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古志山人閑話

野僧は佛道の傍らに置き忘れられた石(意志)佛です。苔むし朽ち果て、忘れ去られて消え逝くのを待っていますが、吹く風が身を切る声、雨だれが禿頭を叩く音が独り言に聞こえたなら・・・。

そろそろ日本共産党は綱領の教条主義を卒業しなさい。

日本共産党の志位和夫委員長が国会内で会見して自ら執筆した日本共産党の憲法に例えるよりも宗教的な聖典と言うべき党綱領の解読本の出版を発表しました。
野僧は高校で生徒会の役員を歴任していたため日本共産党の下部組織・民主青年同盟の準会員たちが取り込もうと新聞赤旗や機関誌を「読め」と手渡して内容に関する議論を吹きかけてきたのですが、その中には当時の日本共産党の1961年綱領がありました。
大学に進学すると今度は民主青年同盟の美人女学生が集会に勧誘したため日本共産党の勉強を継続することになりました(革マル派からも誘われた)。野僧は高校時代にマルクスの「資本論」を読破していたため雑談的議論でも活動家の学生を論破することが多く、目立つ存在だったようです。
そこで「日本共産党は多種多様な立場のせめぎ合いによって複雑怪奇に変化する国内外情勢を『綱領』と言うは固定概念だけで評価する教条主義の政党」と言う結論を得て、自民党政権に対する「批判票」としてのみ1票を与える超消極的な支持者になりました。
日本共産党綱領は大正11(1922)年にソビエト連邦の第3インターナショナル=世界共産主義革命の日本支部として徳田球一さんや山川均さん、野坂参三さん、佐野学さんなどが学生や労働者たちを洗脳して非合法に創立した時に活動方針以上の精神的基盤として制定した「テーゼ=ドイツ語の『命題』」が始まりで、内容としてはマルクス主義の「唯物史観」「階級闘争論」「レーニン主義=資本主義の最終段階としての帝国主義論」「前衛党論=大衆を扇動する革命運動」「2段階革命論=社会主義から共産主義に移行する」「コミンテルンの人民戦線論」を基盤として「天皇制の廃止」「軍隊の廃止」「労働者の武装化」「朝鮮・中国からの撤退」「土地公有化」が列挙されていました。
その後、テーゼは昭和2(1927)年、昭和7(1932)年に秘密会議で改定され、敗戦後の昭和22(1947)年に合法化されたことで公式な行動綱領=政党としての政権公約になりましたが、それでも「マルクス・レーニン主義」「前衛党」「天皇制の打倒・人民共和政府の樹立」は継承し、そこに「広範な民主戦線」と「連合軍を解放軍とする」解釈規定を加えました。そして昭和26(1951)年の改定を経て昭和36(1961)年には「日本の当面する革命は2つの敵=アメリカと日本の独占資本による支配に反対する民主主義革命論」「共産党と社会党左派が国会で安定的絶対多数を占める多数者革命」「社会主義は国営企業・農場で能力に応じて働き、労働に応じて報酬を受け取るが、共産主義は能力に応じて働き、必要により生産物を分配する=2段階革命論の定義」に全面改定し、それ以降は用語の修正を繰り返してきました。
そして2020年に改定された現在の綱領では「現在の日本社会の特質は対米従属と大企業、財界支配の深刻化」と相変わらずの見解を示す一方で「国民の合意での憲法第9条の完全実施」と護憲政党としての立場を明記していますが、志位委員長は「有事への対応」を質問されて「まだ存在する自衛隊を活用する(廃止後は不明)」と苦しい回答を弄しています。そろそろ綱領による教条主義を卒業しなければ将来はありません。
  1. 2022/04/21(木) 15:55:40|
  2. 常々臭ッ(つねづねくさッ)
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