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古志山人閑話

野僧は佛道の傍らに置き忘れられた石(意志)佛です。苔むし朽ち果て、忘れ去られて消え逝くのを待っていますが、吹く風が身を切る声、雨だれが禿頭を叩く音が独り言に聞こえたなら・・・。

1月2日・円谷プロ特撮シリーズ「ウルトラQ」の放送が始まった。

昭和41(1966)年の1月2日にTBSで後のウルトラ・シリーズに続く円谷プロダクションの特撮ドラマの第1作「ウルトラQ」の放送が始まりました。放送期間は夏休み目前の7月3日までの半年間でした。
この頃、野僧は春から小学校に入る年でしたが1月2日は父の実家に強制連行されていて従兄弟たちと一緒に第1話「ゴメスを倒せ」を見ました。ただし、その頃は「ウルトラQ」と言われても2年前の東京オリンピックで体操競技の超難度の技を「ウルトラC」と呼んでいたのを知っていた程度で漢字と片仮名混じりの新聞のテレビ欄を読めるはずもなく内容は想像できませんでした。
すると後にウルトラマンで科学特捜隊に入隊してフジ隊員になる毎日新報の江戸川由利子記者=桜井浩子さんとウルトラセブンで地球防衛軍のタケナカ参謀になる民間の航空会社のセスナ機のパイロットの万城目淳=佐原健二さん、ついでに見習いパイロットの戸川一平くん=西條康彦さん、おまけに考古学マニアの少年・ジローくん=村岡順二くん、さらに住職の森野五郎さん=実写版・鉄腕アトムのお茶の水博士が絡みながらゴジラの後頭部に1本の尖った角が生えたゴメスが登場する怪獣ドラマでした。
とは言え映画館で見るゴジラやガメラは市街地を破壊し、火を吹いて焼き尽くす場面が見せ場でしたが、ウルトラQではゴメスと古代鳥・ヒドラの対決も東海弾道道路=東名高速道路のトンネルの入り口を壊すだけ、第2作の「五郎とゴロ―」の大猿・ゴローや第3話の「宇宙からの贈りもの」のナメゴンにしても暴れるのは主に郊外で(ゴローは市街地に踏み込んだが建物の模型は壊さなかった)、第4話の「マンモスフラワー」のジュランはビルの屋上に生えているだけなので予算は最小限ですんだようです。ちなみにウルトラマンが3分間でカラータイマーが点滅を始めるのも高い経費がかかる模型を壊す特撮場面の予算を節減するための苦肉の策だったそうです。
その後、「ウルトラQ」は子供の人気を集める巨大生物シリーズと大人好みの特撮による怪奇現象シリーズに分かれ、前者は昭和41(1966)年7月17日から翌年4月9日までのウルトラマン、後者は昭和43(1968)年9月15日から翌年3月9日までの「怪奇大作戦」に発展しましたが、ウルトラQでは前述の女性新聞記者と民間のセスナ機のパイロットが科学者の指導を仰ぎながら立ち向かうのでは迫力不足で、次第に警察や自衛隊を登場させなければならなくなり、TBSではドラマの製作サイドと反自衛隊を標榜する報道部で確執が生じたようです。そのため次のウルトラマンでは科学特捜隊は警察組織のため怪獣との戦闘シーンに自衛隊が登場する場面があったものの次のキャプテン・ウルトラの次のウルトラセブンでは地球防衛軍を設置して地球人と宇宙人の戦闘に変更して自衛隊の出番は消滅させました。ちなみにフジテレビが昭和42(1967)年から半年間放送した怪獣王子ではレンジャー部隊が準主役で登場しています。
何にしても白黒の画面と石坂浩二さんのナレーション、独特の主題曲の効果的な流し方が迫力を生み、今DVDを見ても息を呑んでしまいます。
  1. 2023/01/03(火) 14:11:24|
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