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古志山人閑話

野僧は佛道の傍らに置き忘れられた石(意志)佛です。苔むし朽ち果て、忘れ去られて消え逝くのを待っていますが、吹く風が身を切る声、雨だれが禿頭を叩く音が独り言に聞こえたなら・・・。

テレビ各局はスポーツ中継しか能がないのか!

今年の夏はNHKを始めとするテレビ各局は異常な猛暑を「生命の危険レベル」と断定して天気予報だけでなくニュースでもアナウンサーや気象予報士が口を開けば「屋外では行動せず、適切に冷房を効かせた屋内で過ごせ」と柔らかい口調で命令していましたが、その代表格のNHKは各県の予選でも野球場に応援に行った学校関係者やOBの高齢者が帰宅後に熱中症で倒れ、病院に搬送される事故(死亡しても「野球の応援が原因」とは報道されなかった)が続発している高校野球を例年通りに中継し、屋外での「暑さに負けない体力づくり」を目指す自殺的体育活動を推奨していました。
しかし、視聴者を啓蒙・教育するような番組を放送しているNHKならば野球と言う競技を「甲子園」と言う屋外野球場で実施する必然性を討議し、「甲子園で開催しなければ周辺の宿泊業者への影響が大きい」と言う反対意見が出れば甲子園を冷房が効くドーム化する。それまでは暫定的に大阪ドームに移して引き続き甲子園周辺の宿泊施設を利用することを提案するべきでしょう。
ところがNHKは高校野球の独占中継を免罪符にしたようで残暑が相変らず殺人的でも天気予報は台風の解説に専念して教育的注意喚起を口にしなくなり、実際は一向に始まらない秋の気配らしきものの視聴者からの投稿情報を大々的に紹介するようになっています。
一方、民間放送は明けても暮れても日本のプロ野球を捨てて「憧れるに値しない」と本人が揶揄したアメリカ大リーグに所属している大谷翔平くんの一つ覚えで、活躍したのなら兎も角として不調や負傷で出場しなくてもベンチでの様子を事細かに解説する有様です。これで日本のプロ野球が阪神とオリックスが優勝して日本シリーズが関西対決になれば東京のマスコミはワールド・シリーズ出場を逃した大谷くんの休暇を追いかけるのかも知れません。過去にもマスコミは虚像でアイドル化した女子選手を量産しています。
ところでマスコミは投手と打者で活躍する大谷くんを「二刀流」と表現しますが、吉川英治先生が小説で作り上げた剣豪・宮本二天の「二天一流」は両手に剣を持つ流技であって違う武術を組み合わせた訳ではありません。その意味では不適切です。
そして現在はラグビーのワールドカップです。日本では故・安倍晋三首相が飼い犬のように服従していた森毅郎元首相の願望で2019年に前回大会が開催されて多少は周知されましたが、ラグビーのルールはサッカー以上に複雑なので本当に試合を楽しめるレベルまで浸透しているとは思えません。
もっとも平成から○○(零輪=れいわ)の日本人にとっての体育競技はスポーツ根性漫画やスポーツ青春ドラマで育った昭和世代のように「苦しくたって 悲しくたって コートの中では平気だもん」「血の汗流せ、涙を拭くな」「レッツ ビギン」と自分を鍛える手段や自己表現の舞台ではなくゲームと同様に視聴者として迫力を堪能し、応援している選手やチームが勝てば喜び、負ければ落胆する娯楽に過ぎず、ルールが判らなくても巨漢がスクラムを組んで押し合い、激走しながらボールを奪い合うド迫力の場面が見られれば満足なのでしょう。炎天下の高校野球もその感覚ならば楽しめるのかも知れません。
  1. 2023/09/13(水) 14:08:38|
  2. 常々臭ッ(つねづねくさッ)
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