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古志山人閑話

野僧は佛道の傍らに置き忘れられた石(意志)佛です。苔むし朽ち果て、忘れ去られて消え逝くのを待っていますが、吹く風が身を切る声、雨だれが禿頭を叩く音が独り言に聞こえたなら・・・。

7月23日・サンダース軍曹を演じたヴィック・モローが殉職した。

1982年の明日7月23日に人間ドラマ「コンバット」で主役のチップ・サンダース軍曹を演じた俳優・ヴィック・モローさんが映画「トワイライトゾーン・超次元の体験」の第1話「偏見の恐怖」の撮影中の事故で殉職しました。53歳でした。
「コンバット」は日本では単純に「戦争映画のドラマ版」と思われていますが、アメリカでは「戦争を題材にした人間模様」を描いたヒューマン(人間)・ドラマと称されています。実際、戦闘シーンは特撮ドラマの「ウルトラマン」と同様に最後の締め括りだけで、それまでは軍隊内の階級による命令と服従、任務と個人の感情や能力による葛藤と苦悩、叱咤と克己、そして信頼関係などの人間模様が序幕として展開し、それらも「戦闘と言う命の遣り取りの前では些末事に過ぎない」と思い知らされるのが基本的な物語の流れでした。このためドイツ兵も悪役としては描かれておらず、アメリカ兵と同様に怯え、悩みながら戦闘に臨み、最後は敗軍として死ぬ運命にある悲劇の犠牲者になっていました。
ドラマはノルマンディ―上陸作戦(ドラマではオーバーロード作戦と称していた)後のフランス戦線で、戦闘に従事するアメリカ陸軍第361歩兵連隊第3大隊K中隊のギルバート・ヘンリー少尉が率いる第2小隊の第1分隊が舞台です。
モローさんが演じるサンダース軍曹はアメリカ中西部出身で5人兄弟の長男ですが、12歳で父親を亡くしたためアルバイトに励んで母親を助けながら高校を卒業してからも家族のために働き続けていた中、日本の真珠湾攻撃でメリカも参戦することになって現実逃避のために軍隊を志願したのです。軍隊では長男気質の苦労人だったことを評価されて伍長に昇任しますが、前線に送られると服務規律違反や負傷が相次ぎ、降格と昇任を繰り返しながら実戦経験を積み、ドラマの頼りになる25歳の鬼軍曹に成長したのです。
一方、実際のモローさんは1929年にニューヨーク市でも治安が悪いことで有名だったブロンクス区でロシア系ユダヤ人の子供として生まれました。アメリカが第2次世界大戦に参戦していた17歳で高校を中退して海軍に志願しますが、満期除隊後に夜間高校に通って卒業資格を習得しています。その後、フロリダの大学に進学して法律学を学びますが、メキシコ市の大学の演劇科に転学して、卒業後はニューヨークの俳優養成所を経てブロードウェイに進出しました。そうして1962年から1967年まで放送された「コンバット」に出演したのです。
「トワイライトゾーン・超次元の体験」の第1話「偏見の恐怖」は人種差別主義者が酒場から出ると未知の世界=ベトナムの戦場に迷い込んでいたと言う物語で、ベトナム人の子供を助けることで差別意識を克服するラスト・シーンを撮影していたのです。しかし、ロサンゼルス市の北80キロの砂漠で撮影中、爆発・炎上シーンの演出のため上方で爆発させた模擬弾の爆風でヘリコプターが墜落し、吹き飛んだローターによって両腕に抱えていた子役2人(中国系アメリカ人)と共に俳優にとっての殉職を遂げてしまいました。
日本の衝撃映像の特集番組で公開されたこのシーンでは「影」とは言えモローさんの首は回転して飛んでくるローターで切断されて飛んでいました。
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  1. 2019/07/22(月) 12:29:19|
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