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古志山人閑話

野僧は佛道の傍らに置き忘れられた石(意志)佛です。苔むし朽ち果て、忘れ去られて消え逝くのを待っていますが、吹く風が身を切る声、雨だれが禿頭を叩く音が独り言に聞こえたなら・・・。

振り向けばイエスタディ1719

「父は9月で教師を辞めたのよ」「身体の具合が悪いのか。舌が回る間は頑張るって言ってたじゃあないか」夕食と入浴が終わり、ベッドの中の寝物語でジアエが思いがけない話を始めた。韓国には定年制度がないため生涯現役を目指す高齢者も少なくない。義父も若い教師たちの思想的偏向に危機感を抱いており、事実を伝える生き証人として生涯現役を貫くつもりだったはずだ。然も韓国では3月で進級するため9月では学年半ばでの途中退職になる。
「身体は相変らず強健なんだけど生徒や同僚から批判を受けて授業をボイコットされるようになったみたい」「それは酷いな。理由は何だい」義父の専門は英語だから生徒の反発を招くような内容はないはずだが事情は判らない。
「今の我が国では日本を批判しない者は社会から排除されてしまうわ。父は日本の統治下で近代化が実現した史実を生徒に教えてきたんだけど、それを植民地支配と否定している教師たちに批判されて生徒やPTAの前で公開討論をさせられたの。そうしたら話の内容を聞かずに罵声を浴びせられて、そのまま裁判みたいになって退職を要求されたのよ」「まるで中国の文化大革命の時の人民裁判みたいじゃあないか」アメリカでも中国系や半島系の閉鎖された社会では住民による糾弾と制裁が横行していて社会問題になっているが、当局が摘発に乗り込んでも被害者まで証言を拒否するため事実上は放置・黙認されている。日本では江戸時代に確立した法治主義・司法制度が韓国では現在も根づいていないようだ。
「お前は法務士官としては違法性を告発しないのか」「現在の法曹界の上層部は盧武鉉政権が任命した反日的な人間ばかりだから結果は判ってるわ。それにあくまでも公開討論会であって生徒の質問に父が答えられなくなっただけだと学校は組織ぐるみで口裏を合わせているのよ。結局、父の私的理由による依願退職にされたわ」陸軍の法務士官であるジアエでも告発できないほど韓国社会は反日一色に塗り固められていると言うことだ。
「そんな辞め方をしたんじゃあお父さんも働く意欲を失ってしまったな」「それが妙に気合いが入ってるのよ。始めは私も母も強がりだと思っていたけど本気みたい。聖也に半分日本人の血が流れていることが誇りだって前よりも大切にしてくれてるわ」岡倉は義父の真情を慮りながらダブルベッドの隅で眠っている聖也の寝顔を覗いたが自分に似ていて嫌になる。それにしても愛国者として韓民族に誇りを抱いていた義父母でも現在の狂気には耐え難いのだろう。
「父はこれから神学校に入って神父を目指すって言ってるわ。学校教育が人の道を説かなくなったらカミの教えを伝道するしかないって。当然、母も大賛成よ」これは意外な展開だ。義父の人間性を考えると懺悔室で罪の告白をすると説教が返ってくるウルサ型の神父になりそうだ。
「でも父だけじゃあないのよ」深刻な話が区切りになり、久しぶりに性欲が高揚している岡倉が抱き寄せるとジアエは腕の中で続きを始めた。
「私も陸軍の中で日軍(自衛隊)のスパイだって言われ始めてるわ」「日軍のスパイって言っても自衛隊と韓国軍は同盟軍だから情報は共有するのが原則だろう」岡倉の時代にはなかったが現在の陸上自衛隊幹部候補生学校は韓国陸軍士官学校と相互訪問を実施している。日本では政治は対立しても中国と北朝鮮と言う共通の脅威に対処している防衛分野での信頼関係は盤石だと思われているはずだ。岡倉はパジャマの上から乳房を揉んでいた手を止めた。
「金大中政権と盧武鉉政権で軍の対北朝鮮強硬派は一掃されてしまったから親中親北朝鮮でなければ居場所がないのが現在の我が軍なの。私の志望動機は・・・」「大韓航空機爆破事件の金賢姫の姿を見て宗教を認めない北朝鮮の体制に強い危機感を抱いたんだったな」岡倉の代弁にジアエは何故か恥ずかしそうにうなずいた。
「その北朝鮮に対する危機感さえも反北朝鮮の敵対者にされてしまうところまで進んでしまっているわ」確かに韓国社会では日本のような常識や適当による制御が機能せず、むしろ過激化が留まることがなく完全否定するところまで突き進んでしまう。ただし、それは宗主国・中国や同胞である北朝鮮には向かない。要するに日本だけが憎いのだ。
「今の上層部は日米安保条約では日本とアメリカは対等な同盟関係なのに我が軍は戦時には大統領を飛び越えてアメリカ人の国連軍司令官の指揮下に入らなければならない。これも日本の植民地支配の結果だって批判しているのよ。馬鹿みたい(パボ・チョルム)でしょう」「みたい(チョルム)はいらないな」こうなると韓国はアメリカにも反発していることになる。やはり経済的に中国との依存関係が強まったことで有史以来の従属意識が復活し、自己犠牲的な投資によって国土の建設を進め、国家の近代化を成し遂げた日本と朝鮮戦争で54000人もの若者の血で国土を染めたアメリカからの恩恵さえも負の記憶にしてしまっているようだ。
「私、予備役になって貴方と暮らしたいな」この呟きでようやく夫婦の営みに移ることができた。
す・韓国軍イメージ画像(韓国陸軍)
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  1. 2019/10/30(水) 11:03:31|
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