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古志山人閑話

野僧は佛道の傍らに置き忘れられた石(意志)佛です。苔むし朽ち果て、忘れ去られて消え逝くのを待っていますが、吹く風が身を切る声、雨だれが禿頭を叩く音が独り言に聞こえたなら・・・。

6月8日・「自衛隊よ胸を張れ」の著者・松原正教授の命日

2016年の6月8日は野僧が文通していた英文学者で評論家、劇作家にして自衛隊内限定のベストセラー「自衛隊よ胸を張れ」の著者でもある早稲田大学の松原正教授の命日です。
野僧は大学で英文学は取っていなかったので人物は特定できないもののシェイクスピアの研究をしていた人(同級生ではなく教授だったような気がします)から勧められた松原教授の雑誌(多分、「中央公論」か「文芸春秋」の厚い月刊誌)への寄稿文を読んだことが出会いでした。大学を中退して一般空曹侯補学生に入隊すると防府又は浜松の本屋で目にした「人間通になる読書術・賢者の毒を飲め、愚者の蜜を吐け」を購入して、これまで読んできた多くの日本の文筆家とは全く異なる視点で日本文学の名作を再評価する論理展開に共感しました。そして那覇基地に配置されてしばらく経った頃、基地で松原教授の講演会が開催され、野僧も希望して聴講すると「人間通になる読書術」と同一基軸であっても論理は大きく展開して、中でも「戦争は国家が正義を守るために起こす行動」「防衛戦争は副次的目的に過ぎない。守るべきは国土・国民ではなく国家としての正義だ」「戦争で死ぬことは正義に命を捧げた殉教的行為」「防衛費が福祉予算よりも多いのは日本が国民の甘えよりも国家としての正義を重視している証だ」などのイギリス的戦争観は敗戦後の日本で学校教育やマスコミ報道だけでなく社会全体に蔓延している「平和だけが人類普遍の希求的正義」「生命こそ唯一絶対の至宝」と言う常識に真っ向から挑戦する論理であって、「我が国の平和と独立を守る」と言う自衛隊の使命に大学の教授や同級生、さらに沖縄の街で反自衛隊の人間たちが吹きかけてきた「防衛のための武力が戦争の原因=平和を守る軍隊は自己矛盾」「侵略されても従属を表明して主権と領土と国民を維持すれば独立は保てる=防衛戦争によって国土を破壊され、国民が死ぬことの方が独立を損なう」との否定的意見に対する明快な反論でした。このため講演会で紹介された著書「戦争はなくならない」を購入して出版社に感想文を送ると松原教授自身から返事が届いたのですが、「戦争はなくならない」で漢字を旧字体で統一していたことから寺で祖父に勉強を習ったため中学時代から旧字体を常用していて国語の試験では間違いにされていた野僧も同様の旧字体で記述したことを絶賛してくれたのです。それから文通が始まりましたが、シェイクスピアのイギリス的社会観を信条とする松原教授と武士道を追求する野僧では意見の齟齬が度々生じて書簡による論争に発展することも珍しくなく、必ずしも教えを受けた訳ではありませんでした。それでも「自衛隊よ胸を張れ」を執筆中には航空自衛隊の業務や訓練、自衛官の真情について確認を受け、文中に「名前を出して良いか」と問い合わせられたので上司に確認したところ「文書発表の制限に準ずる保全規則上の問題がある」と禁じられたため断り、そこから書簡の往復頻度が急速に低下し、部隊の住所で文通していたので体育学校・幹部学校への入校中に途絶えてしまいました。
松原教授は保守の論客と言われながらも大江健三郎に代表される反日亡国文化人だけでなく渡部昇一上智大学教授や西尾幹二東京大学教授などの保守派の言論人も痛烈に批判していたため次第に孤立し、晩年には意見を発表する場がなくなっていたようです。
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  1. 2020/06/08(月) 14:10:07|
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