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古志山人閑話

野僧は佛道の傍らに置き忘れられた石(意志)佛です。苔むし朽ち果て、忘れ去られて消え逝くのを待っていますが、吹く風が身を切る声、雨だれが禿頭を叩く音が独り言に聞こえたなら・・・。

劇画原作者・小池一夫先生の逝去を悼む。

4月17日に野僧は梶原一騎さんの作品以上に愛読していた時代劇画の原作を執筆していた小池一夫先生が亡くなったそうです。82歳でした。
小池先生は昭和11(1936)年に秋田県大曲市(現在の大仙市)で生まれ、幼い頃から近所の旧家に入り浸り、蔵の中に積んである文庫本を読み漁って仕入れた知識を小中学校で同級生に教えるのが快感だったとそうです。秋田県内筆頭の進学校を卒業すると法科私大では最高峰と言われていた中央大学法学部に入学し、在学中に「桃太郎侍」の作者である歴史小説家の弟子になり、弁護士と小説家の二兎を追ってどちらも失敗、雀荘の店員から外国航路の船員、農林省の職員まで堅軟・高低・難楽の職業を転々としている中でさいとうプロが原作者を募集していること知り、応募したのが天職への入り口でした。
野僧が小池先生の作品を読み始めたのは叔父が購読していた少年マガジンの「無用ノ介」からですが、片目なので右手を失う前の丹下左膳が主人公だと思っていました(小学校の低学年では台詞はあまり理解できていなかった)。続いて橋幸夫さんファンの祖母に「子連れ狼」のレコードを聴かされたことで劇画にも興味を持ち、本屋で見つけて小遣いで買ったところ父親にエロ・シーンがあることを知られて没収されてしまい、その反動から中学生になって秘かに段ボールの中に全巻揃えていましたが、自衛隊に入って留守にしている間に捨てられました(沖縄へ持っていていた3冊だけ残っています)。
その後も愛読していた劇画の多くも小池先生の作品でしたが、劇画は描く人が変わると雰囲気がまるで違ってしまい、読み終って本を閉じる時、背表紙で名前を見つけて気がついたと言うことも良くありました。
例えば小池先生の原作でも「無用ノ介」は「ゴルゴ13」のさいとうたかおさん、「実験人形ダミー・オスカー」は「ヒットラーの息子」の叶精作さん、「傷追い人」は「男組」や「男大空」の池上遼一さん、「長男の時代」は「いなかっぺ大将」や「巨人の星」の川崎のぼるさん、「花っ平バズーカ」は「けっこう仮面(『ハレンチ学園』は読んでいない)」の永井豪さんが作画なので描かれているキャラクターのイメージの方を強く感じてしまいます。それは野僧が好きな時代劇でも同様で小島剛夕さんの「子連れ狼」「人斬り朝」「半蔵の門」と神江里見さんの「弐十手物語」、神田たけ志さんの「御用牙」では登場人物の個性や物語の展開まで違うようです。
出家して星舟の僧名を有する小島先生は「男はそれが好きだから」とエロ・シーンを描くことが多く、前述の色々な作画家が描く美女が強姦され、愛欲に溺れる場面は毎晩のオカズとして下手な写真エロ雑誌の比ではありませんでした。中でも最高傑作は「子連れ狼」の「乞胸おゆき」で別式女の主人公が闇中の果たし合いで気絶させられて強姦されるシーンでしょう。これは片桐夕子さんが主人公を演じて映画化されましたが「題名が差別用語に当たる」と言うことでシリーズ化したDVDからも削除されているようです。
歴史マニアの知的欲求と性力(精力と言うよりも)が燃え上がっていた年頃に美味しいオカズを提供していただいたことを感謝しつつご冥福を祈ります。坊さんなので三拜。
乞胸おゆき「子連れ狼」乞胸おゆきの強姦シーン
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  1. 2019/04/20(土) 10:56:14|
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