fc2ブログ

古志山人閑話

野僧は佛道の傍らに置き忘れられた石(意志)佛です。苔むし朽ち果て、忘れ去られて消え逝くのを待っていますが、吹く風が身を切る声、雨だれが禿頭を叩く音が独り言に聞こえたなら・・・。

8月5日・タクシーの日

明日8月5日は大正元(1912)年に東京の有楽町マリオンがタクシーメーターを装備したT型フォード6台で設立したタクシー自動車株式会社が営業を開始したことを記念して1984年に東京乗合旅客自動車協会が制定した「タクシーの日」です。
野僧は大の車嫌いにも関わらず「管理隊長になれば警備小隊を指揮できるから」と説得されて輸送幹部になったためトラック野郎の運送業や「発車オーライ」の事業バス、そしてタクシーを研究する羽目になりましたが、天職の基地警備戦闘=航空陸戦隊は言うまでもなく大好きな船舶や鉄道、旅客機のようには知識が吸収できませんでした。それでも野僧が勤務していた頃の沖縄では私有車を持っていなければ移動手段は徒歩か、バスやタクシーだったので予備知識はそれなりに有していました。
タクシーは旅客が運転手に乗車を申し込み、目的地を伝えて応諾した時点で個別契約が成立して旅客輸送を行う公共交通機関です。日本では運転手は旅客運送用の第2種運転免許証を保有していて車両は事業用登録をした緑色のナンバープレートを装着しています。また離島などでは小型船舶によるタクシーも運行していますが、操縦免許としては1級又は2級(海岸から5浬以内)の小型船舶操縦免許と特定操縦免許が必要です。
欧米のタクシーはニューヨークのイエローキャブに代表されると黄色の塗装の車両が一般的ですが、黒塗りの専用車両で運行しているロンドンタクシーもあります。この他にもインドやパキスタンではオートリクシャー(陸車ではない)、スリランカではスリーホイラー、フィリピンではトラインクルと呼ばれる3輪バイクのタクシーもあります。
前史としてはヨーロッパでは単独で馬に騎乗する上流階層とは違って庶民階層では馬車が料金を取って乗せていたバスとタクシーの境界線が不明な公共交通手段が発達していました。ところが日本では馬は農夫が馬子になって農耕馬に客を乗せて峠などを超える副業が主で江戸時代までは駕篭、明治以降は人力車が少人数の移動手段としてのタクシーの機能を果たしていました。つまり日本がタクシー発祥の地なのでしょう。
タクシーは駅やバス停で運賃=料金を設定できる列車やバスと違って乗客に止められた場所、正確に言えばタクシーメーターを作動させた場所から指定された目的地で停止するまでの走行距離で料金を算定しなければならず、発展途上国だけでなくアメリカやヨーロッパでも都市部を除けば乗車時の乗客と運転手の交渉で料金が決定することが多い中、日本では最初のタクシー自動車株式会社の6台のT型フォードにはタクシーメーターが設置されていました。タクシーメーターは基本料金=初乗りに走行距離や所要時間による料金だけでなく(高速度の時は走行距離、渋滞などに巻き込まれると所要時間)、深夜や通勤ラッシュなどの時間帯による割増なども加算する機能を有した優れものです。
余談ながらタクシー業務適正化特別措置法が踏襲しているイギリス式のタクシーとハイヤーの違いを説明するとタクシーは駅前などの指定乗り場や市街地を走っている流しで利用者を獲得する営業形態なのに対してハイヤーは営業所に電話などで申し入れて契約する車両で車種や大きさの違いではありません。
  1. 2023/08/04(金) 14:16:23|
  2. 日記(暦)
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
<<続・振り向けばイエスタディ568 | ホーム | 続・振り向けばイエスタディ567>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://1pen1kyusho3.blog.fc2.com/tb.php/8591-2e60f492
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)