FC2ブログ

古志山人閑話

野僧は佛道の傍らに置き忘れられた石(意志)佛です。苔むし朽ち果て、忘れ去られて消え逝くのを待っていますが、吹く風が身を切る声、雨だれが禿頭を叩く音が独り言に聞こえたなら・・・。

振り向けばイエスタディ1980

岡倉とジアエ夫婦は早速、国際問題に直面していた。聖也(セインヤ)が入園したカソリック系の幼稚園では中国系と北朝鮮・韓国系の子供たちが日系人と在アメリカ日本人の子供たちを執拗に苛めており、聖也にも始めは加担するように誘い、次第に強要するようになったのだ。
岡倉が帰宅して家族で夕食を囲み、団欒を満喫して聖也が眠るとリビングのテーブルに向かい合って座ったテジアエは深刻な顔で報告した。
「保育士のシスターは何も言わないのか」「リーダーの中国系の子供が『中国はアメリカと一緒に戦った連合国で日本は戦争犯罪国だ。罰を受けるのは当然だ』ってアジテーションするからシスターとしてもPTAの反発を危惧して強く言えないようなの」本当は夫婦で酒を楽しむ時間だが、酔って相談できるような軽い問題ではない。
「要するに放置しているんだな」「いいえ、『カミは不当な暴力は許さない』って制止しているようだけど、『ナチと日本は人道に反する罪を犯したからソドムやゴモラのように滅ぼさなければいけない』って反論するんだって」「それは子供の知識じゃあないな。完全に大人に吹き込まれているよ」岡倉の見解にジアエも顔に半ば怒り、半ば困惑を浮かべて深くうなずいた。
「それに韓国系の子供が『日本は韓国を植民地にして世界に誇るべき優れた伝統や文化を破壊し、民族としての慣習や道徳を否定し、財産や宝物を略奪した』って同調して、聖也にも『一緒にやらなければ裏切り者だ』って強要するのよ」こうなると韓国政府が日本に財政援助を強要する際の常套句の代弁のようだ。
「それで中韓連合軍はどんな苛めをやっているんだ」「目立つような暴力は振るわないみたい。日系人の子供の持ち物を隠したり、食べ物に鼻糞や唾を入れたりするの。それで日系人の子供が怒ると集団で暴力を振い始めるらしいわ」この陰湿さは民族性なのかも知れない。それでも岡倉はジアエや李家の両親からは全く感じていないので首を振って否定した。
「当然、シスターは止めに入って事情聴取するけど、中国系と韓国系の子供たちが『日本人が暴れ始めたから止めた』って口裏を合わせるそうよ。シスターは『カミに誓えるか』って訊くんだけど素直に『はい』って言うんだって。そうなるとシスターとしては両方の親に事実を伝えるしかなくないけど、日系人の親は『家でも子供を厳しく躾ける』と謝罪しても中国系や韓国系は『ウチの子は悪くない。日本人が悪いに決まっている。この幼稚園は心正しい子羊が勇気を揮って邪悪な悪魔を懲らしめても誉めないのか』って抗議するらしいの」これも中国と韓国が日本人の「お人好し」な美徳を弱点にする常套手段だ。
「聖也としては中国人と韓国人が悪いって判っているから仲間に加わりたくないけど、拒めば自分も苛めの対象になるから本当に困っているのよ」ここでジエアがマグカップに日本茶を淹れて出した。国際問題を仕事にしている岡倉としてはこのカソリック系の幼稚園で起きていることはキリスト教国である先進国が取り仕切る国際社会で中国が巧みに立ち振舞い、腰巾着のように韓国が追従している構図がそのまま投影されているように感じる。アメリカや日本は韓国を自由主義国陣営の一員だと信じているが、韓国にとっては中華帝国の脇を固める属国としての立場こそが有史以来の国是であって、本心ではアメリカを日本に代わって支配者になった仇敵と見ているのだ。その証拠に2007年に韓国の潘基文が国際連合の事務総長に選出された時、アメリカは国際連合が自国寄りになることを期待して自由主義陣営に投票を呼び掛けたが、現在の国際連合は(いわゆる)従軍慰安婦問題などで反日色を全面に出しながら、珍しく同調的なオバマ政権を中国寄りに誘導している。
「カソリックの軍人としては『孤立無援になっても殉教精神で正義を貫け』と言いたいところかも知れないが、共産主義国家の中国には始めから人類普遍の正義などは存在しないんだ。韓国は地続きだから不可能でも絶海の孤島の日本なら『関わらない』と言う自衛策を講じることができるぞ。聖也は折角入園した幼稚園を止めるのは残念かも知れないが、転園させた方が良いな」「私としては貴方の許可が欲しかったのよ。聖也も中国人と韓国人は嫌いだって言ってるわ。私が聖也と一緒に別の幼稚園を探します」要するに結論は出ていたようだ。岡倉は両親が生前、誰が考えても答えが出ている問題を深刻な顔で話し合っているのを見て「馬鹿げている」と冷笑していたが、これが夫婦と言うものであることを実感した。
「もう1つ、私としては聖也に岡倉姓を名乗らせたいの。李聖也では韓国系になってしまうでしょう。アメリカの中国系と韓国系の移民たちはこの国に東アジアの母国を作ろうとしている。聖也は相手の国に順応しながら自分たちの伝統を控え目に守る日本人にしたい。私たちを貴方の籍に入れさせて」これは別の意味で重大な問題だ。しかし、責任者である松山1佐が家族連れで着任した以上、不可能ではないはずだ。岡倉は父のように音を立てて茶をすすった。
スポンサーサイト



  1. 2020/07/20(月) 13:12:35|
  2. 夜の連続小説8
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
<<振り向けばイエスタディ1981 | ホーム | 「こんな国家のために死ねるのか?」韓国の英雄への冒涜>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://1pen1kyusho3.blog.fc2.com/tb.php/6272-ca582f03
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)