続・振り向けばイエスタディ１１９

「浜松のＡＷＡＣＳを爆破せよってか」愛知県東部にある半島の韓国のソウル特別市銅雀区と姉妹都市提携を結んでいる市の在日半島人の若者たちに韓国政府の秘密指令が届いていた。これまでも浜松基地には交替でデモに狩り出されていて巨大なＡＷＡＣＳの格納庫の位置も判っている。浜松市は敗戦後の昭和２３年４月４日に勝手な治外法権を振り回していた在日朝鮮人を制圧しようとした警察を地元ヤクザが加勢した過激な市街戦が行われた歴史があるため市民の在日半島人に対する反感は根深く、デモも県境を越えて出向かなければならなかった。
「結局、対馬のレーダーを破壊しても皿回し（＝ＡＷＡＣＳ）が日本海で」「東海だ」「東海って言うと愛知岐阜三重みたいで変だな」韓国が歴史的経緯や地理的位置づけを無視して「日本海」を勝手に変更している「東海」は韓国語なら「トンヘ」だが、在日韓国人でも４世になると日本式に「トウカイ」としか呼べないらしい。それにしても中国で「東海」は「東シナ海」を指し、韓国の「西海」とは逆方向だ。そんな漢字圏でも一致しない名称を反日感情だけで国際社会で広めようとしている韓国政府の知的水準の低さと独善性には呆れるしかない。
「兎に角、皿回しが飛んでるとレーダーを破壊した意味がなくなるらしいんだ」「だから壊せって親父たちまで言ってるだからやるしかないじゃん」これで任務の確認は終わった。要するに韓国軍が常任理事国・中国の日本への懲罰を代行して発射した弾道ミサイル、実際は地対地ミサイルで対馬の海栗島レーダー・サイトを破壊しても航空自衛隊は日本海にＡＷＡＣＳを常時在空させることで探知範囲を確保している。そのため韓国軍が保有する地対地ミサイルが届かない見島レーダー・サイトへの航空機による第２波攻撃は延期せざる得ず、日本との全面戦争を要求する国民の反発が高まって抑え切れなくなっているのだ。
「この鉄砲も使えって渡された。本物らしいぞ」「これってヤバくない。中国人が国会の周りで警察と射ち合った奴だろう」「今は自衛隊も警察してるって聞いたぞ。射たれちゃうじゃんかァ」ここまで本格的な破壊活動となると某基地に侵入した在日半島人が基地警備用の指向性散弾地雷で怪我をしてだけに不安になる。実はこの拳銃は豊橋市内の在日中国人に配布された中国製の９２式手槍だが、自衛隊による全国一斉の銃砲刀剣類所持等取締法違反の家宅捜索が始まったため捜査対象になっていない在日半島人に渡したのを勝手に流用したのだ。
「見つかっても逮捕に来た自衛隊を射てば逃げれるらァ」「金田さんが皿回しに何発か射てば火が点いて爆発するって言ってたぞ」「逃げ遅れたらヤバいじゃん」全国屈指の大農業地帯であるこの半島は大半が耕作されているが遊休地も点在していてサバイバル・ゲームを愛好している若者もいる。この任務はゲーム愛好者に命じてもらいたいものだ。
「副長、ノース・ナンバー３に侵入者です」「馬鹿な奴だな。昨日、クレイモアに交換したのに」その深夜、浜松基地では警衛所内の監視カメラを注視していた警衛隊の空士が警衛隊長と仮眠を交代した警備職の２曹の警衛副長に報告した。浜松基地では日本海での韓国空軍機の行動が活発化してＡＷＡＣＳの重要性が高まったことを受けて警備用の指向式散弾地雷を殺傷力が弱いブラスチック弾を噴射するＭ５から鉄製散弾のクレイモアに交換していた。同時に市民には基地周辺への接近の危険性を周知し、隊舎地区に隣接する地域の住民は危険防止のため自衛隊官舎の空室に移転させていた。
「基地当直幹部に連絡するんだったな」「はい、前回の指導です」副長が独り言を呟きながら内線電話のダイヤルを回すと監視カメラを注視している空士が余計な返事をした。
「警衛副長の川村２曹です。緊急連絡です」「クレイモアか、殺るんだな」基地当直幹部はベッドではなくソファーで仮眠していたらしく呼び出し音２回で電話に出て即座に用件を言い当てた。やはり幹部自衛官として人を殺害する命令を下す覚悟をしながら何事もない朝を待っていたようだ。前回、某基地でＭ５を作動させて侵入者を負傷させた時には第３術科学校警備課程の創始者・森田敬作定年２佐の提言通りに逃走防止の即応性を重視して警衛隊長の判断だったが航空幕僚監部が検証した結果、命令権は基地当直幹部に委譲された。
「よし、作動させろ」「はい、警告が終わった直後に私がスイッチを押します」前回は同様の理由で警告を実施しなかったが、今回は治安出動の発令で警察官の武器使用要領を準用することになったため警告が必要になった。
「浜松基地北地区東側に不法侵入している３名に警告する・・・拳銃を持ってるな」副長は暗視カメラが捕えている３人の人影が両手を突き出して構えたのを確認するとためらうことなくスイッチを押した。すると監視カメラの白黒の赤外線映像に白い光が走った。
バーン、数秒遅れて教材整備隊の作業格納庫越しに轟音が聞こえ、警衛所の窓が小刻みに震えた。監視カメラの３つの人影は消えていた。