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古志山人閑話

野僧は佛道の傍らに置き忘れられた石(意志)佛です。苔むし朽ち果て、忘れ去られて消え逝くのを待っていますが、吹く風が身を切る声、雨だれが禿頭を叩く音が独り言に聞こえたなら・・・。

続・振り向けばイエスタディ513

「姉貴、長野県の教員たちが妙なことを言い出したけど大丈夫か、義兄さんが出動した留守に大変だね」聡美が家に帰り、穂高の担任に汚された全身をシャワーで洗い流すとそれを待っていたかのように愛知県の弟から電話が入った。聡美はシャワーと一緒に溢れ続ける涙を流し終えてきた。県立高校の教員になっている弟は授業を終えた組合員たちが職員室で長野県の非防守宣言の話題で盛り上がっているのを耳にして携帯電話を掛けてきたようだ。
警察署で事情聴取したベテランの女性警察官は「性的暴行を受けていないことは意識を失っている間に確認した」と説明し、それは聡美自身も確信している。しかし、全身には唾液を塗りつけられた違和感があり、乳頭を噛まれ、女性器に指を突っ込み、強く吸ったような感覚が残っている。
聡美は高校で安川和也に出会うまでは美少女の「サセ娘(ご)」として男子生徒が共有する性玩具にされていた。このような前戯・愛撫にもならない行為は玩具を使う前に弄ぶ余興のようなもので、和也の愛情と優しさに包まれるように抱かれる日々で癒されてきた心の傷を荒々しく搔きむしられたようだった。それでも全身を洗い清め、髪を流し終えた頃には涙も尽き、鏡の前でドライヤーを使う顔はいつも通りで、試しに笑顔を作ってみた。そんな聡美も弟の気遣いに再び涙が溢れてきた。
「ウウウ・・・」「どうした、何かあったのか」唐突に聡美が電話口で泣き出すと弟は困惑したように声をかけてきた。弟は聡美が男子生徒の性玩具にされていることを嫌悪していたが、その原因が両親のダブル不倫だったことを知り、今では心配と応援を寄せている。
「私・・・穂高の担任に襲われたの」「そいつは組合員なんだな」「うん、でも未遂だったから大丈夫よ」「そうか・・・」弟の声に殺気に近い怒気が籠ったので聡美はそれを鎮めるために補足した。弟は両親が学校や地区の組合員の代表として活動していたため地元の教育大学よりもレベルが上の国立大学を卒業して学科試験では最高点を取ったにも関わらず県の小中学高校の教員として採用されず海外留学で機会を待つことになった。だから教職員の組合にはあからさまに敵意を抱いている。教員の弟が殺意を抱くのだから自衛官の安川1尉が知ればどうなるのか。聡美は今日だけは安川1尉と連絡がつかないことに感謝した。
「聡美、長教組の組合員に襲われたんだって」その夜、今では市会議員になっている母親から電話が入った。あれから1階の妻と相談したが警察官たちは無音のパトロールカーで来たものの目撃した妻たちが多く、「口止めするよりも未遂だったことを広めた方が良い」と言われて任せた。帰宅した穂高は小学校で担任が変わることを告げられて当分は教頭が代行すると説明した。今は自分の部屋で教頭に出された宿題に励んでいる。梓は聡美と一緒に英語の絵本を読んでいたところだった。それでも1人で声を出して英語の文章を読んでいるのでやはり母親似らしい。
「うん、危ないところだったわ。アイツはお母さんの後輩よね」「職業と活動は共通しているけど後輩と言うには無理がありそうね」母親は若狭湾の原子力発電所3基が破壊されて、愛知県でも放射線の異常値が検知されるようになると環境問題の活動家として名を売り、それを切っ掛けに元教員の市民運動の指導者としての地位を固め、今の立場に就いた。聡美としては精一杯の皮肉を投げつけたつもりだったが、母親は娘が性的暴行の対象になりかけたことに特別な感情を持ち合わせていないようだった。母親にとって聡美は中学時代から不純異性交遊を常習化させていた教員家庭の恥であって教えていない貞操観念などは身に着けておらず、誰に抱かれても抵抗はないと思っているのかも知れない。確かに和也に愛されるまでは汚れることで両親の娘としての自分を覆い隠せると思い込み、男子生徒がエロ雑誌やビデオで仕入れた性技を試すのに従っていた。今思うと男子生徒たちは妙に婦女暴行シーンが好きで、性玩具として素直に抱かれている聡美に泣き騒ぐと親に知られるから無言で抵抗する演技を要求することもあった。担任もそれを期待していて空振りに終わったのではないだろうか。
「貴方もユジンになるところだったけど安川和也の妻としての立場を守ったのね」「ユジンって・・・」「日本の非人道的犯罪を自己犠牲で償った聖女、佐藤有真(ゆじん)よ。今、長野県に住んでるんでしょ」娘の皮肉に母親は数倍の重さの皮肉を返してきた。ユジンこと佐藤有真(ゆじん)は韓流ドラマにのめり込んだ母親の影響で韓国に留学して毎週水曜日にソウル特別市鍾路区の日本大使館跡地で行われている(いわゆる)従軍慰安婦の抗議集会に参加していて集団暴行を受け、それを日本の罪を償う「聖女の自己犠牲」と称して公表するために愛国サイトが立ち上げられて一連の事件の発端を作った。その後も「日本の罪を償え」と無関係な男たちに性行為を強要されていたが、ソウル市内のカソリック教会で娘を日本人に嫁がしている神父に罪の誣告をして「母親との絶縁と帰国して知らない土地で生きること」を勧められたと言う。現在は安曇野の山葵(わさび)農家に就職しているが、韓国の愛国サイトで顔と実名を公開されていたため目撃した日本人がインターネットに投稿して知られてしまった。それにしても母親が日本人女性の性的暴行被害を公開する韓国の愛国サイト「日本人の女を慰安婦にしろ」を閲覧していたとは驚きだ。政治的意図や人権問題の参考としてならば理解できるが、この口ぶりでは女性たちの性被害を崇高な自己犠牲と称賛しているようだ。つまり娘にも同じことを期待しているのではないだろうか。
  1. 2023/06/08(木) 14:04:34|
  2. 夜の連続小説9
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