6月12日に陸上自衛隊の守山駐屯地と春日井駐屯地、岐阜分屯地の所在部隊が使用している岐阜市の日野射場で小銃乱射事件が「再発」して2名が死亡、1名が重傷を負いました。
「再発」と言うのは約40年前の昭和59(1984)年2月27日に山口市宮野下にある山口射場で発生した第17普通科連隊のカネノブシンイチ2士が日頃から馬鹿にされている鬱憤が爆発して「どうにでもなれ」と小銃を乱射して1名が翌日に死亡、3名に重軽傷を負わせて逃亡した事件があるからです。この時、野僧は曹候学生の卒業課程で防府南基地の第1教育群に入校していたため地元ローカル新聞とローカル・ニュースで情報を収集した上、数年後に防府南基地に転属して第17普通科連隊の隊員に話を聞いたので非常に詳しくなりました。
この事件で問題になったのはカネノブ2士が「立姿から寝射ち(航空自衛隊では警備職のみ実施する)」の射法のため立ったまま実弾を受け取って装弾した直後に横を向いて小銃を乱射した時、射撃指揮官が「その場に伏せ」と絶叫したことで被害の拡大は防げた反面、ジープを奪っての逃走を許す結果になったことでした。
このため野僧は射場では実弾入りの拳銃から手を離さず、不審な動きをすれば即座に発砲する覚悟で射撃指揮官や射場指揮官を勤めるようになり、その殺気は隊員たちにも伝わったようで硝煙にむせても「小隊長、咳をします」と断ってから咳き込んでいました。
次に問題になったのはカネノブ2士を指導していた営内班長の2曹が日誌を中隊事務室に提出していたところ隊員が不在中に立ち入った新聞記者がそれを読み、無断で持ち去って「情緒不安定であることを認識していた」とのスクープ記事にしたことです。
この記事が「精神障害者に実弾射撃を実施させていた」との批判を激化させる結果になったため第17普通科連隊は責任を営内班長1人に押しつけて「お前が余計なことを書いたからだ」と連日のように厳しく叱責した挙句に「兆候を察知していながら必要な報告と処置を怠った」との懲戒処分を下して自死に追い込んで2人目の犠牲者にしたのです。ちなみに日誌を無断で持ち去った新聞記者も公品横領(窃盗ではない)で告発されましたが「正当な取材活動」と言う手前勝手な主張が認められて事実上の無罪でした。
最近の陸上自衛隊は1月19日に東京都狛江市で90歳の老女が結束バンドで手首を縛られた事件で三重県の久居駐屯地の同じ第10師団の第33普通科連隊の3曹が逮捕されて、3月には元WACが演習中の天幕内での性的暴行で告発、さらに4月6日の沖縄県宮古島でのヘリコプター墜落事故で第8師団長や宮古警備隊長以下の多くの高級幹部を失っていますが今回の事態を予言していた人たちがいました。それは九州出身の陸上自衛隊のOBたちで、2018年3月末に更新された制服を見て「これじゃあ官軍たい。こげな制服ば着とると江藤(新平)さんや西郷(せご)どんの(乱に参加した藩士たちの)祟りがあるばい」と怒り狂っていたのです。
それにしても新入隊員を「自衛官候補生」などと仰々しく呼ぶのは止めましょう。「見習い隊員」「半人前自衛官」「自衛官予定者」で十分です。
- 2023/06/16(金) 15:14:00|
- 時事阿呆談
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真摯なるご指摘ありがとうございます。
ただし、野僧も秘密保全には留意しているので防衛秘密に該当する内容は記述していないと思います。また新制服の話題は祟りの部分はジョークとしてもデザインについては特別儀仗服と2連発だっただけに現職組を含めて意外に真剣に怒っていました。国防族の議員さんにお知り合いがおられるとは大変ですね。野僧も現役時代、山崎拓議員と飲む羽目になり絡まれて困ったことがあります。その点、高村政彦議員は紳士でした。野僧は故安倍晋三首相夫妻とは親しくしていましたが残念なことになり今は政治屋との関わりは控えています。
- 2023/06/19(月) 20:57:58 |
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