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古志山人閑話

野僧は佛道の傍らに置き忘れられた石(意志)佛です。苔むし朽ち果て、忘れ去られて消え逝くのを待っていますが、吹く風が身を切る声、雨だれが禿頭を叩く音が独り言に聞こえたなら・・・。

だから言わんこっちゃない!スリランカの経済危機

2009年5月18日に反政府ゲリラ=タミル・イーラムの虎の創設者で最高指導者のヴェルピライ・ブラバカラン議長が射殺されて4半世紀の及ぶ内戦が終結したスリランカがその後遺症で窮地に陥っています。
スリランカ内戦は日本を含む西側では国民の7割を占める佛教徒のシンハラ人とヒンドゥー教徒の少数民族タミル人の迫害と抵抗の民族紛争と決めつけていますが、タミル人も2割を占める第2の勢力であり、歴代政権も必ず閣僚に加えて配慮してきました。
タミル・イーラムの虎はタミル人でも古代からスリランカ島内でシンハラ人と共存してきた先住民ではなくイギリスが植民地にした時、ジャングルを切り開いて紅茶農園を作る土木作業と農園での栽培と収穫の労働力としてインド南部から強制移住させた後発の者たちで、独立後にスリランカに留まったものの文字すら読み書きできないため農園の肉体労働者としての仕事を継続するしかありませんでした。それに目をつけたのが対岸のインドで、ブラバカン議長以下の不満分子の頭目たちに軍事教育と訓練を行うと武器を持たせてスリランカに返し、間接侵略としての反政府ゲリラ活動を開始させたのです。その後も武器と弾薬を補給して戦闘を本格化させたのですが、敬虔な佛教国であるスリランカは少数民族に対しても融和的だったので不満分子は次第に戦力不足になり、支配地域の集落を占領して妻子や両親を人質にして成年の男性をゲリラとして使うようになりました。
こうして泥沼の内戦が続いたのですが、前述のように西側各国は「政府軍による少数民族弾圧」と決めつけていたため支援の手を差し伸べる国は現れず、インドから武器弾薬を供給されているタミル・イーラムの虎に振り回され続けたのですが、そこに共産党中国が宿敵・インドの野望を打ち砕き、スリランカをインド洋に制海権を構築する一路一帯戦略の拠点にする長期策謀として巨額の資金と武器を提供して内戦を勝利に導き、その見返りとしてコロンボ港の近代化工事を請け負う一環として中国海軍の軍港も建設しました。
ところが共産党中国は短期間に集中的に提供した巨額の資金の返済期限が迫るとこれを当然のように請求し、経済破綻に追い込もうとしています。おそらく今後はタイと同様に中国資本に経営権を買い占められた私立大学で毛沢東思想の洗脳を受けた市民がマスコミの扇動を受けて反政府暴動を起こして親中派政権を成立させて救済措置として返済を延期し、その見返りにさらなる属国化するための要求を突きつけてくるのでしょう。
スリランカと日本は1951年のサンフランシスコ講和会議で後に2代大統領になったジュニウス・リチャード・ジャヤワルダナ大蔵大臣がイギリス領セイロン代表として賠償請求権の放棄を訴えた大恩に報いるため国土建設を支援してきて国民も親日家が圧倒的多数だったのですが、日本の人権団体が国際会議などでヨーロッパに同調して内戦の実態を無視した批判を繰り返したことを中国系マスコミが悪意を以って報道したため急速に弱まってしまいました。これが安倍晋三政権であれば共産党中国の一路一帯戦略を阻止する好機として全面支援するのでしょう。インド洋の海上輸送路で原油を輸入している日本にとってはスリランカの方がウクライナよりも優先順位は高いはずです。
  1. 2022/04/06(水) 16:31:06|
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