最初に断っておくと安倍晋三元首相が暗殺された時、立憲民主党と日本共産党やそれに類する反国家活動家たちは偉大な業績に対する国際社会からの高い評価を無視して死者を鞭打つような誹謗中傷を繰り広げました。野僧はそのような人の死を追悼する「情」を持たない輩と同類になりたくないので以来、鞭打たれても当然の人物(大江健三郎など)も死後1年が経過して歴史上の人物になるまで批判的論評は控えることにしました。そんな中、7月24日にそれに該当する作家の森村誠一さんが90歳で死にましたが、本人関する論評ではなくマスコミの訃報が発する政治的悪臭を分析したいと思います。
先ずNHKは代表作の紹介で「『人間の証明』や自衛隊を描いた『野性の証明』は映画にもなり」と説明しましたがこの2作は角川出版から映画化を前提に執筆を依頼した「証明」3部作で、「青春の証明」だけが映画化されませんでした。なお、昭和53(1978)年からTBS(当時は毎日放送)系列の森村誠一シリーズとしてドラマ化された時は「青春の証明」が第1作でした。
映画としては第1作の「人間の証明」が敗戦後と現代の人間関係の途絶や親子の情と地位を守ろうとする野心の狭間での葛藤を描いて大ヒットすると第2作の「野性の証明」では話題性を狙って自衛隊を登場させたのです。映画では高倉健さんが演じる陸上自衛隊特殊工作隊の味沢1曹が体内に宿していた野性が目覚めると言う単純明快な展開でしたが、昭和54(1979)年放送のテレビドラマでは林隆三さんが演じる会社員の味沢が恋人の浅茅陽子さんがピーターさんが演じる地域の名士の息子の暴走族に強制性交された上に殺され、名士に媚を売る警察に濡れ衣を着せられそうになったため野性動物のように復讐を始めると言う現実味を帯びた物語でした(映画でも中野良子さんが演じる恋人が強制性交されて殺されますがシミーズ姿の遺骸になって床に転がっているだけでした)。一方、「青春の証明」は濃霧の公園でデートしていた緒形拳さんと有馬稲子さんが演じるカップルが暴漢に襲われ、暴漢を追っていた刑事に救われました。しかし、刑事は暴漢に刺されて死亡し、緒方さんも刑事を助けることなく逃げ去りました。すると有馬さんは「卑怯者」と罵声を吐きかけて別れを告げたのです。その言葉を深く受け止めた緒方さんは刑事に転職して暴漢を追うと言うやや無理がある粗筋でした。
政治的に問題なのはマスコミ各社が「悪魔の飽食」を代表作として挙げ、「日本陸軍の731部隊が満州で細菌兵器の開発や人体実験を行っていたことを暴露した」と説明したことです。この作品は昭和56(1981)年から新聞赤旗にノンフィクションとして連載されて同時期に朝日新聞が不定期連載を始めた戦時売春婦=(いわゆる)従軍慰安婦報道と同様に外交問題化したのですが、元関係者の否定する見解が他のマスコミで紹介されるようになると森村さん自身が創作=フィクション=捏造であることを認めたのです。つまり「731部隊が細菌兵器を開発し、人体実験を行っていた」と言うのは韓国の戦時慰安婦と同じく共産党中国が新聞赤旗の連載記事を利用して主張している政治的虚構であってどちらも日本政府は公式に認めていない(否定もしていない)にも関わらずマスコミが事実として報道するための根拠の捏造なのです。
- 2023/07/27(木) 14:01:59|
- 常々臭ッ(つねづねくさッ)
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