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古志山人閑話

野僧は佛道の傍らに置き忘れられた石(意志)佛です。苔むし朽ち果て、忘れ去られて消え逝くのを待っていますが、吹く風が身を切る声、雨だれが禿頭を叩く音が独り言に聞こえたなら・・・。

4月9日・アメリカ原子力潜水艦当て逃げ事件

昭和56(1981)年の明日4月9日に東シナ海の鹿児島県・甑群島付近=佐世保から南南西110カイリの海域で、愛媛県の船会社所属の貨物船・日昇丸(2350トン)に急速浮上してきたアメリカ海軍の原子力潜水艦・ジョージ・ワシントンが衝突・船底を破壊したため15分で沈没しました。
一方、ジョージ・ワシントンはセイル(塔になった部分)をわずかに損傷しただけだったにも関わらず救助活動を行うことなく潜航して現場海域から離脱したのです。そのため海中に投げ出された乗組員13名は現場に急行した海上自衛隊の護衛艦「あきぐも」と「あおくも」に救助されたものの逃げ遅れた船長ともう1名は死亡しました。ところがアメリカ海軍はこの事故を通報せず、翌日になって日本側から照会を受けて認めると言う不誠実極まりない対応でした。
このためマスコミは軍事秘密に覆われた原子力潜水艦の行動に関する憶測記事を報じ始めたのです。それは「事故はジョージ・ワシントンが弾道ミサイル(SLBM)を発射する戦略任務から通常の対潜水艦攻撃用の戦術任務に配置替えされた直後に発生しており、この海域がソ連海軍の潜水艦が太平洋に進出する時の経路であったことから、海中でソ連海軍の潜水艦に遭遇したジョージ・ワシントンが逃走を図り、何らかの理由で急速浮上をして日昇丸に衝突した」と言うものでした。その証拠として事故から13日後に収容された船長ともう1人の遺骸が死後2、3日程度の状態だったことを「事故直後にジョージ・ワシントンに救助されていたが、艦内での事情聴取で秘密を知り過ぎているが判明したため殺害された」と言う3流小説家でも書かないような推測まで飛び出したのです。
当時の日本は自民党政権としては極めて無能な鈴木善幸内閣だったので、この年の5月10日の毎日新聞に「アメリカ艦艇は核兵器を搭載したまま横須賀や佐世保の基地に入港している」と言うエドウィン・オールドファーザー・ライシャワー元駐日大使のインタビュー記事が載った問題に苦慮している中、8月31日になって提出されたアメリカ海軍の最終報告書もアメリカ側に多くの過失や過誤があったにも関わらず真摯に分析・追求することもなく幕引きだけ急ぎ、社会党には巨額の裏金を渡して黙らせることで落着させてしまいました。
そのためアメリカ海軍がこの事故を教訓とすることはなく、2001年2月10日に発生した同じく愛媛県の水産実習船・えひめ丸に原子力潜水艦・グリーンビルが衝突して沈没させた事故でも艦長の異常に軽い処分を含め到底、容認できない対応でした。
逆にマスコミは十分な取材に基づかない推測記事で事件を断定的に報じる悪癖が生じ、昭和63(1988)年7月23日に発生した海上自衛隊の潜水艦・なだしおに乗客の歓声に応えて接近した遊漁船・第1富士丸が衝突・沈没した事故や2008年2月19日のイージス護衛艦・あたごと漁船・清徳丸が衝突した事故では「海上自衛隊の過失」と言う前提で証拠固めをする捏造報道を繰り広げたのです。
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  1. 2019/04/08(月) 11:59:56|
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