「これで自分の身を守れ。鉄橋の下や山の中で練習しておけ」「組織として守ってくれないんですか・・・」数日後、某地方都市では在日韓国人の地方組織の幹部が中国製の94式手槍と実弾が入った小箱2つを市内の大学に通っている同胞の若者に渡しながら指示していた。すると大学生は悲痛な声で反論した。この大学生も教職員組合の活動家の手引きで自衛官の娘の女子高生を校内の防音設備が施されたLL教室でレイプして撮影した動画を韓国の愛国活動専門サイトに投稿していた。ところが同時期に投稿されていた「自衛官の娘」と題するレイプ動画の加害者たちが次々に殺害されて一緒にレイプした同じ大学の学生も自宅マンションの非常階段から転落して死亡した。警察は「全国各地で続発している殺人事件で追い詰められての自死」と発表している。この大学生は自分の犯行を含め自衛官の娘たちがレイプされている動画を自慰のオカズに閲覧しているので自分が最後の生き残りになったことを知っていた。
「それじゃあお前はどうして欲しいんだ」「韓国に逃がして下さい。中国でも良いです。もうすぐ日本が中国軍と韓国軍に占領されれば帰って来られます」大学生は本人たちなりに考えていた「助かる方法」を要求した。実は死んだ大学生とは犯行直後からメールや電話で話し合っていたのだが突然、加害者の連続殺害が始まり、逃走計画の相談を始めて間もなく共犯者が死んでしまった。そんな時に受けた呼び出しだったので「口封じ」の恐怖に怯えていた。
「日本政府がここまで我々を公然と敵視するのは異例だ。おそらく弾圧を本格化させるつもりなんだろう」「今後はお前たちに関わることは止めるから自分の手で自分を守ってもらうしかない」「北京は暴動を起こしている在日同胞を平気で口封じしているが、我々は可能な限りの支援をしている。母国の温情に感謝して愛国心を堅持してくれ」周囲を取り囲んでいる幹部たちの最後に正面から声をかけた大幹部は受け取った拳銃と実弾の小箱を胸の前で抱えている大学生の両手を右手で押した。これで用件は終わった。
「犯人は誰なんだ。あの女子高生の父親じゃあないのか」地方組織の事務所を出た大学生は原付バイクで市内を流れる川の河川敷の鉄道の鉄橋の下に来ていた。本当は渡された拳銃と実弾を持って警察署に駆け込んで自首し、犯行を自供する引き換えに拘置所で保護してもらうことを考えたが、事務所の敷地を出た時から尾行されているように感じたので、取り敢えず指示された通りに射撃の練習をすることにしたのだ。
「レイプされた娘の父親の犯行」と言うのは拳銃の弾倉を抜いて実弾を詰めていて思いついた勝手な推理だ。こうして本物の拳銃が簡単に入手できるのなら自衛官たちが娘をレイプされた報復に使用しても不思議はない。大学生が2人でレイプした女子高生はバージンではなかったものの激しく抵抗し、泣き叫びながら「お父さん、助けて」と叫び続けていた。それを聞いて共犯者の大学生は「お前の父親が自衛官だからこんな目に遭うんだ」と言って激しく腰を動かしたが女子高生は大粒の涙を溢れさせただけで性的な反応はしなかった。あの光景を思い出しても父親の自衛官が家庭を大事にしていることが判る。そんな自衛官たちが愛する娘を傷つけ汚された報復を決意し、実行しても不思議はない。
共犯者になった大学の同級生と地方組織に呼び出され、幹部から指令を受けた時には日頃から自慰のオカズに利用している日本人女性の強姦サイトに出演できると軽薄に応諾したが、投稿した動画はサイトを運営する韓国の反日愛国団体に所有権が移譲されているため日本政府が韓国政府を通じて削除を要求しても拒否し、犯罪の証拠として韓国国内で刑事告訴しようとしても被害者の日本人女性たちが周囲の圧力で応じず、ここまで放置されてきたのだ。一方、あの時、2人をLL教室で待たせ、女子高生を呼び出した活動家の教員は犯行中、機械操作室で傍観していたが、下手をすれば自分専用の動画を作成していたのかも知れない。
「来たな」大学生は頭上の鉄橋が地鳴りのような音を立て始めたところで拳銃を標的としてコンクリート製の橋脚に積んでおいた段ボール箱に向けた。先ずは試射だ。
「はい、一発目は自分に向けて」「弾丸は美味しいかな」その時、大学生の腕を何者かが掴み、素早く拳銃を奪い取った。しかし、大学生は射撃の前に周囲を確認したが人影はなかったはずだ。草むらに潜んで人の気配を消し、わずかな時間で足音も立てずに駆け寄ったらしい。
「ヒーッ、助けて」拳銃を奪った男は大学生が悲鳴を上げた口に銃口を突っ込むと淡々と引き金を引いた。銃声は列車が通過した音にかき消された。今回も後頭部が吹き飛び、鮮やかなピンク色の脳髄が飛び散り、心臓が止まるまでの数秒間だけ赤い血が噴き上がった。
「今回も自殺ですね」「今時の大学生も悩みが多いんだな」拳銃を持ってきたウェス(布切れ)で拭いて指紋を消し、前のめりに倒れている大学生の右手で握らせると陸曹は田島3佐とこの街での仕事の終了を確認し合った。飛び降りは別として拳銃は入手経路が問題になりそうだ。
- 2022/05/22(日) 15:14:07|
- 夜の連続小説9
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