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古志山人閑話

野僧は佛道の傍らに置き忘れられた石(意志)佛です。苔むし朽ち果て、忘れ去られて消え逝くのを待っていますが、吹く風が身を切る声、雨だれが禿頭を叩く音が独り言に聞こえたなら・・・。

続・振り向けばイエスタディ404

「韓国海兵隊の特殊部隊が潜入した」店長夫婦が殺害された喫茶レストランの現場検証は山口県警の科学捜査班も派遣されて多くの事実を確認した。先ず潜入方法は近海まで漁船などで接近し、そこからは船上で膨張させたゴムボートを使用したようだ。そのゴムボートは専用ビーチのシャワー小屋の中に隠してあり、まだ脱出=逃亡していないことが判った。次に人数は妻の体内から検出された体液で3名と判明し、それは室内に残されていた生活の痕跡でも確認された。そして銃器はゴミ箱に捨ててあった弾薬の空き箱から9ミリNATO拳銃弾を使用する短機関銃と7.62ミリ旧NATO弾を使用する狙撃銃であり、壁や床に残っていた傷から韓国製のK7短機関銃と同じくK14狙撃銃と推定された。つまり店長夫婦の自家用車で下関市内に入り、遠距離から双木外務大臣を狙撃して殺害する。逃亡時は警察との銃撃戦を制して帰りつき、隠しておいたゴムボートで脱出する計画だったらしい。それでも自家用車がなくなっているところを見ると計画は放棄していないようだ。
「和尚は外人部隊で韓国軍出身の兵士を知っているとか」「屯田め、口が軽いな」駐在所の警察官は現場検証を終えて駐在所に戻る前に加光寺に寄って傍樹和尚に話を聞いた。以前、屯田局員から「傍樹和尚はフランス外人部隊で韓国軍出身の兵士と一緒に戦った経験がある」と聞いていたのだ。こうして韓国軍の特殊部隊の潜入が確認され、陸上自衛隊とは別次元の残忍な一般市民の殺害を目の当たりにすると相手の実態を確かめないでいられないのだ。
「韓国軍出身者はどんな兵士でしたか」「血に飢えた狼だな。人を殺すことに躊躇がない。人を殺すだけじゃあない。女も当たり前な顔をして姦りまくる。アフガニスタンやイラクでは保護したはずの女を次から次に犯していた」傍樹和尚の説明に警察官は先ほど見てきた店主の妻の遺骸を思い出してしまった。博多の一流観光ホテルのフロント出身の妻は上品な美人で同世代の警察官も好意まではいかない好感を抱いていた。その妻はおそらく昨晩の閉店後に自宅に侵入した兵士たちに集団暴行を受け続けたようだ。韓国軍は朝鮮戦争で北朝鮮の内応者を捜索する時、疑わしい村の住人を皆殺しにしたが、その前に女性は別の餌食にした。それはベトナム戦争でもフォンティ・フォンニャット村やハム村ほか多くの集落で繰り返され、中でも韓国海兵隊は男性や老人子供を皆殺しにした後、女性を散々に凌辱してから殺害した。それはソビエト連邦軍が第2次世界大戦末期の満洲や樺太で日本人の開拓村を襲い、ロシア軍がチェチェンや南オセチア、そしてウクライナで繰り広げた犯罪行為と大差はない。
「そんな軍事裁判に告発されて有罪になる奴ばかりだからあまり一緒に働いたことはないんだ。警察がアイツらの相手をするのは止めておけ。犯罪者は罪の意識があるから警察を恐れるんだ。犯罪に快感を覚える野獣にとっては警察も獲物に過ぎない。特別職国家公務員の自衛隊さんが対抗できるとは思えないが少なくとも戦闘技術は身についている。アンタたちみたいに鉄砲を射たれて撃った相手を確認するような危険なことはしない。自衛隊なら銃声を聞けば先ずその場に伏せるんだ」この話はカンボジアPKOで高田晴行警部補が戦死した時に指摘された問題だ。日本の警察官は銃撃を受けると銃声の方向を見て発砲した人間を確認する悪癖がある。それは国内での殺傷事件の大半が刃物によるため銃器の危険性に対する認識が甘いことによる。加倍首相の暗殺事件でも要人警護の専門家の警視庁SPは背後の銃声に振り返って発砲者を探して加倍首相を守る行動は取っていなかった。
「韓国軍がこの山口県で何をするつもりかは知らないことにしておくが、警備は治安出動している陸上自衛隊に任せることだ。警察自慢のSATも所詮は警察だ。韓国軍に皆殺しにされるのは目に見えている」ここで傍樹和尚は腕時計を見た。夕日の傾き方で時間を計ったらしい。そろそろ夕方の鐘を打つ時間になるようだ。
「我々の組織では上からの命令を実行するだけで現場の意見を上にあげることは許されません。上が警護しろと言えば皆殺しにされても実行するしかないんです」「それは大変な仕事だね。運悪く殉職すれば供養は念入りに勤めるから安心して職務を遂行しなさい」警察官の嘆き節に冷ややかに答えて傍樹和尚は本堂の前の軒に吊った小ぶりな鐘に歩いていった。そして柱に打ってある釘から木槌を取ると両手の親指に挟んで合掌し、深く頭を下げた。
カーン、カン、カーン・・・腕時計を見ていた傍樹和尚が鐘を打ち始めた。その動作は自然で作務衣姿と見事に調和している。警察官には先ほどまでフランス外人部隊の軍曹の顔で韓国軍との戦闘を解説していた人物とは別人に見えていた。
「和尚、ウチは門徒ですが供養を頼みますよ」警察官は傍樹和尚が数声目の鐘を打った時、独り言を呟いて加光寺を後にした。短い山道を下っている間に鐘の打ち方が早くなり、道路に停めている軽自動車のパトロール・カーに着いた時には大中大の止めの3打になった。
  1. 2023/02/19(日) 13:17:14|
  2. 夜の連続小説9
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