FC2ブログ

古志山人閑話

野僧は佛道の傍らに置き忘れられた石(意志)佛です。苔むし朽ち果て、忘れ去られて消え逝くのを待っていますが、吹く風が身を切る声、雨だれが禿頭を叩く音が独り言に聞こえたなら・・・。

3月28日・スリーマイル島原子力発電所の放射能漏れ事故

1979年3月28日にアメリカ東北部のペンシルバニア州の州都であるハリスバーグ市郊外を流れるサスケハナ川の周囲約5キロ(=約3マイル)の中州・スリーマイル島にある原子力発電所で放射能が漏れる事故が発生しました。
当時、野僧は高校の春休みだったので個人的に新聞とテレビで見るだけでしたが、これが学期中であれば日教組の教師たちが担当科目そっち除けで原発の危険性の授業をやってくれたはずです。尤も、その方が1986年4月26日のチェルノブイリ原子力発電所や2011年3月11日の福島第1原子力発電所の事故を知る上で有益だったはずです。
この事故は2基ある原子炉のうち営業運転を開始して3カ月の2号炉で発生しました。現地時間の3月28日午前4時37分に冷却水の不純物を除去するための脱塩塔内のイオン交換樹脂を再生するために移送していた管が詰まり、溢れた水が弁を制御する計測装置に流入したことを「異常」と探知したため給水ポンプと連動するタービンが停止したことが始まりでした。このため原子炉に冷却水が供給されなくなり、炉心が過熱したことで内部圧力を排出する安全弁が開いたのです。
この時、排出されたガスの高熱で弁が固着してしまい、内部の圧力が低下しても開いた状態が続いたため蒸気になった原子炉の冷却液が噴出しました。原子炉は自動的に制御棒を炉心に入れ、核反応を停止させる装置が作動しましたが、沸騰した冷却水が水位計を押し上げたため運転員が「冷却水の過剰注水」と誤判断して手動で非常用炉心冷却装置を停止してしまったのです。同じ誤判断で冷却水ポンプも停止したため2時間20分にわたり沸騰した500トンもの冷却水の水蒸気が開きっ放しの安全弁から噴出し続け、炉心の上から3分の2が露出する事態になりました。この時、制御室では各機能単位ごとに設置されている警報装置の号音が一斉に鳴り響き、警告灯が点滅を続け、運転員の正常な判断を阻害したと言われています。結局、誤判断に気がついた運転員が冷却水を注入させたことで事故は停止しましたが、炉心溶解(メルトダウン)で燃料の45パーセントが溶解したのです。
排出されたガスの放射能濃度は比較的低く、市民が屋外で活動する時間帯ではなかったことも幸いして人的被害は軽微でしたが、当時は世界に原子炉を売り出していたアメリカで起こった事故だけに安全性への信頼は大きく損なわれました。しかし、州都の郊外に原子力発電所を建設すること自体が安全に対する過信と言えますが、逆に言えば都会で浪費する過大な電力のために危険な原子力発電所を田舎に作っている日本の原子力行政の方が問題なのでしょう。
この事故は原子力事故・故障を評価する国際原子力事象尺度では「放射性物質の限定的な外部放出」と「原子炉の炉心や放射性物質障壁への重大な損傷」による「事業所外にリスクを伴う事故」=レベル5になっています。ちなみに前述のチェルノブイリ原子力発電所と福島第1原子力発電所は「放射性物質の重大な外部流出」と「原子炉や放射性物質障壁が破壊、再建不能」による「深刻な事故」=レベル7=最上位です。
スポンサーサイト



  1. 2019/03/28(木) 11:26:20|
  2. 日記(暦)
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
<<振り向けばイエスタディ1506(かなり実話です) | ホーム | 振り向けばイエスタディ1505>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://1pen1kyusho3.blog.fc2.com/tb.php/5283-719a5ef6
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)