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古志山人閑話

野僧は佛道の傍らに置き忘れられた石(意志)佛です。苔むし朽ち果て、忘れ去られて消え逝くのを待っていますが、吹く風が身を切る声、雨だれが禿頭を叩く音が独り言に聞こえたなら・・・。

作曲家・安藤実親さんの逝去を悼む。

5月6日に野僧は特殊な経緯で愛唱していた戦後ド演歌を数多く作曲した安藤実親さんが共産党中国の細菌兵器による肺炎で亡くなったそうです。90歳でした。
野僧が安藤さんの作品を最初に憶えたのは高校で警察官=刑事志望の先輩の「自衛官になるなら護身術を修得しなければ駄目だ」と言う強引な勧誘で柔道部に入り、教えられたのが村田秀雄さんの安藤さん作曲の「姿三四郎」「柔道水滸伝」と山路進一さん作曲の「柔道一代」だったのです。当時、柔道の歌と言えば美空ひばりさんが昭和40(1965)年のレコード大賞を獲った「柔」でしたが、先輩は「勝とうと思わなければ強くはなれん」と嫌っていて中学校の柔道部のOBに教えられた「人に勝つより自分に勝てと言われた言葉が胸に染む」の「姿三四郎」を愛唱するようになったそうです。ちなみに昭和45(1970)年のテレビドラマ「姿三四郎」の姿憲子さんが唄っている同名の主題歌は安藤さん作曲でも全くの別物なのだそうで(野僧は見ていなかった)、先輩は警察官=刑事志望=右翼だけに姿さんのデビュー曲が浦島みつ子の芸名のベトナム反戦歌だったため嫌っていました。野僧も柔道ドラマの主題歌なら前年放送の「柔道一直線」の「柔の道に命を賭けた 男の意地が火と燃える」の方が好きです。
その先輩は警察官=刑事志望だけに「Gメン5」や「太陽にほえろ」「刑事くん」などの当時花盛りだった刑事ドラマと共に「銭形平次」も大好きで、卒業後に誘われて飲みに行くとカラオケで舟木一夫さんの主題歌を熱唱していましたがこちらも安藤さん作曲です。
さらに野僧が一般空曹候補学生として航空自衛隊に入隊し、部隊に配属になると過酷な曹候苛めに遭いましたが、息子も曹候学生だった1曹は「お前たち曹候学生が飛び越してしまう新隊員の心意気を理解した上でつき合え」とカラオケで北島三郎さんの「歩」を教えてくれました。確かに「歩」を「士」に置き換えれば「空士」の幹部や空曹に対する負けん気に通じる歌でこれも安藤さん作曲でした。
そして安藤さんの作品と言えば熊本県人の愛唱歌「いっぽんどっこの唄」があります。熊本県人にとっては水前寺清子さん、矢代亜紀さん、石川さゆりさんが演歌界に咲いた3本の大輪の花で、中でも水前寺さんの「いっぽんどっこの唄」は人生の応援歌であり「365歩のマーチ」は日常生活の行進曲なのだそうです。
この他にも昭和58(1983)年の三波春夫さんの「交通安全音頭」と言う教育用音頭や2002年の天童よしみさんの「あんたの花道」なども色々な機会に聞いた覚えがあります(交通安全音頭は愚息の小学校の盆踊りだった)。
2020年のNHKの連続ドラマ「エール」では福島県出身の古関裕而さんを昭和の応援歌を作り続けた大作曲家として描いていましたが、その評価に異存はないものの「唯一ではない」のも確かで、鹿児島県出身(県立の名門・鶴丸高校卒)の安藤さんも社歌や校歌を含めれば千数曲を作曲していて中でも1990年に発表した原田直之さんの「全国ご町内音頭」は50万枚を超える大ヒットになり、盆踊りと言う伝統行事を守る力になりました。感謝を込めてご冥福を祈ります。合掌
  1. 2022/05/09(月) 15:21:48|
  2. 追悼・告別・永訣文
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