反応がないので好評なのかは不明ですが、今回も生臭物=動物性蛋白質=動物・鳥類・魚類の死肉を食べることができない修行僧たち(浄土真宗を除く)が欝憤晴らしと悪戯心で考案・工夫したもどき料理の第二弾として「刺身もどき」です。
ただし、野僧は「刺身もどき」を臨済宗と曹洞宗の各一ヶ寺でしか習っていないので経験不十分、解説はうろ覚えです。尤も、刺身もどき自体が前回の鰻もどきほど普及しておらず、典座=料理番の修行僧が何かの機会に知って個人的な好奇心と悪戯心で工夫して試行錯誤しただけの裏料理のようです。したがって材料の粉寒天も胡麻豆腐を作る時の葛粉と比較した結果、粉っぽい葛粉よりも寒天の方が赤身の鮪の刺身の食感に近いと言うことで採用しただけで寺院の伝承がある訳ではありません。また粉寒天を溶く水を小豆の茹で汁にするのは鮪の刺身の赤身の色に近くなるためで、塩などの風味を加えるのは研究者が醤油を漬けずに刺身を舐めて感じた味を再現しようとしただけです(要するに本物の刺身を食べている)。
余談ながら臨済宗の研究者は油味を加えてトロにしようとバターやマーガリンを混ぜてみたそうですが上手く固まらず失敗したそうです。
材料
粉寒天・600グラム(5等分する)
小豆・適量(あくまでも水に色を着けるためなので使用後は適当に)
小豆の茹で汁・粉寒天の梱包などの調理方法欄に記載されている水の量
塩・適量
干し昆布・好みで(あくまでも海の風味を加えるため)
大根・皿に添えるツマにする。
刺身醤油・適量
練り山葵・適量
作り方
1、鍋で小豆を干し昆布と一緒に茹でる。干し昆布を入れずに塩でも可。
2、赤い汁ができれば使用量を5等分して別容器に取る。
3、鍋に茹で5等分した汁と粉寒天を入れて中火で加熱し、かき混ぜながら沸騰させる。
4、沸騰のまま中火で2分ほど加熱して煮溶けさせる。
5、熱いうちに型に注ぎ込んで適度に冷ますことを5回繰り返して、層ができるようにする(赤身の刺身の筋の風合いを出すため)。
6、ある程度冷ましてから冷蔵庫に入れて30分ほど冷やす。
7、大根を薄く剥き、千切りにしてツマにする。
8、寒天が固まったら型から出して刺身状に切ってツマを添えた皿に盛る。
9、刺身醤油と練り山葵をつけて食べる。
10、味と食感を確認して次回で工夫する。

(上出来な)刺身もどき
- 2022/11/01(火) 15:18:24|
- 月刊「宗教」講座
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