3月13日は「3(さん)」と「1(いち)」の語呂合わせと「3=サンで1=イチを挟んでいる」ため日本限定の「サンドイッチの日」になっています。実は11月3日にも日本限定の「サンドウィッチの日」があるのですが、こちらは後日解説します(多分)。
サンドイッチとサンドウィッチは英語の「sandwich」を日本語式に片仮名表記するか、正しい発音に合わせるかの違いで、以前は前者が、最近は後者が一般的なようです。
また日本では耳を落とした食パンに具を挟むことになっているサンドイッチ=ウィッチと言う料理の定義はパンやパイのような小麦粉などの穀類を練って焼いた食品の上に調理した肉や野菜を載せるか、挟んだもので日本では独立した料理になっている細長いパンを2つに割って具を挟むホット・ドッグやハンバーガーも含まれます。
以前は大のトランプ好きだった4代目サンドウィッチ伯爵がゲームをしながらナイフやホークを使わずに食べられる料理としてこの料理を発明したのか名称の由来になったと言われていましたが、これほど手軽で便利な料理をそれまで誰も作らなかったはずがなく、インドのナン、古代ローマのオッフラやピッザ、中東のピタなどの平パンを皿代わりにして具材を載せて焼く調理法は古代から世界各地に在りました。
日本への伝来と普及については幕末の伊豆代官の江川太郎左衛門秀竜さまが兵士の携帯食にするため手代の柏木総蔵さんを長崎に派遣してパンの製造法を学ばせて関東地方でも普及させましたが、それに手を加えるサンドイッチ=ウィッチにまでは発達しませんでした。結局、他の洋食と同様に徴兵された庶民が軍隊生活を通じて味を憶え、その懐かしさから市販品を求め、家でも作らせたことで普及・定着したようです。
駅弁としてのサンドイッチ=ウィッチは日清戦争の前々年の明治25(1895)年に鎌倉の大船駅で発売されたのが発祥でハイカラな弁当として急速に普及しました。また昭和10(1935)年に東京の豚カツ屋がカツ・サンドの販売を始め、名古屋などの中京圏ではパンに焼き蕎麦やスパゲティ・ナポリタンなどの麺類を挟んだ炭水化物同士のサンドイッチ=ウィッチが出回りました(余談ながらアラスカ人の彼女は「米も野菜でしょッ」と言いながらカレー・ライスを挟みました)。
日本式の定型である耳を落として三角形に切った食パンのサンドイッチ=ウィッチは戦後の昭和30年代になって後楽園球場のスタンドで販売していたパン屋が毎回のように客からに挟んでいる具材を確認されるので「中身が見えるように」と考案したアイディア商品です。その後は刻んだ茹卵をマヨネーズで和えた卵サンド、薄切りの胡瓜やトマトと組み合わせたハムサンド、各種ジャムやレーズン・バターのミックス・サンドなどの独自の発展を遂げましたが、アメリカのハンバーガーやホット・ドッグ、イタリアのピッザのような主食ではなく軽食・間食と言う地位から脱却できませんでした。
ちなみに昭和28(1953)年の鶴田浩二さんのヒット曲「街のサンドイッチマン」のサンドイッチマンは身体の前後に看板を下げて街角に立ったチンドン屋のことでサンドイッチ=ウィッチの製造・販売には関係しません(宣伝はしたかも知れませんが)。
- 2022/03/13(日) 15:23:07|
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