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古志山人閑話

野僧は佛道の傍らに置き忘れられた石(意志)佛です。苔むし朽ち果て、忘れ去られて消え逝くのを待っていますが、吹く風が身を切る声、雨だれが禿頭を叩く音が独り言に聞こえたなら・・・。

1月21日・世界初の原子力潜水艦・ノーティラスが進水した。

1954年の1月21日に世界初の原子力潜水艦・ノーティラスが原子力産業のジェネラル・ダイナミックス社傘下のコネチカット州グロトンの造船所で進水しました。
ノーティラスは水夫や船を意味するギリシャ語でアメリカ海軍では1799年に就役した帆走戦闘艦の初代から1938年に就役し、米墨戦争で活躍した帆走戦闘艦の2代目、1911年に就役して第1次世界大戦に参加した潜水艦の3代目、1917年に就役した遊覧船が第1次世界大戦で徴用されて警備艦になった4代目、第1次世界大戦後から第2次世界大戦まで長期間運用された潜水艦の5代目に続く6代目でした(4代目と5代目の間に北極探検に転用された潜水艦にもこの名前が与えられましたが、アメリカ海軍に返却された時、艦番号Oー17に復したため除外されています)。
6代目・ノーティラスは日露戦争後の日本海軍の艦艇を世界水準に引き上げた平賀譲中将のアメリカ海軍版と言うべきハイマン・G・リッコーヴァー大将の指揮の下、実用化の目途がついた原子力エンジンを搭載して、それまで「水に潜ることができる艦艇」だった潜水艦を「水中に在ることが常態の艦艇」として計画されました。しかし、原子力エンジンの実用試験を主目的にしていたため艦体については3代目・アルバコア級(2代目は下北半島沖で機雷に接触して爆沈している)で水中における抵抗の軽減と静粛性、推進力などの有効性が確認できていたティア・ドロップ(涙滴)型と1軸式スクリューの採用は見合わせ、従来型の艦型で2軸式スクリューとしました。
日本の海軍マニアの間では「敗戦後にアメリカ軍に接収された伊400を参考にした」と言う風説が常識化していますが、アメリカ側の資料では「Uボートを参考にした」と解説していても伊400については触れておらず構造にも共通点が見当たりません。
また酸素タンクと空気浄化装置も従来型を搭載しましたが推進用モーターの電池を充電するためのディーゼル発電の必要がなくなったことで酸素供給時間は従来型の10日間から30日間に3倍増しました(後に原子力潜水艦用に換装して60日間になった)。さらに原子力エンジンは全力発揮の連続時間が250時間に及び1381海里=2557.6キロメートルの連続行動と燃料交換なしで地球2周半分に当たる62562海里=115864.8キロメートルの航海が可能になりました。
就役後、ノーティラスは太平洋からベーリング海峡を通過してグリーランドに抜ける北極海通過航海も実施しており、1958年8月3日に北極点で発した「ノーティラス、北90度」の電文は冒険に憧れていた当時の少年たちを大いに刺激したそうです。
ただし、艦型が従来型だったため武装面では特別な発展はなく、原子炉の実験データーの収集を主任務として量産型原子力潜水艦・スケート級や本格的ティア・ドロップ型原子力潜水艦のスキップ・ジャック級への布石に終始しました。この点は1960年に進水して以降、多くの実戦を経験した初の原子力空母・エンタープライズとは異なります。
1980年3月30日に退役しましたが、解体されることなく建造された造船所内で係留保管されており、一般公開されているそうです。
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  1. 2020/01/21(火) 13:33:40|
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