少年法の改定に伴い2022年4月1日から成人年齢がこれまでの20歳から18歳に引き下げられ、被保護者である高校生にも成人としての権利が与えられることになりますが、その議論を見ていると平成の30年間で腐った日本人の馬鹿さ加減が見えてきます。
先ず成人と言えば飲酒や喫煙が解禁されるはずですが、医療関係者から「若年層の飲酒は記憶力を劣化させ、馬鹿になる」と反対の声が上がっています。この医療関係者たちはアルコホールが脳や内臓に与える影響だけで「飲酒は百害あって一利なし」「喫煙は万病の元・社会悪」と断定しているようですが、適度の酔いはストレスの解消に絶大な効果があり、頭が痺れて遠慮がなくなった会話は人間関係を濃密にすることを知らないのでしょう。そもそも飲酒は高校卒で就職すれば職場で、大学に進学すれば部活動で18歳から教えられて鍛えられるのですからこの医療関係者は社会の実情が視界に入らないか、未成年の飲酒と喫煙を犯罪として厳格に取り締まるべきだと考えているのかも知れません。
また選挙権も18歳に引き下げられるため高校生にも国家の命運を左右する投票行動が認められます。野僧の蒲郡高校は歴代生徒会長が蒲郡市長や国会議員、市会議員になるなど極めて政治性が強い校風で、学園紛争が吹き荒れた1970年代には校則の改定と生徒指導部の交代を要求する生徒の授業ボイコットが発生しました。そのため週に1時間のクラブ活動には「新聞を読む会」と言う図書室が取っている新聞を読みながら時事問題を語り合うクラブがあって野僧も所属していました。またフォークダンス・クラブには民主青年同盟(日本共産党の下部組織)の準会員が揃っていて風紀委員出身の野僧が生徒会役員になると「生徒会は労働組合のように生徒の要求を学校に突きつけて戦う組織だ」と生徒指導室寄りの野僧を批判しました。しかし、他の高校生と比べれば政治に強い関心を持っていた野僧も所詮は高校生であり、投票権を与えられても国政全般を考えて候補者を選択できたのかと言えば自信はありません。
安倍晋三政権の当時、特定秘密保護法や安全保障関連法の審議中にデモの先頭に立っていた女子高校生をマスコミは「現代のジャンヌダルク」と持て囃していましたが、実際は教師の「推薦で進学させる」と言う撒き餌に群がったに過ぎないのです。
また成人者から無作為な抽選で選ばれる裁判員の対象にもなるため文部科学省は裁判に参加するため学校を欠席することを特別扱いするように各都道府県教育委員会に通知したようですが、裁判員は日本の司法が判例や法令の規定を固執して国民感情からかけ離れた判決を下しているとの批判を受けて裁判に社会的通念を反映させことが目的なので、親の保護・監督を受けている高校生を加えることはその判断によって有罪・無罪・服役期間を決められ、人生を左右される被告と原告には到底受け入れられないことでしょう。そもそも災害や事故、身近で発生した殺人事件で悲惨な遺骸や負傷者を見れば「PTSD(心的外傷後ストレス障害)を起こす」とカウンセリングを受けさせている高校生に残酷極まりない証拠写真を見せることができるのか。
平成の30年間で日本人は老若男女・上下左右が本質を考える能力を喪失したようです。
- 2022/03/26(土) 15:35:12|
- 時事阿呆談
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