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古志山人閑話

野僧は佛道の傍らに置き忘れられた石(意志)佛です。苔むし朽ち果て、忘れ去られて消え逝くのを待っていますが、吹く風が身を切る声、雨だれが禿頭を叩く音が独り言に聞こえたなら・・・。

女優・八千草薫さんの逝去を悼む。

野僧は中学生の時に「ベルサイユの薔薇」が大ブームになったこともあり、遥くららさんや純名里沙さん、檀れいさんなどの宝塚の娘役出身の女優が好きなのですが(勿論、嫌いな人も沢山います)、その第一人者の地位を守り続けていた大女優・八千草薫さんが10月24日に亡くなったそうです。88歳でした。
通常、芸能人の訃報を伝える報道番組に出演する俳優たちの悲痛な表情には演技の臭いがプンプンと漂っていますが、八千草さんについては誰が見ても本気で泣いており、どのベテラン俳優も「素敵だった」「好きだった」と告白しながら号泣し、大物スターとしての貫録などは眼中にないようでした。特にクールなイメージが強い石坂浩二さんがインタビューの途中で声を詰まらせ、涙を流し始めたのに驚きました。
中でも某ベテラン俳優の八千草さんが昭和32(1957)年に宝塚歌劇団を退団して不倫を含めた交際をしていた29歳年上の映画監督と結婚した時には「60年安保に先駆けて若手俳優で抗議と奪還のデモを起こそうと本気で相談していた」と言う告白にはスタジオにいた同世代の俳優たちもうなずいていたので実話だったようです。その監督とは結婚50周年=金婚式の年に死に分かれていますが、先生と教え子のような微笑ましい夫婦生活だったそうなので、結婚できて幸せだったのでしょう。
野僧が八千草さんの作品を初めて見たのは小学生の頃にテレビで再放送されていた映画「宮本武蔵」の通(つう)役で「この世にこれほど美しい女性がいるのか」と晩生(おくて)の癖に衝撃を受けてしまいました。その後も色々な番組で上品で清楚な役を演じているのを見たものの主演ではなかったので記憶が定かではありません。1つ、思い出せるのはヤマハ・パッソルのCMの「優しいから好きです」の台詞でホンダのロード・パルがイタリア人女優のソフィア・ローレンさんが「アラッタッター」と大胆にエンジンを掛けて走り出すのとは好対照でした。
そして高校生になって見た八千草さんのドラマと言えばやはり「岸辺のアルバム」ですが、運悪く父親が八千草さん=妻の不倫シーンを見て激怒したため我が家では視聴禁止になってしまいました。それでも最終回だけは父親不在だったため見ることができましたが、感動的な場面に見逃さざるを得なかったことが本当に残念でした。
もう1つ、高校3年=昭和55(1980)年の正月3日に放送した資生堂スペシャル「源氏物語」は鮮明に記憶に残っています。八千草さんは天皇の正室の藤壺役で、主演で光源氏役の沢田研二さんにとっては義母でありながら幼くして死に分かれた実母の桐壺に生き映しの女性であり、母の面影を慕う気持ちと女性として恋する情愛の対象にされる複雑な役柄でした。八千草さんは沢田さんの大ファンなのだそうで、愛欲シーンでは遠からのアングルではあったものの乳房まで露出していました(口づけで顔を隠していたので吹き替えの可能性もある)。なお、八千草さんが宝塚歌劇団でトップ・スターの座を勝ち取ったのも昭和27(1952)年上演の「源氏物語」の光源氏の妻・紫の上の少女時代・若紫役だったそうです。心からご冥福を祈念申し上げます。涙一粒。鼻一すすり。
八千草薫・19・10・24没「宮本武蔵」の通
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  1. 2019/11/06(水) 12:43:14|
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