先日閉会した国会ではマイナンバー・カードを巡る登録ミスや混乱の事例が次々に紹介されていましたが、カード作成の案内が届く度に問い合わせ窓口に電話して「インターネットやメールを利用していると人間の意図とは関係なく機械の勝手な判断基準で文書を削除されたり、受付を拒否されたりする。この程度の完成度しか持たない機械に公的業務を代行させるのには反対だ」「メールの不具合の問い合わせ先が中国になっていることがよくある。日本の公的情報の委託先は職員を含めて完全な国内企業なのか。それが証明されない限り登録には応じない」と連絡している野僧としては「やっぱりな」と納得し、それでも政府は健康保険のマイナンバー・カードとの統一を強行しようとしていることに強い危機感を覚えていました。
同様に可否の問い合わせもなく中央官庁と政府が勝手に決定し、国民に税金とは別に少なからぬ出費を強要することを当然視するように実施期日を命令し、スイッチを入れて番組が見られれば満足な一般の視聴者が頼んだ覚えがない新機能の宣伝と準備に関する情報を秒読み的に垂れ流し、実行された結果、かえって多大な迷惑を被った事例として2011年7月24日のテレビ電波の地上デジタルへの移行を思い出します。
結局、地上デジタルへの移行は都市部の若者の携帯電話の蔓延によって使用する電波が不足して今後のスマートホンの普及に対応できないと言う危機感を抱いた総務省の官僚がテレビの地上アナログの転用を考えたのですが、当地は携帯電話のアンテナが立っておらず、現在も携帯電話やスマートホンを保有していない野僧にはアナログの頃には視聴できた福岡県のフジテレビ系列とテレビ東京系列の局が映らなくなって情報が大幅に縮小された損失=不利益だけで得たモノ=受益は何もありません。
今回も都市部の地方自治体にとっては膨大な住民の情報を電子化することによる業務の効率化は極めて大きく、何よりも収入を否応もなく把握できるようになれば課税逃れを一掃できるので一刻も早く実現しなければならないのでしょうが、昨日、JR東日本で発生した電子トラブルのニュースを見て「それは絶対に無理だ」と実感しました。昨日の深夜に発生したJR東日本のシステム障害によってカードやスマートホン決済による切符の購入や乗車券の予約などが不可能になったそうですが、そのマスコミに影響=被害を訊かれている利用者は「普段、現金は持ち歩いていないのでsuicaを使えなくなるとどうしようもできなくなります」と答えていました。つまり都市部では現金を持ち歩かない生活が日常化していて、それが停止する事態を想定しないほど信用していると言うことになります。
確かに紙幣に描かれている人物の変更が発表された時、街角インタビューで感想を訊かれていた都市部の住人たちは「お金は使わないので関係ない」と答え、解説者も「予算や労力を考えれば今更必要ないでしょう」と語っていましたが、そんな別世界の住人と役所の勝手を自治会の集金のために毎月会合を開いている田舎に強要されてもついていけるはずがなく、地上デジタル移行の時のように腹が立つのを堪えながら耐え難きを絶え、忍び難きを忍んで寿命を縮めることになるのでしょう。長生きしても良いことはなさそうです。
- 2023/06/25(日) 14:50:49|
- 常々臭ッ(つねづねくさッ)
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