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古志山人閑話

野僧は佛道の傍らに置き忘れられた石(意志)佛です。苔むし朽ち果て、忘れ去られて消え逝くのを待っていますが、吹く風が身を切る声、雨だれが禿頭を叩く音が独り言に聞こえたなら・・・。

共産党中国は人口が減少して首位から転落した。

共産党中国の国家統計局が2022年末の人口が前年に比べて85万人減って14億1175万人になり、推定14億1200万人のインドに世界最大の人口大国の座を譲ることになりました。日本の都道府県別人口としては約81万人の佐賀県以下の山梨県・福井県・徳島県・高知県・島根県・鳥取県が1年で消滅したことになります。
共産党中国の人口減少は同志・毛沢東の大躍進政策の失敗によって3635万人の餓死者を出して以来、61年ぶりで1979年から2014年まで実施された一人っ子政策の結果のようです。中国人の友人によれば一人っ子当時の中国では2人目を儲けた家庭には給与の減額や各種徴収金が割り当てなど(当時の共産党中国は基本的に同一賃金・無税だった)の生活を維持することが困難になる苛酷な仕打ちが加えられ、男性が複数の女性に産ませても同様の処置を受けたそうです。そのため友人は「どうしても妻に2人目を生ませたい」と日本への移住を真剣に考えていましたが、2014年に解除されてからは世代が変わったのか当局が予測=期待したほどの人口の増加は見られず、むしろ少子化が進んでここに来て減少に転じたようです。
日本でも同様に人口減少が政治問題にまで発展していますが、それは独自の社会保障制度、中でも年金は若年層が高齢者を支える構造になっているためピラミッド型の年齢構成でなければ1人当たり負担が大きくなり、企業だけでなく個人商店でも定年退職制度(個人商店では経営者の交代)があるため職場や社会での世代交代が必要不可欠になっているからです。一方、共産党中国では人口の減少は労働力の低下に直結し、全人民が国家公務員のマルクス主義では社会保障も国家が全面負担するため収入源は福祉の縮小で対処せざるを得ず、そうなれば西側社会に憧れを抱く若年層が不満を募らせるのは当然で共産党指導部は日本以上に切迫した危機感を抱いているはずです。
その一方で日本では「1人の方が気楽でよい」と言う結婚願望を持たない結婚適齢期の男女が激増し、結婚していても「今の収入では子供に自分のような教育は受けさせられない」「保育所に預けられなければ仕事が継続できない」などと子供を儲けない夫婦が一般化していますが、中国の都市部では「自分の収入を好き勝手に金を使って楽しむ権利がある」と公言してはばからない高収入の男女が横行していて、こちらも出産以前に結婚もしそうにありません。
それにしてもいつから結婚や出産・育児に数的基準を設け、その計算で結婚や育児は不可能と断定し、実際に踏み切らない軽率な人生観が常識化したのでしょうか。野僧たち昭和世代は「一緒に人生を送りたい」「同じ空間で暮らしたい」「毎晩でも抱きたい」と思えば結婚し、それで喰うに困れば2人で我慢するだけでした(野僧はそんな相手を親に引き裂かれた)。結婚すれば「親から受け継いだ生命・血統を引き継ぐ責任」を果たすため夫婦の営みに励み、生まれれば親は飢えても食物を子に与えてで育てはずです。中国では一人っ子政策で男子による家の相続制度が消滅したことが原因と言われていますが、日中が共に経験したバブル景気の狂気が人間の「情」を崩壊させたのかも知れません。
  1. 2023/01/20(金) 15:46:18|
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