吹く風が身を切る声、雨だれが禿頭を叩く音が独り言に聞こえたなら・・・。

女優で声優の市原悦子さんの逝去を悼む。

新聞やテレビでは「家政婦は見た!」が代表作になっているらしい女優・市原悦子さんが1月12日に亡くなったそうです。82歳でした。
ただし、野僧は映画では1970年の富士山測候所建設を描いた石原プロ作品「富士山頂」と1989年の原爆投下後に降った雨を浴びて放射線障害になるスーちゃん=田中好子さんの叔母役だった「黒い雨」のみ。レギュラー出演していたドラマとしては大政所(おおまんどころ)=母のなか役を演じた大河ドラマ「秀吉」しか記憶になく、他のドラマでは1話だけの主人公としては何度も見たものの思い出せません。このため市原さんと言えば常田富士夫さんと2人だけで全ての出演者の台詞を語っていた「まんが日本昔はなし」になります。このアニメは野僧が中学生だった昭和50(1975)年から始まり、2003年9月までは愛知県でローカル放送していたため愚息たちも見ることができました。ただし、青森県では放送していなかったため全編のビデオ・テープを購入して外で遊べなくなる冬季には観賞会を開催し(暖房がない我が家に10人以上の子供が集まった)、それが評判になると愚息2が通っていた幼稚園にも無料で貸し出していたのです。
野僧は中学時代に妹とタレントの好き嫌い談義をしていて、妹が野僧の好きなアイドルを「あんなブス」と扱き下ろしたことで父親から「外見で人を評価するのは許さん」と激怒されたのですが、美人とは言えない母親の顔を見て黙って従うことになりました。ところが父親は音羽信子さんや市原悦子さんなどの丸顔の女優が好きで(流石に悠木千帆=樹木希林さんは不明)、母親も丸い顔と小さい目が市原さんに似てないことはないので自分は好みの女性と結婚していたようです。野僧が市原さんの女優としての作品に興味を持たなかったのはこの時の秘めた反発があったのかも知れません。
数少ない市原さんの出演作品である「秀吉」では農家の母親のまま息子の立身出世で高い地位に引き吊り上げられた大政所を好演していました。中でも秀吉さんが城主になると息子の出世を喜びながら合戦に出る息子たち(弟・秀長=高島政伸さんと両方)の無事を祈り、妻のおね=沢口靖子さんを気遣いながらもどこか居心地が悪そうな風情で、天下人となってからは思い上がって道を踏み外していく秀吉さんに苦言を呈しても耳を貸さなくなると「それも母親に原因がある」と自戒し、黙って見詰めている姿は普通の親子関係で育った人には感動的だったことでしょう。
「まんが日本昔ばなし」では男女の子供から娘さん、おカミさん、婆さん、時には若者の声まで演じていましたが、どれも違和感がなくナレーションまで合わせると最大1人何役を担当したのか全作を確認してみたくなります。ヒョッとして牛や馬、犬や猫、雀や鳩などの鳴き声も2人で演じていたのでしょうか。
何にしてもこの昨年7月13日に常田さんが亡くなって、今回、市原さんまで逝ってしまっては日本の精神文化を守るために必要不可欠なこのドラマを完全な形で復活させることはできなくなりました。著作権上の問題がなくインターネットで流す方法を教えてもらえれば野僧のDVDで再放送を始めます。感謝を込めて心より冥福を祈ります。合掌
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  1. 2019/01/15(火) 10:51:58|
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