3月1日は調味料を中心とする食品メーカーの「キユーピー」が制定したマヨネーズの日です。ちなみに社名の表記は「ユ」を小さくしない「キユーピー」ですが読みは「キューピー」で、これは昭和21(1946)年に内閣告示33号「現代かなづか」が公布される前に創業した企業に見られ、他にも富士フイルム、キヤノン、シヤチハタ、オンキヨーなどがあります。ただし、キユーピーについては創業者の中島菫一郎社長が若い頃に留学したアメリカで口にして虜になってしまったマヨネーズを製造・発売するため大正8(1919)年に東京都中野区に創設した食品会社の中島菫商店(現在はジャムの「アオハタ」も傘下にしている)が大正14(1925)年3月9日に発売したマヨネーズの商標=ブロンド名にしたのが始まりで、社名の正式な変更は昭和32(1957)年ですがブランドはマヨネーズの代名詞として戦前から定着していたのでそのまま維持したのです。
「マヨネーズの日」はこの発売月の「3月」と日本初を意味する「1」を組み合わせたのですが記念日にするのなら3月9日の方が良さそうです。
野僧の世代ではマヨネーズが大好きな人が多く、ありとあらゆる物にタップリかけて食べていました。生野菜や茹で卵は常識、焼きそばにお好み焼き、冷やし中華は定番ですが(「もんじゃ焼き」はお好み焼きではないので駄目だそうです)、沢庵にかけると半歩、トコロテンにかけられると一歩引き、納豆にかける人には周囲が固まりました。
また「カレーにかけるのはソースか醤油か」で口論している横でマヨネーズをかけられると「ソースと醤油ならどちらでも良い」と言う気分になりました。これは「目玉焼きにかけるのは」でも同じ論戦になりますが、ここでマヨネーズをかけると「マヨネーズには卵が入っているんだぞ」とたしなめられます。そんなマヨネーズ好きは「卵黄のキユーピーと全卵の味の素ではどちらが美味いか」で激論を交わしていました。
この他にも好きなオカズがないと白飯の上にマヨネーズでとぐろを描いて美味しそうに食べる人も珍しくありませんが、「田舎者はマヨネーズが好き」と言う定義がありました。
しかし、日本製のマヨネーズは健康のためには過剰摂取は好ましくないそうです。何故なら日本工業規格で「半固体のドレッシングのうち、卵黄又は全卵を使用し、かつ食用植物油脂、食酢若しくは柑橘類の果汁、卵黄、卵白、蛋白加水分解物、食塩、砂糖類、蜂蜜、香辛料、調味料(アミノ酸等)及び香辛料抽出物以外の原材料を使用していないものであって、原材料に占める食用植物油脂の重量の割合が65パーセント以上のものを言う」と事細かに規定されているのでカロリーが極めて高く、それを改善するために材料を変えた商品はマヨネーズと言う呼称を使えないのです。ただし、その高蛋白質で高カロリーで衛生的な食品(食酢で細菌が死滅するため腐敗しない)は遭難者の生命維持には最適で「身動きできない状況に陥ったがマヨネーズのチューブを口にできたため生還した」と言う事例はかなりあります。
野僧は亡き妻やアラスカ人の彼女の自家製=手製のマヨネーズも味わいましたが、毎回のように「成功」「失敗」「まあまあ」と真顔で自己評価するのが楽しかったです。
- 2023/02/28(火) 14:41:16|
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