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古志山人閑話

野僧は佛道の傍らに置き忘れられた石(意志)佛です。苔むし朽ち果て、忘れ去られて消え逝くのを待っていますが、吹く風が身を切る声、雨だれが禿頭を叩く音が独り言に聞こえたなら・・・。

7月13日・「赤影参上!」・坂口祐三郎の命日

2003年の明日7月13日は野僧の世代には忘れることができない破天荒な忍者時代劇ドラマ「仮面の忍者・赤影」で主役を演じた坂口祐三郎さんの命日です。61歳でした。
坂口さんは日本が対米英戦争を開始する直前の昭和16(1941)年の秋に福岡県久留米市で生まれましたが、あの時代の役者なので生い立ちについては真偽不明な点が多く、父親を知らず、母親にも敗戦直後の4歳の時に捨てられて祖父母に育てられたそうです。県内の八女工業高校2年の時に本人に無断で同級生の女子が東映ニューフェースに応募したため受験することになって、面接では「高校を卒業してから採用して欲しい」と懇願して7期で応募・合格しながら8期として採用されました。
東映に入社すると俳優座の養成所で演技を学び、東映の京都撮影所でデビューを待ちましたが、準主役で数本の映画に出演したものの泣かず飛ばずで数年を過ごし、「そろそろ諦めて帰郷しようか」と京都に呼んで一緒に暮らしていた祖母と相談していたところに舞い込んだのが東映が制作する忍者時代劇ドラマ「赤影」の主演のオーディションでした。オーディションでは坂口さんが仮面をはめた途端(ドラマで使用した赤い革製の仮面は坂口さんの自作手製なのでこの時は別物)、会場にいた女性職員たちから「決定」と言う声が上がり、その後もスポンサーの三洋電機のイベントに登場すると子供を連れてきた母親たちが興奮して歓声を挙げたそうです。
「赤影」は忍者漫画の大家・白土三平さんの「ワタリ」をドラマ化する予定だったのはずが先に制作した映画「大忍術映画ワタリ(主演は青影の金子吉延くん)」の内容が原作とかけ離れていることに激怒して破談になり、ロボット漫画「鉄人28号」以外では時代劇を多数発表している横山光輝さんに原作を依頼した作品でした。横山さんは絶大な人気を獲得していた「伊賀の影丸」を終了して「飛騨の赤影」の連載を開始し、これを「仮面の忍者・赤影」として実写化することになりましたが、「飛騨の赤影」はあくまでも正統派の忍者時代劇なのに対して「仮面の忍者・赤影」は織田信長公や羽柴秀吉さんなどの歴史上の登場人物や街道や宿場、城下町などの風景や歩いている人々は時代劇でも、敵との戦闘シーンでは洋装の魔法使いあり、火を吹く怪物・蝦蟇(がま)あり、空飛ぶ巨大な独楽あり、ロボット=動く石像ありのSF時代劇になっていて、赤影、青影、白影も空を飛んで袖から弾丸を発射するなどの破天荒な忍法を多用していました。それにしても空が飛べるのなら白影(=牧冬吉さん)は大凧に乗る必要はないでしょう。
坂口さんは赤影の印象が強烈過ぎたため、1968年3月に終了して以降はそのイメージを払拭することができずドラマの単発の端役を重ねるだけで、生活も困窮していたそうです。しかし、同時期に放送していた東映の特撮ドラマ「キャプテン・ウルトラ」に主演した中田博久さんは灰汁(アク)の強い悪役に徹して現在も活躍していますから、坂口さんは視る者に夢を売る役者としての責任感やどう見ても悪者にはなれない風貌と個性が制約になっていたようです。確かに赤影の初期では仮面を外した旅の浪人姿もありましたが、品が好過ぎて喰い詰め浪人には見えませんでした。
時美沙最終回の青影と陽炎(=時美沙さん)
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