それからエルトンジョン記者は嬌声を聞いて校舎から出てきた兵士たちに代わる代わる犯され、全身が精液塗れになったまま鍵がかかる1階の小部屋に拉致された。それでも脱がした衣類とセカンドバッグは中身も確認せずに投げ込んでいったのでスマートホンは手元に残った。どうやら溜まりに溜まっていた性欲が解消されて軍人としての警戒心まで緩んだようだ。どちらにしても懐中電灯も持っていない北朝鮮軍の兵士ではスマートホンを見ても使い道が判らなかったはずだ。それでも貴重品として奪われる可能性はある。北朝鮮は海外向けの報道番組では国民が最先端の電化製品を愛用している様子を紹介しているが、それは平壌市内に住むことが許される上流階級の人間とその家族に限られた話で、徴兵による兵士の供給源である農村では懐中電灯やライターも普及していないのだ。
「好かったぜ、白人女なんて我が共和国にいてはやる機会がないからな」「それでもウクライナへ征った連中は占領地で手あたり次第にやりまくったって言っていたぞ」「その分、ほとんど死んじまったじゃないか」エルトンジョン記者を閉じ込めた小部屋の扉の鍵を閉めた兵士たちは廊下で下卑た話で盛り上がっていた。ただし、エルトンジョン記者は朝鮮語が理解できないのでこの全ての女性の人格を否定する会話に憤ることはなかった。
ロシア=ソビエト連邦軍と北朝鮮+韓国=朝鮮半島軍は戦場における性犯罪においては戦史で双璧を為す凶暴な性獣の群れだ。ソビエト連邦軍はロシア革命後の内戦で皇帝側の貴族や大地主の所領を占領すると妻や娘は言うまでもなく召使や領民の女性までも毒牙にかけた。第2次世界大戦末期にベルリンに侵攻した時にも経路になったポーランドやルーマニアに始まり、ドイツ国内でも手当たり次第だった。それは満州や樺太でも踏襲されたが、幸いなことに日本国内にソビエト連邦軍は駐留しなかったので頻度は圧倒的に少ないアメリカ兵の性犯罪だけが戦後史に刻まれている。戦後も東欧の駐留ソビエト連邦軍による性犯罪は厳格な報道統制で表沙汰にならなかっただけで日常化していた。ロシアになってからもチェチェンや南オセチア、そしてウクライナでは伝統を継承していた。一方、朝鮮半島軍は応永11年と弘安4年の元寇と150年後の応永26年の対馬侵攻では沿岸の集落を襲って住民を皆殺しにしたが、女性は軍船に乗せて沖で散々に凌辱した後、海中に投げ込んで殺している。近代に入ってからも日本が敗戦すると帰国を待つ日本人の家族を襲い、朝鮮戦争では侵攻した北朝鮮軍と反攻した韓国軍が互いの占領地で性的暴行を常態化していた。それだけでなく韓国軍は自国内での共産主義者狩りで疑いを抱いた集落の住民を虐殺したが女性は凌辱した後だった。それを派遣されたベトナムでも繰り返した。2000年代のアフガニスタンとイラクでも噂はある。
「あの女、身体を洗わせた方が好くないですか、誰のか分からない精液で汚れた身体じゃあ触る気になりませんよ」「そう言いながらお前は何発やったんだ」「2発です。順番待ちでしたから。中級兵士(1等兵)は」「俺は3発だ。もう1発やりたかったんだが女が壊れる。これから慰安婦として使うって下士(3等軍曹)が止めたんだ」小部屋の前での見張りを命じられた兵士2名は猥褻な会話を楽しみながら興奮したようでロシア軍の迷彩服のズボンの股間を膨らませた。この迷彩服はウクライナ派遣でロシア軍から提供された物だ。
「そうだな・・・俺たちが洗ってやろう」「バケツで水を汲んできます」話が決まって初級兵士(2等兵)は好色そうな笑顔を浮かべながら廊下の手洗い場に向かい、流しの下に置いてあるバケツを持って玄関に設置されている貯水タンクへ歩いていった。自衛隊であれば派遣地域の電気や水道、ガス、電話などの機能回復は最優先して実施するはずだが、ロシア軍は補給以上の発想は持たず川で汲み上げた水を消毒して各宿営地に設置した貯水タンクに給水するだけだ。その給水も北朝鮮軍は後回しにされている。
「スマホの充電が終わる前に・・・取り上げられる前に連絡しなくちゃ」電気が点かない小部屋に閉じ込められているエルトンジョン記者は窓から朝の日が差し込むようになるとスマートホンを操作し始めた。窓からは校庭の隅に植えられている並木の下に放置されているマッキイトニー記者の遺骸が見える。空中で炸裂した対人地雷に吹き飛ばされた時、爆風の中にマッキイトニー記者が自分を呼ぶ声を聴いた。その声は直後に始まった数え切れないほどの凌辱とは別の引出しに記憶されている。
昨夜は水が入ったバケツを持ってきた兵士2人に全身を洗われ、そのまま性行為を強要された。女性器は擦り切れた状態になっていて前戯に反応しなかったため肛門と口を使われた。それでもバケツを置いていったので便器は確保することができた。
「私たちはロシア軍の姿を撮影しようと試みて失敗しました。マッキイトニーは北朝鮮軍が宿営している学校で対人地雷によって死亡しました。私は北朝鮮軍に拘束されて女性としての尊厳を踏み躙られています。助けて下さい」何とか送信スイッチを押すことができた。場所は不明でもスマートホンの発信位置で推定できるはずだ。
- 2023/05/27(土) 14:00:04|
- 夜の連続小説9
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