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古志山人閑話

野僧は佛道の傍らに置き忘れられた石(意志)佛です。苔むし朽ち果て、忘れ去られて消え逝くのを待っていますが、吹く風が身を切る声、雨だれが禿頭を叩く音が独り言に聞こえたなら・・・。

続・振り向けばイエスタディ196

「貴方、北朝鮮が日本に対して犯した暴挙を韓民族の1人として謝ります」ニューヨークでは中国と韓国の対日武力行使に北朝鮮も加わったことに岡倉の妻・知愛が苦悩していた。敬虔なカソリック教徒の家庭に育った知愛は大韓航空機爆破事件の犯人の金賢姫が口に猿ぐつわを噛まされ、両腕を男性の警察官に固められて引き摺られるように連行されてきた姿を見て、人間の精神性を認めない北朝鮮から韓国を守るため陸軍を志願した。その後、雑誌記者として駐屯地の取材に訪れた岡倉と肉体関係を持つことになり未婚で聖也を産んだが、その頃になると韓国は経済の中国依存が強まり、南北融和=臣従隷属を掲げる金大中と盧武鉉政権によって民族統一が国是になった。軍内でも朝鮮戦争の再発を前提にアメリカ軍との連携強化を推進する常識的な高級幹部は排除され、民族主義者として南北融和を提唱していた異端的士官たちが急激な出世を遂げた。しかもマスコミが南北融和を扇動していたため北朝鮮を敵視する軍幹部の排除は国民の支持を集め、士官候補生の選抜試験の面接で北朝鮮への認識を訊かれて「同胞です」と答えなければ合格できない事態に至っていた。
「韓国軍は(反米反日親中を公然化させていた)前政権で陸海空軍のトップが交代で国防部長官になったくらい反米反日で固まっている。だから親米に転換した現政権になっても陸軍は地対地ミサイルで対馬のレーダー・サイトを破壊した」「あれも演習上の事故だって説明していたな。今回の伏線だったのかも知れないぞ」「そんな組織の士官だったことが申し訳なくて・・・ごめんなさい」知愛は中学生になった聖也が自室で勉強を始め、岡倉とリビングのテーブルの席でテレビを見ながらの雑談の中で真顔で詫びた。
「何を言っているんだ。お前は日本人の俺の妻、島村知愛なんだろう。韓国軍の変節と北朝鮮の参戦に怒るだけで十分だよ」知愛の謝罪に岡倉は苦笑を返しながら軽く受け流した。テレビのニュースは国際連合安全保障理事会でアメリカ大使が若狭湾の原子力発電所の破壊は北朝鮮の弾道ミサイルによる事実上の核攻撃であると明言し、精密な誘導装置は中国化ロシアが供与した可能性を排除できないと指摘した話題に長時間を割いている。この発言がニュースで流れるとニューヨークのチャイナタウンでは若者たちが路上を占拠したが無届のデモとして警察に排除された。一方、サンフランシスコでは中国系と半島系移民を支持基盤にする市長が警察に出動命令を下さないため州知事が州兵の出動を示唆し、それが伝わるとデモ隊は自主的に解散した。ところがチャイナタウンに隣接する商店街では拳銃を持った店主たちが歩道に姿を見せ、遅れて出動した警察と揉め事を起こしたと報じていた。
「中国はアメリカ社会を甘く見過ぎているよな。中国には損得以外の価値観はないから取り敢えず飢えない生活を保障してくれる共産党政権が支持されているが、アメリカには正義って言う別の価値観があることが理解できない。自由主義経済の盲点を利用して国家予算で企業を買収して合法的に社会を乗っ取ったつもりでも、それが悪意に基づく政治目的だと気づけばアメリカ人は許さない。アメリカにとっては正義を失うことが国家の破滅なんだ」「それに韓民族は心中するのね」ここで知愛が熱い日本茶を淹れて勧めた。酒は寝る前だ。
「聖也の中学校でも相変わらず中国系と半島系の生徒が日本人の生徒に嫌がらせをしてるんだけど、最近はアフリカ系や中東系の生徒が代わりに苛め返してくれるんだって」「国際会議ではアフリカの政府は中国の言いなりだけど国民は違うんだな」「中国が敵味方に関係なく武器を与えて軍事訓練したから民族紛争が内戦になってしまった。自分たちが母国に住めなくなったのは中国のせいだ。北朝鮮は軍事顧問として残酷な戦い方を指導したから同罪だって」知愛の説明に岡倉はニューヨークやワシントンのデモ隊に潜入していても最近は中国系の主催者は日本への批判の扇動を控えるようになっていて、それが不満な半島系の参加者が過激な主張を叫んでいることに重ね合わせた。
「聖也は大丈夫なんだな」「はい、聖也は貴方が柔道を始めさせてくれたおかげで掴みかかれたらその場で投げ飛ばしてしまうみたい。あれが跆拳道や空手だったら殴られた、蹴られたで本格的な喧嘩になってしまうけど身体を倒されるとそこで終わりなのね」岡倉は聖也が小学校の中学年になった頃、ニューヨーク市内に本格的な道場がある柔道を始めさせた。岡倉自身は大学時代にプロレス同行会でタイガー・ジェット・シンイチローのリングネームで活躍して以来、プロレス式(プロレス=プロレスリングは日本の造語)の筋力トレーニングを続けていて海外の任務では知り合ったゲリラ相手にプロレスの技を練習している。それでも聖也にはインテリ学生だった嘉納治五郎が日本古来の柔術の技法を体験的に分析、取捨選択して理論化した柔道を勧めた。何よりも柔道は危険な技を排除してあり、相手に怪我をさせる危険性が低いのも安心だ。一般人にとっての強さは身を守られれば十分なのだ。
は・李英愛イメージ画像
  1. 2022/07/25(月) 14:42:34|
  2. 夜の連続小説9
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