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古志山人閑話

野僧は佛道の傍らに置き忘れられた石(意志)佛です。苔むし朽ち果て、忘れ去られて消え逝くのを待っていますが、吹く風が身を切る声、雨だれが禿頭を叩く音が独り言に聞こえたなら・・・。

覆面レスラー・ザ・デストロイヤーさんの逝去を悼む。

3月7日に覆面レスラーの代表格として日本でも人気を獲得していたザ・デストロイヤーさんが亡くなったそうです。88歳と言う逝年を「意外に若い」と見るか「そんなものだろう」と見るかはレスラーとしての姿を記憶しているか否かの違いでしょう。
野僧の世代は父親が独身時代に街頭テレビや会社の寮の食堂のテレビでプロレスやボクシング中継に熱狂していた名残を家庭にも持ち込んでいたため子供も一緒に見ることになっていました(プロ野球も同様)。
ただし、力道山さんは昭和38(1963)年に亡くなっていたので日本側はジャイアント馬場さん、アントニオ猪木さん、グレート小鹿さん、山本小鉄さん、ラッシャー木村さん、マサ斉藤さん、サンダー杉山さん、ストロング小林さん、坂口征二さん、アニマル浜口さん、ジャンボ鶴田さん、吉村道明さん、大木金太郎さんなど後に全日本プロレス、新日本プロレス、国際プロレスに分かれて争った面々。一方の外人レスラーは後にザ・デストロイヤーさんと同じような売り出し方で人気を獲得したアブドラ・ザ・ブッチャーさん、アフリカ系なのにボボ・ブラジルさん、驚異の握力の必殺技・アイアンクローのフリッツ・フォン・エリックさん、銀髪を紅く染めながら噛みつきによる流血で恐怖感を演出していたフレッド・ブラッシーさんなどの悪役レスラーが活躍していました。
それはカール・ゴッチさんやルー・テーズさんなどの実力派では日本人レスラーが圧倒されてしまうため、外人レスラーが悪役としての反則技で怒りを買っておいて最後は日本人レスラーが勝つリング上の勧善懲悪劇にプロレスが固定化されていた流れでした。
そんな日本のプロレス界でザ・デストロイヤーさんは覆面レスラーの先駆け的な存在で、1963年に初来日して力道山さんと対戦した時には足4の字固めを極めて失神寸前まで追い込んでいました。その実力と素顔を見せない怪しさから覆面レスラーの存在が関心を引き、漫画でも「タイガーマスク」が人気を博してやがて本物まで登場することになったのです(「タイガーマスク」では覆面レスラーの苦悩と掟も劇的に演出されていた)。他にもメキシコ式の軽快な空中殺法で観客を魅了したミル・マスカラズさんなどの活躍もザ・デストロイヤーさんの存在なくして有り得なかったのではないでしょうか。
野僧の小学校時代には廊下でプロレスごっこをやるのが男子児童の日課で、それぞれ好きなレスラーを名乗って得意技を見せ合うのですが、中には足4の字固めがやりたくて母親に頼んで白い布袋を作ってもらい、それをハサミで目と口に穴を開け(鼻まで開けると裂けてしまうため)、マジックで赤い線を引いた覆面のザ・デストロイヤーも登場しました。しかし、ザ・デストロイヤーと言うよりも月光仮面でした
ザ・デストロイヤーさんは引退してRichard John Beyerさん(この名前で検索すると素顔が見られる)に戻ってからは故郷のニューヨーク州の北部バファローでレスリングを専門とする体育教師になり、日本人のレスリング選手も育成したそうです。
大の親日家で長年にわたるスポーツ交流や東日本大震災では支援活動に取り組んだことが評価されて2017年には叙勲を受けています。冥福を祈ります。
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  1. 2019/03/10(日) 11:19:35|
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