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古志山人閑話

野僧は佛道の傍らに置き忘れられた石(意志)佛です。苔むし朽ち果て、忘れ去られて消え逝くのを待っていますが、吹く風が身を切る声、雨だれが禿頭を叩く音が独り言に聞こえたなら・・・。

歌手・オリビア・ニュートンジョンさんの逝去を悼む。

8月8日に野僧の世代の男子なら大半は憧れたことがあるだろう歌手のオリビア・ニュートンジョンさんが亡くなったそうです。73歳でした。
オリビアさんが日本で人気を集め始めた頃、野僧は文化の絶海の孤島だった愛知県のド田舎の中学生だったため「すごく綺麗な外人の歌手がいる」と評判になって雑誌などでオリビアさんの写真を見つけた同級生が教室に持ち込んで恩着せがましく回し読みさせる程度で、「ニュートンジョンと言うくらいだからニュートンの子孫に違いない」などと全く当たっていない推理を言い合っていました。実際にオリビアさんの母方の祖父はアインシュタイン博士の友人のユダヤ系ドイツ人の物理学者で1954年にはノーベル賞を受賞しています。また父親はケンブリッジ大学のドイツ語教授でオーストラリアの大学に転任したためオリビアさんはイギリス生まれのオートラリア育ちになりました。
この頃の日本では我々ド田舎の中学生だけでなく社会全体がオリビアさんの美貌だけには注目していたようで昭和51(1976)年に初来日した時の記者会見では美貌に関する質問しか出なかったため「私は歌手ですよ」と嫌味を口にしたそうです。
蒲郡の高校でもオリビアさんの人気は高水準を維持していて、ませた分だけ「オリビアならハッシーとニュートンジョンのどっちが良いか=どっちを抱いてみたいか(グラマー派とスリム派)」で真面目な論争になり、2年生の夏休みに公開された映画「グリース」では肩なしキャミソールの見事な肢体を披露したため2学期には「抱いてみたい」願望=欲望が炎上していました。それにしても「グリース」では我々と同じ高校生の役柄でしたがオリビアさんは1948年生まれなので当時30歳でした(共演のジョン・トラボルタさんは24歳)。その後、冷静になったのか「本人は無理でも外国人=で金髪の女を抱く」が共通の目標になりましたが、達成したのは野僧だけかも知れません(しかも3人)。
また文化祭でピアノを弾きながらオリビアさんのヒット曲「そよ風の誘惑」を見事な英語で披露した女子生徒が「原題は『まだ老いぼれている時じゃない』よ」と言い出して英語の授業で歌詞を翻訳することになりました。すると女子生徒が言うとおり中年女性への叱咤激励のような内容で30歳過ぎ独身の女性教師=ナッちゃんの主題歌になってしまいました。要するに邦題は曲のイメージだけで命名したのでしょう。
そうして航空自衛隊に入隊すると教育隊の脳を筋肉化する生活に合わせるように曲調がアップ・テンポになった「フィジカル(身体を鍛えろ)」が流行して常に各居室から聞こえていましたが、野僧には「ボディー・トーク」の部分が「バリ島(バリトー)」に聞こえて意味が理解できませんでした。野僧が英会話能力を磨いたのは沖縄に赴任して航空会社の受付カウンター勤務だった亡き妻と洋画通いを始めてからで、歌詞の意味が理解できたのもカラオケで唄わせてからです。
(当時は)英語を学び始めたばかりだった中学生に外国人女性の魅力を教え=英語の学習意欲を高揚させ、高校生には願望=人生目標を与えてくれたオリビア・ニュートンジョンさんに感謝と共に冥福を祈ります。
Olivia NewtonJohn遺影
  1. 2022/08/13(土) 14:58:38|
  2. 追悼・告別・永訣文
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