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古志山人閑話

野僧は佛道の傍らに置き忘れられた石(意志)佛です。苔むし朽ち果て、忘れ去られて消え逝くのを待っていますが、吹く風が身を切る声、雨だれが禿頭を叩く音が独り言に聞こえたなら・・・。

8月26日・アフガニスタンで日本人拉致事件が発生した。

2008年の明日8月26日にアフガニスタンで医療活動のために入国しながら住民の生活を改善するための井戸の掘削や感慨工事などにも取り組んでいた中村哲医師のペシャワール会に参加して現地で活動していた伊藤和也さん・31歳が拉致・殺害されました。
(第2次安倍政権になるまでの)日本にはアメリカを通した国際情報しか入ってこなかったのでアフガニスタンについてもイスラム教を絶対悪とするキリスト教側の偏見に与していましたが、実際は軍需産業の利益代表とキリスト教過激派が実権を握る2代目ブッシュ政権が続発する旅客機の爆破テロの犯人を状況証拠だけでイスラム過激派のアルカイーダの犯行と断定してアフガニスタンをイスラム原理主義で統治していたタリバーンに引き渡しを要求し、それを拒否したことを口実にして2001年にキリスト教国を主力とする多国籍軍で侵攻したのです。
この時、2代目ブッシュ政権はアフガニスタン北部=ロシアとの国境地帯を支配するロシア正教徒の少数部族に最新式の武器を大量に与え、多国籍軍が航空機による空爆で拠点を破壊し、機銃掃射で地上部隊や兵士を壊滅した後に攻撃・占領させることでタリバーンを放逐し、アメリカの傀儡政権を成立させました。したがってパキスタンでハンセン病の治療と予防に当たっていた中村医師が2000年の大旱魃を切っ掛けにして本格的にアフガニスタンで活動にするようになったのは傀儡政権が全土を支配してからでした。
しかし、アフガニスタンの女性用衣装のプルカは全身どころか目の部分をベールにして顔まで隠す徹底したもので、これほど敬虔な信仰を持つ民族が占領軍としてアメリカが撒き散らすキリスト教式の男女平等と自由奔放、快楽主義を喜ぶはずがなく、傀儡政権成立直後からタリバーンの復活を待望する声が急速に広まり、それを利用してシリアから逃亡したイスラミック・ステーツやイランからのイスラム暴徒が侵入してタリバーンを名乗るようになりました。
この事件で伊藤さんは現地時間の早朝6時30分頃にアフガニスタン東部の活動地域を現地人の協力者と車両で移動中にタリバーンに拉致されたことになっていますが、イスラム原理主義組織のタリバーンがイスラムの戒律に背く金銭目的の拉致を犯すはずがなくあくまでも自称・タリバーンでしょう。そして現地人の協力者は自力で逃亡したものの伊藤さんは逃亡に連行され、それを目撃した村民が逃走を阻止ながら警察に通報して駆けつけた武装警察隊と銃撃戦になり、戦闘中に伊藤さんは「足手まといになる」「顔を目撃している」と射殺されました。
その後、タリバーンの広報官は「この非政府組織=ペシャワール会が住民の役に立っていることは知っている。しかし、住民に西洋文化を植え付けようとする工作員だ」と傀儡政権の協力者であることが事件の原因であることを明言し(マスコミ報道では「拉致を認めた」とされているが通訳の身元が明らかになっておらず翻訳の適否・真偽は不明)、これが2019年12月4日に中村医師が殺害される理由になりました。
当時の外務省としてはアメリカが建てて支援している傀儡政権を否定することはできなかったのでしょうが「在外邦人の安全を確保する」と言う責任において禍根を残しました。
  1. 2022/08/25(木) 14:02:02|
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