2017年の明日6月19日に北朝鮮で事実誤認=虚構の罪状によって労働教化15年の判決を受け、服役中に昏睡状態に陥って帰国したオットー・フレデリック・ワームビアさんが入院していたオハイオ州の病院で死亡しました。22歳でした。
ワームビアさんは1994年にオハイオ州シンシナティーでドイツからの移民家系の父とユダヤ人の母の間の3人兄弟妹の長男として生れました。2013年に高校を卒業式でスピーチを述べる生徒代表を務める優秀な成績で卒業し、バージニア大学に進学して商学と経済学を専攻していました。
そんな前途有望な青年が2016年になる冬休みに中国の観光ツアー会社の新年の祝賀花火などが売り物の北朝鮮での年越しツアーに参加して2016年1月2日の出国時に「宿泊していた国際ホテルの政治宣伝のポスターを盗もうとした」と言う容疑で逮捕されたのです。告発事由は「オハイオ州ワイオミングにあるキリスト教の友情連合メソジスト教会の指示を受けて1万ドルを受け取り、政治宣伝のポルターを持ち帰ろうとした」と言うものでワームビアさんがユダヤ教徒であることを知らない事実誤認以前の虚構であることは明らかでした。しかし、2月29日になって本人が記者会見して「私は人間であり、人生で最悪の過ちを犯してしまった」と敵対行為を認め、国家陰謀転覆罪の容疑で3月16日に最高裁判所が労働教化15年の判決を下して服役したのです。これに対してアメリカのユダヤ教団は北朝鮮を刺激しないことを優先し、オバマ政権(=バイデン副大統領)も同調したのでワームビアさんは放置されることになりました。
ところが2017年1月20日に就任した西洋花札(とらんぷ)政権はこの問題が根強い人気を持つオバマ政権への批判に利用できると気づき、6月に入って国務省の担当者が国連本部で北朝鮮の国連大使に接触すると「昏睡状態に陥っている」と漏らされため6月12日に医療団を派遣して意識がない状態のワームビアさんを連れ帰ったのです。
ワームビアさんの病状について付き添っていた家族は「激しく痙攣して人間ではないような唸り声を上げていた。髪の毛は剃ってあり、目が見えず耳は聞こえない状態で、腕と脚は完全に変形して足には大きな傷があり、ペンチで歯並びを変えたようだった。これは事故ではない」と証言していて、診断したアメリカの医師は「脳の大部分の細胞が損傷している。心拍停止によって脳に酸素が贈られなくなった時の典型的な症状だ」との所見を述べ、北朝鮮が主張する「ポツリヌス菌の感染による全身の神経麻痺」は否定して「拷問と頭部への殴打が原因」と推定しています。
それでも北朝鮮は「生命兆候が正常だったワームビアが帰国して1週間で急死したのは謎」と虚言を弄したのですが、それ以上に謎なのは北朝鮮の極悪非道な実態を目の当たりにしたはずの西洋花札大統領がわずか1年後にそれを指揮した国王と会談して意気投合すると対北朝鮮強硬派のレックス・ティラーソン国務長官を解任し、ジェームズ・マティス国防長官も辞任に追い込んでまで商談を進めようとしたことです。国家としての正義よりも商売第一の政治姿勢では国民に1期で落選させられても仕方ありません。
- 2022/06/18(土) 14:47:16|
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