fc2ブログ

古志山人閑話

野僧は佛道の傍らに置き忘れられた石(意志)佛です。苔むし朽ち果て、忘れ去られて消え逝くのを待っていますが、吹く風が身を切る声、雨だれが禿頭を叩く音が独り言に聞こえたなら・・・。

そこまで一体にならなくても?護衛艦と巡視船が連続座礁

新年早々の1月10日の深夜0時10分頃に因島造船所でのアイラン検査を終えて航行試検中だった海上自衛隊の「雨」シリーズ=むらさめ級護衛艦の5番艦・いなづま(6100トン)が昭和18(1943)年6月8日に戦艦・陸奥が謎の爆枕を遂げた周防大島の南方2.5キロを航行中に座礁して緊急停止・投錨しました(戦艦・陸奥は広島県柱島の連合艦隊停泊地ではなく実際は周防大島の東方2.5キロに沈没している)。
ただちに艦内を点検したところ人的被害や浸水はなかったものの日出後に艦尾付近から漏れ出した油が海面に約30平方メートルほど広がっているのを発見して吸着マットで除去すると12時になって第6管区海上保安本部に「強い衝撃を感じた。自力航行できない」と通報しました。潜水員が水面下の艦体の外部を点検すると艦首のソナードームに亀裂と凹みがあり、左右の方向舵のうち右側の舵板がずれていて、左右のスクリューが損傷して特に右スクリューのプロペラの一部が欠損して可変ピッチ・プロペラの作動油が漏れていることが判りました。そこで海上自衛隊はパテで破損個所を塞ぎましたが油を止めることができず、油漏れが止まった1月15日に因島造船所に曳航されて修理を受けています。この間、現場近くの岩礁でいなづまの物と思われる艦底部の塗膜片や削れた跡が発見され、さらに海底から脱落したスクリューの羽根が回収されています。
かつて海上自衛隊と海上保安庁は「鯱(しゃち)と鮫(さめ)の仲」で潜水艦・なだしおの衝突事故の海難審判ではマスコミの批判報道を背景に証言を揉み消してまで海上自衛隊に有責裁定を発し、艦長の刑事裁判でも有罪判決を出させています。その理由としては海上保安庁が非軍事組織として創設され、共産革命勢力である国労に同調する運輸省労組の官僚・役人が指図していたため反自衛隊は信条であり、それに防衛予算を優遇する自民党政権への不満が加わって海難救助でさえ共同訓練を実施することはありませんでした。
ところが九州南西沖工作船事件で前回の能登半島沖工作船事件で海上自衛隊に海上における警備行動が発令されたことを打ち消すように単独で対処しましたが工作船に機関銃を乱射され、携帯式ミサイルまで発射されて能力の限界を自覚したところで中国の原子力潜水艦領海侵犯事件が起きて役割分担を認めざるを得なくなりました。これ以降は尖閣周辺海域などで共同対処していて両者の距離は急接近したと言われています。
それを実践したのか今度は1月18日の午前6時30分頃、新潟県柏崎市の椎谷鼻灯台の北西約1.1キロの海上で第9管区海上保安本部のつがる級巡視船の7番船・えちご(3100トン)が浅瀬に座礁しました。こちらも負傷者はありませんでしたが船底の損傷から浸水し、スクリューのプロペラが欠損しているため自力航行できなくなりました。
原因としてはパトロール中に灯台の消灯を確認するために接近して浅瀬に座礁したと説明していますが、この時期の新潟地域の日の出時間は午前6時50分頃なので消灯を確認するには海上だけに周囲が明るいような気がします。
この2つの事故で心配になるのはバブル期に海上幕僚長が訓示した「能力が劣る隊員が組織の中核になる危機」に海上保安庁も直面しているのではないかと言う余計なお世話です。
  1. 2023/01/26(木) 14:21:16|
  2. 時事阿呆談
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
<<続・振り向けばイエスタディ381 | ホーム | 続・振り向けばイエスタディ380>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://1pen1kyusho3.blog.fc2.com/tb.php/8197-d2272bdd
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)