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古志山人閑話

野僧は佛道の傍らに置き忘れられた石(意志)佛です。苔むし朽ち果て、忘れ去られて消え逝くのを待っていますが、吹く風が身を切る声、雨だれが禿頭を叩く音が独り言に聞こえたなら・・・。

7月7日・航空自衛隊が生んだ名将の1人・後藤龍一空将の命日

2013年の7月7日は「航空自衛隊3奇人の1人」と呼ばれた野僧が現在も心よりの敬意と感謝を抱き続けている元西部航空方面隊司令官の後藤龍一空将閣下の命日です。
愛知県岡崎市で育った野僧は主君・上役に媚を売ることを極端に嫌う三河武士の気風を自衛隊にも持ち込んでいたため後藤閣下についても昭和15(1940)年生まれで昭和39(1964)年入隊の高射幹部で九州大学卒と言うこと以外は出身地も知りません。
野僧と後藤閣下の出会いは最低最悪で、春日時代、定年退官者を見送るため庁舎前に並ぶのに出遅れた野僧は正面玄関で司令官に続き幕僚長だった後藤閣下が手を差し出しておられる後ろを駆け抜ける失態を演じてしまったのです。見送りの後、西空司令部の上層部に謝罪して回ると「先ほどは失礼しました」と頭を下げる野僧に後藤閣下は「無礼者」と一喝されました。このため第1航空団司令として着任された時の幹部挨拶でも「あッ、お前は」と思い出されていました。
そんな後藤閣下は基地朝礼での絶妙な訓示で隊員たちの絶大な人気を博しておられました。年頭早々の朝礼では「今年も残すところあと12カ月になった。仕事の仕上げに万全を尽くすように」。寒さが厳しければ「寒くて誰も聞いてくれそうもないから終わり」。カンボジアPKOから帰った隊員が「まだ身体検査を受けていない」と告白すると「それを先に言ってもらいたい」と隊員たちが爆笑するような冗句(ジョーク)のオンパレードでした。しかし、後藤閣下の名言はそのような軽口だけではなく、ある部隊長会同では服務事故が続発していた部隊の隊長が沈痛な面持ちで「努力に不可能はないと言う覚悟で再発防止に万全を期します」と述べると「努力に不可能はある。しかし、ネバー・ギブアップだ」と訓示されたのです。それを聞いた3佐の隊長は感涙していました。
ある時、ニュージランド空軍の参謀長(=トップ)が浜松基地を来訪され、警備小隊は警護と誘導を兼ねた交通統制要員を視察経路上に配置しました。ところが天候が悪化したためコースが変更になり、それを航空教育集団司令部の総務係の3尉が同じ管理隊の輸送小隊に直接電話をしたのです。このため午後の視察では途中から交通統制要員がいない事態が発生し、案内していた集団司令官が「航空自衛隊の恥だ」と激怒されました。おまけに総務係の3尉が「管理隊に厳しく指導しておきます」と説明したため管理隊の落ち度になってしまいました。そこで野僧は自決して参謀長に謝罪し、航空自衛隊の恥を注ぐことを決め、「点検」と称して警衛所に備えてある拳銃と実弾を持ってこさせました。しかし、小隊先任空曹が野僧の覚悟を見抜いて隊長に報告し、隊長は野僧を連れて団司令に事情を説明しました。すると後藤閣下は「お前が死んでお詫びをするのなら俺が先にやってやる。俺も若い頃、事故で部下を失った時、自決しようとして上官に止められことがある」と諭されて、自ら集団司令官のところへ出向いて事情を説明して下さいました。
その後、西部航空方面隊司令官になられて防府南基地を訪問された時、偶然、トイレの前に立っていた野僧に気づかれると「おお、ここにおったか」と言いながら歩み寄って握手して、呆気にとられている航空教育隊司令に「おたくは凄いモノを持っていますなァ、実に羨ましい」と言いながら階段を昇って行かれました。
九州大学卒の西部航空方面隊司令官では大塚周治空将閣下も早逝されておられますが、防衛大学校出身者が大半の将官の中で余人には伺い知れない御苦心があったのでしょう。余談ながら野僧の幹部候補生の一般(部外)課程の首席は九州大学卒の女性自衛官でしたが、配属先の私立大学卒の上司が指導をすることが我慢できずに退職しました。
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  1. 2019/07/07(日) 11:55:04|
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コメント

当時、航空自衛隊3奇人と呼ばれていた方は他にどのようなお方がいらっしゃったのか気になるところであります
  1. 2019/11/13(水) 02:31:38 |
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  3. 下っ端エアマン #-
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