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古志山人閑話

野僧は佛道の傍らに置き忘れられた石(意志)佛です。苔むし朽ち果て、忘れ去られて消え逝くのを待っていますが、吹く風が身を切る声、雨だれが禿頭を叩く音が独り言に聞こえたなら・・・。

実はシャチの方がホオジロザメよりも圧倒的に強かった。

2017年の4ヶ月間に南アフリカのケープタウン付近の海岸に5匹のホオジロザメの遺骸が打ち上げられる事例があり、最近になって研究者が「全てシャチによる捕食だった」とする報告書をまとめたそうです。
ホオジロザメと言うと野僧の世代では1975年公開の動物パニック映画の金字塔「JAWS=ジョウズ」を連想してしまいますが、映画ではなくても愛知県の渥美半島の先端付近の太平洋でもアワビの潜水漁をやっていた男性が下半身を喰い千切られた遺骸となって発見され、「巨大なホオジロザメに襲われた」と断定される事例がありました。
一方、シャチの方はJAWSの大ヒットを受けて危険な動物は総出演状態になっていた動物パニック映画の1つで1977年公開の「ORCA=オルカ」になります。
しかし、JAWSがアメリカ映画最大の巨匠・スティーブン・スピルバーグ監督の作品だけに海面と海中、陸と海の場面に切り替えや人間たちの不安や驚愕、焦燥や期待などの心理を描くことで一切の感情を持たないホオジロザメへの恐怖を際立たせていたのに比べるとORCAはアメリカとイタリアの共同制作で「80日間世界一周」や「さらばベルリンの灯」などの古典に属するイギリス映画の巨匠・マイケル・アンダーソン監督の作品だけに演出が古臭く、しかもハリウッドの富裕層に反捕鯨団体・グリーンピースの支援者が多く鯨類のシャチをホオジロザメと同じように徹底的な悪者にして恐怖と共に憎悪を湧き立たせることはできず、漁師が誤って身籠っていた雌のシャチ(映画の設定では妻子)を殺したため雄のシャチが復讐として他の漁師たちを襲うようになり、漁師は罪の意識を感じながらもシャチと対決しなければならなくなったと言う感情移入過剰の作品でした。
当然、シャチに対しては恐怖よりも同情が先に立ち、それが実際の兇暴性や危険性などの対比に重なったのかも知れません。確かにホオジロザメは体形から体色、目つきや口の位置と形まで恐怖以外に与える印象がないのに比べてシャチの胴体はクジラと言うよりもイルカのように丸くスマートで黒一色ではなく顎の下と目の横が白くなっているので(逆パンダ?)、愛すべき鯨類と思い込んでしまっている者が少なくないことは鴨川シーワールドと名古屋港水族館のシャチの曲芸が絶大な人気を集めていることでも明らかです。
実際の両者はホオジロザメが平均的体長4から4.8メートル、体重680から1100キロ(捕獲された最大の個体は体長6メートル、体重1900キログラム)、泳ぐ速度23から35キロなのに対してシャチは体長が雄5.8から6.7メートル、雌4.9から5.8メートル。体重は雄3630から5500キログラム、雌1350から3630キログラムと格段の体格差があり、泳ぐ速度も50キロと圧倒的な海の帝王なのです。しかもホオジロザメも学習能力が高い(成功した攻撃手法を常用し、危険な経験を回避する)と言われていますが所詮は魚類と哺乳類なので知能は比較対象外のようです。
発見された5頭のホオジロザメは全て栄養価が高い肝臓だけを食べられていて、今回の報告書ではこの事例以降、周辺海域からホオジロザメが姿を消したのは恐怖心に駆られて=動物パニックで集団逃亡した可能性も指摘しているようです。
SusanBacklinie.jpgJAWSの最初の犠牲者
  1. 2022/07/07(木) 13:28:42|
  2. 常々臭ッ(つねづねくさッ)
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