暗殺犯が動機として「母親がある宗教団体に入信して多額の寄付で家庭が破産した」と供述しているとマスコミが報じていた「ある宗教団体」=世界平和統一家庭連合(旧・統一教会の注釈つき)の会長が弁明の記者会見を開きましたが、実は統一教会と岸信介元首相から安倍晋太郎元外務大臣、安倍晋三元首相には3代続く悪因縁があるようです。
野僧は沖縄時代、徹底的に反米反日親ソ親中に偏向した地元2大紙を嫌い、午後3時過ぎの配達になる上に割高な本土からの輸入紙を購読していましたが、本土の記事を沖縄で印刷するため安価で昼休みには届く「世界日報」と言う新聞に変更しました。「世界日報」の論調はそれまで購読していた産経新聞以上に保守的でしたが、何故か安倍晋太郎議員をニュー・リーダーの筆頭=次期総理最有力候補として度々取り上げ、義父・岸信介元首相についても他の新聞では絶対に考えられないほど極めて肯定的に紹介していました。ところが世界日報沖縄支社主催の講演会に参加すると那覇市内の国際通りで布教活動している統一教会の若者たちが裏方として働いていて顔見知りの女子を問い詰めると世界日報は統一教会が発行していることを告白したのです。
そうなると悪癖の探究心がうずき始め、統一教会のオゾマシイ実態と互いに政治利用した岸信介元首相との関係が判ってきました。統一教会は教組の文鮮明(ムン・ソンミョン)が若い頃に入信した教団の「淫慾によって現世の苦しみから脱却する」と言う教義をキリスト教に持ち込み、「自分こそイエスが甦ったカミの子であり、天地一切を創造したカミと同等の存在である」「人類が等しく生まれながらに課されている原罪はカミの子である文鮮明と肉体関係を持つことで淨められる。女性はそれを願って純潔を守り、身を整え、順番を待たなければならない。男性は教祖に選ばれることで代理者となり、教祖が引き合わせた女性と結婚し、教祖に代わって守り、愛していかなければならない」と主張する「世界基督(キリスト)教統一神霊協会」を1954年に韓国で創立させたのです。しかし、他のキリスト教団から異端と否定され、儒教的貞操観念に背くことから韓国国内では信者を獲得できないと1959年に日本でも世界基督教統一神霊協会を設立したのです。そして60年安保闘争で動揺していた全国各地の大学を布教の場に選び、聖書の研究と社会奉仕を活動の中心とするボランティアのサークルとして学生を勧誘し始めました。このサークルには過激な反政府運動には同調できず、共産主義に疑問を感じながらも社会奉仕には関心を抱いていた生真面目な女学生が多数参加するようになり、学生運動の激化を抑えるためにすがる藁を探していた岸信介首相が目を着けたのです。そうして1964年に宗教法人としての認可を受けると1968年に「国際勝共連合」を設立し、「反共産主義」の旗印を使って韓国の軍事政権を始め日本やアメリカの保守政治屋に取り入り、日米韓の外交にも暗躍するようになったのです。その一方で当時としては高学歴の大卒の日本人たちに強制した巨額の上納金(教団の収入の9割に達していた)を手土産に北朝鮮を訪問するなどの背信行為が明らかになっていますが、安倍元首相としては崇拝する祖父の経歴に傷をつけることはできず形式的でも関係を維持せざるを得なかったのでしょう。
- 2022/07/13(水) 15:02:02|
- 時事阿呆談
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