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古志山人閑話

野僧は佛道の傍らに置き忘れられた石(意志)佛です。苔むし朽ち果て、忘れ去られて消え逝くのを待っていますが、吹く風が身を切る声、雨だれが禿頭を叩く音が独り言に聞こえたなら・・・。

6月6日・上高地の焼岳が大爆発して大正池ができた。

大正4(1915)年の明日6月6日に上高地の入り口にそびえる焼岳が大爆発して大量の泥流が麓を流れる梓川を堰き止めて大正池ができました。
野僧は高校の修学旅行で上高地に宿泊しましたが、全長1310メートルの釜トンネルを抜けて上高地に入ると目の前には穂高連峰がそびえ立ち、その手前には石で埋もれた大正池が広がる風景に生徒が感嘆しているとガイドさんが「先ず後方をご覧下さい」と案内したのでバスの中で振り返ると山頂に水蒸気の白い煙が浮かんだ焼岳がありました。
焼岳(標高2455メートル)は長野県と岐阜県の県境になっている飛騨山脈の最南部に位置し、白谷山(標高2188メートル)、アカンダナ山(標高2109メートル)、割谷山(わるだにやま・標高2224メートル)と共に火山群を形成しています。この火山群のうち焼岳を除く3つの山は山肌が脆く落石が頻発するため登山道がなく、有毒ガスの噴出や火山性の地震が常態化しているので入山は禁止、若しくは厳しく制限されています。
焼岳は飛騨山脈の中では最も活発に噴火・爆発を繰り返している活火山ですが、溶岩は粘性が強い安山岩でも約2300年前にマグマ爆発を起こしてからは大半が水蒸気爆発で、山体は溶岩ドームの上に噴出した大量の火山岩と火山灰が蓄積しているため豪雨などで泥流を起こしやすい厄介な特性を持っています。
焼岳には北峰と南峰がありますが、南峰は国土地理院が2等3角点を設置した頂上でも岩質が極めて脆いため立ち入り=登攀禁止になっています(無視して登る不心得者が多い)。北峰は穂高連峰から稜線沿いに割谷山、新中尾峠=焼岳小屋、展望台、旧中尾峠を通って到達する北アルプス縦走ルートと釜トンネルを出てすぐの中の湯バス停からリンドウ峠を通って東側山腹を登って旧中尾峠に至るルート、上高地から田代橋を渡り、峠沢の北側から新中尾峠に至るルートなどがありますが、登攀の難度よりも前述の火山群と同様の危険性が伴うので(北峰の西側山腹には硫黄ガスを噴出する孔がある)海抜と標高差の数字だけで舐めてはいけません。ちなみに南峰と北峰の間には火口湖の正賀池があり、その北側には池の水面よりも深く抉れた爆裂火口があります。
一方、大正池は標高1500メートルの上高地にあり、噴火前の森林が年間を通じて気温が低いため腐敗せずに立ったまま残った枯れ木が深い蒼色の湖面に映り、幻想的な雰囲気を漂わせていました。それでも野僧が行った頃には梓川に流れ込む水が運んでくる岩石で大半が埋もれていて梓川が幅を広げて復活したようになっていました。そのため最近のエコ・ブームに乗って下流に建設された水力発電所の調整池として利用されていることもあり、東京電力が年間10000から30000立方メートルの土砂を浚渫していますが、建設工事での土砂の需要が低下しているのでいつまで維持できるかは不明です。
余談ながら野僧の修学旅行では大正池で穂高連峰をバックにクラスの記念写真を撮ったのですが、別のクラスが撮影中に最後列の男子の肩に手を掛ける悪戯をした奴がいて、「心霊写真」として全クラスが発売停止になってしまいました。上高地では遭難者の死霊が徘徊しているそうなので過去にも似たような例があったのかも知れません。
大正池と穂高連峰大正池と穂高連峰
  1. 2022/06/05(日) 16:04:38|
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