「こんな高級品を扱ってると安里梢を思い出してしまうな」谷茶は日本人の男性から始まった事情聴取に通訳として立ち会う以外は小森希恵と同じ小部屋の空いているベッドで過ごし、目を覚ますと媚薬を与える生活を送っている。その度に人格が崩壊していく小森希恵を見ているとかつて結婚した安里梢を思い出した。兵員食堂で向かい合って話した正気だった時の小森希恵は沖縄の旅行社の同期だった元妻に共通した知性と気品、凛とした雰囲気があった。
「アイツは優等生がそのまま就職したような堅物だったんだよな」谷茶は高校の英語の成績が良く、面接で見せた人懐こい笑顔が好印象を与えたため卒業後は県下最大手の旅行社に添乗員として就職することができた。そこで同期入社した安里梢に出会ったのだ。教師夫婦の娘の安里梢は生真面目過ぎたので上司が接客業のイロハを教えていた。そうなると新入社員の谷茶は接触できず挨拶のついでに入社同期として雑談を交す程度だった。それでも秘かに清純そのものの安里梢を犯し、弄ぶ妄想を抱くようになり、意外に豊かな乳房が露出する夏制服の写真を隠し撮りして自慰行為に耽っていた。安里梢の幼い美貌は美味しいオカズだった。
「そうしたらイキナリ綺麗になりやがって」そんな安里梢が唐突に朗らかな笑顔を見せるようになり、男性社員の間では「男とつき合い始めた」との分析が交わされるようになった。その後、街で明らかに本土の、どう見ても自衛官の男と歩いている姿を目撃した男性社員の話を聞いた嫉妬心が妄想を更に燃え立たせた。この頃になると社員名簿で住所を調べた安里梢のアパートに隙があれば押し入って強姦する計画まで立てていた。
「それで初体験しやがったんだよな」大型連休が終わって交代で休暇を取った後、安里梢は女の色香を発するようになり、「初体験したに違いない」と男性社員たちは推理していた。谷茶としては日活ロマンポルノ風に泣き叫び、暴れる安里梢を押さえつけて「純潔を奪う」楽しみを失って落胆したが、男に抱かれている痴態を想像して妄想をリアルにしていた。安里梢のアパートに近いビルの非常階段から窓を覗いたこともあったがカーテンを閉めていた。
そんな暗い生活が2年続いた頃、安里梢が「男と別れた」「捨てられた」と言う噂が流れ、それに合わせるように観光シーズンの打ち上げ会が催された。これまで谷茶は安里梢を犯すための研究に励んできて、添乗員として赴いた海外で麻酔薬や睡眠薬などを買い揃えていた。その中の少量でも効果が大きい液状の睡眠薬を使うことにした。
「安里さん、珍しく飲み過ぎだぞ。これで少しは楽になるよ」宴席で安里梢は噂を知った男性社員たちに酒を飲まされて職場の席に1人で座っていた。すると谷茶は男性陣が引き揚げるのを待って営業用の人懐こい笑顔を見せながらコップに注いできた酔い覚ましの水を勧めた。普段は宴席でも酒を口にしない安里梢がこの日は勧められるまま飲んでいるのを見ていた谷茶は手際よく睡眠薬を入れたミネラルウォーターを用意したのだ。
「有り難う。飲み過ぎちゃったわ」「同期じゃあないか。酒に酔って哀しみを忘れろって言っても無理な場合もあるよね」「うん、そうよね」谷茶は安里梢が冷えた水を美味しそうに飲むのを冷ややかに見ていた。それでも笑顔は維持したままだった。
「安里さん、気分が悪いみたいだから送っていきます」「やはり傷心なところに酒はいけなかったみたいだな」谷茶は意識が朦朧としている安里梢を立ち上がらせて腕を肩にかけると席に戻ってきた男性社員に声をかけた。やはり同じ職場の男性社員たちも心配していたようだ。2人の身長は同じ位なのでこの態勢に無理はない。そのまま会場から運び出した。
「これが安里梢の胸か・・・」安里梢をアパートに運び込んでシングル・ベッドに寝かすと谷茶は馬乗りになって服を脱がした。ジャケットのボタンを外して前を開き、ブラウスのボタンも外すと上半身を抱え起こして2枚一緒に脱がした。脱がした服はベッドの下に投げた。すると胸の下着が露わになった。谷茶は夏服になると安里梢の背後に回り、背中の下着の留め金を見て興奮していた。それが今、目の前で乳房を覆って存在している。谷茶は寝かせたまま手を差し入れると片手で留め金を外し、匂いを嗅いでからベッドの下に投げ捨てた。
「先ずは写真を撮っておかないとな」続いてスカート、ストッキング、下着を脱がして全裸に剥くと下着を頭に被った谷茶はズボンのポケットから小型カメラを取り出した。宴会場で撮影した写真のフィルムは抜いて新たな専用フィルムを装填してある。谷茶は現像とプリントの器材を持っているのでは犯罪的な場面でも自分で写真にできるのだ。
谷茶は安里梢の全身から顔、乳房、乳首、陰毛、脚を広げた性器までフィルム数本分を撮影した。そして乳房を揉み、乳首を噛み、全身を舐め回し、性器を念入りに舌で愛撫した後、男根を挿入して中に射精した。挿入している部位も撮影することを忘れなかった。しかし、これだけの凌辱を加えても安里梢が意識を取り戻すことはなく人形を抱いているようなものだった。
- 2022/11/04(金) 15:51:52|
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